CIRCULATION #11
SAVE KATOKU
Contributed by ERI
Trip / 2021.09.24
#11
奄美大島のサーフポイントは、リーフ(下がサンゴ)が多い。
それでも少ないけれど、ビーチのポイントもある。
そのうちのひとつが、嘉徳海岸(かとくかいがん)というビーチブレイク。
そこはポケットビーチで、海岸に入って砂浜から後ろに見えるのは、
大きな岩と、大きな木で囲まれた風景。
まるでジュラシックパークのような景色だよね、といつも話す。
そんな唯一無二のポイントで今、護岸工事が進められようとしている。
「台風の時の災害などから守るため」と言われているが、
護岸工事の必要性がないことが明らかとなってきた。
工事がスタートしてしまうと、地形も、景観も壊されてしまう。
今回は日本国内はもちろん、世界からも注目される貴重なビーチブレイク「嘉徳海岸」を守るための運動【SAVE KATOKU】について紹介させてください!
奄美大島の海岸は、コンクリートなどによって、先人たちが残してきた自然を侵食されてしまった。
そんな中で今なお自然のままの姿で残っている海岸が、嘉徳海岸なのです。
時期になると、カメの産卵も。
その古の姿は「ジュラシックビーチ」と呼ばれるほどで、ビーチの後ろにはパノラマに広がる木々に囲まれたポケットビーチだ。
同じ島でもこんなに雰囲気が違って、海外によく行く人でも、「ロケーションがすごい! 山に囲まれてる! 人工物がない!」って感動するそうです。
調査の結果、「護岸設置は、違法かつ逆効果」なのだという。
違法というのは、
1.海岸法の『海岸環境の整備と保全』に反するからである。
護岸設置により、貴重な自然を不可逆に改変するものであるから。
2.地方自治体が定める最小経費最大効果原則に即さない違法な支出であること。
そして逆効果というのは、
嘉徳海岸は海岸侵食は進んでおらず、むしろ護岸を設置した方が台風時に波浪被害や侵食を招く、という調査結果が出ている。
過去10年で最大であった2020年の台風10号でも侵食はなく、『天然の防波堤』が機能していることが判明している。
そんな護岸工事を止めるために、地元民やサーファーだけでなく、私のような外からきた人間もそれぞれ発信して、この運動を知ってもらいたい。
少しでも力になれたら…。
地元の方の意見を少しだけシェアしたいと思います。
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嘉徳海岸の、専門家による砂浜調査結果を知る事が大切です。
護岸の必要性
まず海岸の調査結果をしっかりと行なって、状況を把握し、それから必要か必要じゃないかを考えるべきだと思います。この調査は嘉徳海岸の貴重な自然を大切に思う有志の方々が専門家を招いて行なっています。そして、この調査結果を集落の方々、町民の方々、それから奄美全体の島民が知る事が大切だと思います。
世界自然遺産を目指す島だからこそ、島の貴重な自然をしっかりと調査して、議論して、進めて行く必要があると思います。行政機関や施工業者、集落の一部の方々が、海岸を専門家による調査を参考にせず、巨大な護岸工事の計画を進めて行く事は、果たして世界自然遺産を目指している本当の奄美なのでしょうか。
[世界に認められる奄美の貴重な自然=世界自然遺産]
この事実をしっかりと受け止めて、そこを目指している奄美だからこそ、この護岸工事の手順は島全体的に考えが必要だと思います。奄美大島は自然のままの海岸は殆ど残っておらず、手付かずの海岸は数少ない状況です。各集落には大きな漁港が存在し、海沿いは護岸で固められてます。
1 “まずは知ることから”
・砂浜の状況
・世界自然遺産とは?
・そこで生息している生態系
・なぜ護岸が必要なのか?
・外から見た奄美の自然
・観光で来られる方は何を求めて奄美へ来るのか?
・未来の奄美
・過疎化を防ぐ為には?etc...
色々な事を知り、議論して、今後の奄美の状況を踏まえて、この巨大な護岸工事を考える必要があると思います。調査もせず、知ろうとせず、議論も無く、簡単に巨大な護岸を進めようとする事に、本当に驚きと疑問です。
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世界自然遺産に登録された奄美大島ですが、実際には海や海岸線の保護はされて無いのが現状です。未来の子供達へ、島の貴重な海岸を残す事が出来れば、奄美が世界自然遺産に登録される意味を後世に語り継ぐ事が出来ます。
嘉徳海岸は、自然だけでなく最高なビーチブレイクも存在します。いつの時代にも、家族や仲間、大切な人達と大自然の中でウォータースポーツ、サーフィンなど、自然のフィルターを通して、貴重な自然の大切さを感じる事は、原点回帰に繋がる事だと思います。
どの様な行動で、嘉徳海岸を保護して行くのが一番良い方法なのか分かりませんが、刻一刻と大切なスポットが消滅して行こうとしている事実があります。
日本にも世界に誇れるスポットが点在しており、そしてこの奄美大島にも、嘉徳海岸という誇るべき場所があります。今こそ、大人が将来の子供達のために”何を残して行くのか”を現実的に考えるべき時代ではないでしょうか。
そして、僕の生まれて育ったこの奄美大島でも、今後についてしっかりと考える大切な時期に来たと思います。コロナ渦で、行動を起こし辛い世の中ですが、大切な物は何かを子供達に語り継ぐ事の出来る行動を起こせたら…。この護岸工事に関わる方々、行政の方々、もう一度、沢山の人達と一緒に検討するべきだと思います。
世界自然遺産地域の海岸に、これほど大きな護岸を作る事は、奄美の将来に関わる大きな工事であり、負の遺産になりかねません。世界からみた嘉徳海岸はどれだけ貴重な海岸なのか、先ずは”知る事”、”考え”、伝えて行く事” そして”決断”今一度、工事の必要性を検討するべきではないでしょうか?
想いのある皆様、シェアを宜しくお願い致します。
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抜粋 YUSEI IKARIYAMAさんのインスタグラム @ikarip
今年、奄美大島が世界遺産に登録された。
私は正直、素直に「おめでとう!」と思えなかった。
それはなぜか?
確かに奄美は本当に素晴らしいところだと思う。
独自の生態系を持つ自然、そして文化。
しかし、問題は登録されたその後だ。
世界遺産に登録されたのならば、普通は守られるべきだと思う。
しかし、開発が進みすぎてしまったり、ゴミが増えたり、事故・トラブルが増えたり。
そうなってしまっては元も子もない。
この素晴らしい残された自然に感謝して、これからも楽しみたい。
奄美で息をすることは、本当に気持ちがいい。
ただの呼吸、されど呼吸。
不純物が混ざってない、ナチュラルな空気。
特別な空気が流れている島だと感じている。
そんな奄美大島の自然が守られて欲しい!
嘉徳海岸もそのうちの一つ。
私も海に入る人間として、貴重な海岸の嘉徳海岸が守られるように、
このSAVE KATOKUをサポートしていきたいです!
いつもより長くて硬めの文章でごめんなさい…。
奄美が大好きだからこそ、守られるべきところをシェアしたかったのです。
よかったらSAVE KATOKUのアカウントもあるので、興味ある方見てみてね。
ハッシュタグ #SAVEKATOKU
@katoku_lawyers
@katokujurassicbeach
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ERI
藤沢生まれ、横浜育ち。物心ついた頃には、絵の具で遊んでいた。アーティスト活動のため脱サラ。モノにあふれる現代に疑問を持ち、着飾らない自然体でいるスタイルの美しさを表現している。好きなものは、サーフィンとみかん。