Couch Surfing Club #7

自分にも人にも優しく

New York

Contributed by Yui Horiuchi

Trip / oct.08.2019



今日は待ちに待った旧友の勇姿が拝める日。クラスは一度も被らずとも、中・高・大と10年間同じ学校に通った仲だ。

転勤族だった私にとっていろんなところに友人がいるのは嬉しい。だけど、幼馴染っていう感覚がない分、こういう長い付き合いは自分にとってはすごく貴重。そして、12歳からの付き合いも18年目に突入、このニューヨーク滞在で彼女の大仕事の一つを見せてもらえることになっていた。

メンズファッションウィークという大舞台で、彼女がPRを担当するN.Hollywoodのショーに招待してもらったのだ。友人の晴れ舞台への楽しみを隠し切れない。緊張と興奮もあって、自分が何を着ようか迷ってしまった。そして、持って行ったワードローブをひっくり返して、ホテルの部屋で自らファッションショーをしたりした。

午前9時、ようやく見切りをつけNEW YORK ART BEATの藤高さんに会いにいくため、待ち合わせ場所のSTRAND BOOKSヘ向かう。お店の屋外にあるセール品コーナーは、ESPOの壁画で埋め尽くされていた。





ここの本屋をおすすめしてくれたのも初日にインタビューをしたヒシャムさん。外のラックに掘り出し物があるよと教えてくれていたので、店内はスルーして物色。(ここで見つけた面白い古本をANNA MAGAZINE主催のガレージセールにも出品した)



欲しい本が見つかったところで、藤高さんが本屋まで迎えにきてくれた。会計を済ませるためにお店のレジへと向かう。店内は、午前中だというのにレジに行列ができていた。その光景に少々非日常感を覚えたが、それよりも並んでいた女性のシンバ(ライオンキング)のタトゥーに釘付けになってしまった。彼女が何を買おうとしてるのか気になり、観察していいると、あっという間にレジの順番が。



ちなみにタトゥーの彼女は靴下を買っていた。アメリカでは、時折雑貨を扱うスタイルの書店を目にする。それと同様に、ここもマグカップやキャンドルなどを扱っていた。

藤高さんが連れて行ってくれたお店は、いわばマンハッタンのど真ん中、ミッドタウンマンハッタンに位置していた。ユニオンスクエアにほど近く、本屋の隣のビルに入っている洗練されたレストランだった。常連なのか、藤高さんについていくとボーイさんが彼に挨拶をし、二言三言言葉を交わしていた。

野菜が食べたいと言って選んでもらったお店なのに、メニューを見ると“タルタル”の文字。食欲を抑え切れず、結局サラダとタルタルの両方を頼んだ。そして、「野菜だけのはずでは?」と突っ込まれる始末。

そういうこともあるよね。(笑)

食事をしながら、TOKYO ART BEATの話題やお互いの近況について話し合った。





トイレ立ち寄ると、ジェンダーフリー仕様になっていて、誰でも使えるようになっていた。こんなところまで、先進都市ニューヨークらしい取り組みを目の当たりにしたのだった。

トイレ全体の写真を撮影するのは、他の利用者も(男女ともに)いたので、自粛。だけど、ハンドソープとローションが私の愛用しているリップと同じブランドだったのでその部分だけ撮影した。このブランドのアイテムは、なんでもおすすめ。



そろそろ仕事に戻るという藤高さんに、ランチをご馳走になったお礼を伝え、次の目的地ハーレムへ向かう。ポートランドを拠点にアーティストレジデントの運営を行う、マットに会うためだ。

電車でミッドタウンから一気に北上する。その距離、おおよそ100ブロック以上。ハーレムは10年前にもきていたけど、その頃よりは安心して歩けるようなった気がした。当時は、スパニッシュハーレムに滞在していたし、ヒスパニック系しかいない街やイタリア人街、アフリカ系移民の街などが多数存在していて、“人種のるつぼ”とはまさにこのことだと本当に思った。



待ち合わせ場所のLenox Coffeeは、ほぼ満席。仕方がないので屋外のキッズ用スペースで待っているとマットが現れた。彼は、宇多田ヒカルに憧れて日本の高校に進学したくらい、日本のポップカルチャーに造詣が深い。



聞くところによると、最近ではレジデンスプロジェクトの他、日本のカルチャーに触れて育ってきた友人と共に、90年代のアジアカルチャーを紹介するプロジェクトを立ち上げているところだという。様々な活動をあらゆるアウトプットで行なっている同世代の彼の話は、とても刺激的だった。

しばらくして昨日も会った、いつきちゃんも合流。



相変わらず炭水化物不足で空腹だと言う痩せ型の彼女を見ていると、気に留めずにはいられない私。ホテルの朝ごはんで大量にでてくるアメリカンカーブス(ベーグル、ドーナツ、カップケーキ、ワッフル)を目一杯 I ❤️ NYのプラバッグに携えてきたので、そのまま横流し。



これで空腹を満たし、制作に邁進してくれたら願ったり叶ったり。スタジオの見学に行かせてもらう予定が改修工事の真っ最中とのこと。仕方がないので、インタビューだけ取らせてもらおうと思い、その場で話を聞くことにした。



時間に追われ続けている、私のニューヨーク滞在スケジュール。今回、取材と匹敵するくらい大事な用事を遂行するため、その場で二人に別れを告げ、ホテルへ向かった。

また電車に乗り、100数ブロック一気に南下する。毎日のことだけど、移動距離が敏腕営業マン並。ただ、東京で歩き慣れているので、街の移動には馴染みやすかった。東京で生活している順応性をこんなところでも見出した。

ユニオンスクエアでまた乗り換えて、1日に何度となく顔を合わせるドアマンに会釈し、ホテルの部屋で「ショーには、多分これ!」と思った洋服に着替え、いよいよファッションショーへと向かった。



会場では、友達のLetaとWadeに落ち合う予定だった。普段からファッションセンスの突出している二人が何を着て来るのだろうと楽しみにしていたけど、案の定会場ではHypebeastにスナップをばっちり押さえられていた。



私は開演時間ギリギリの到着予定の上、降りる駅をひとつ見間違ってしまい、一駅歩くはめに…。



西陽が差し込むトライベッカを競歩し、汗だくで会場についた頃には、エントランスは閑散としていた。一瞬「やばい、会場の違う入り口来ちゃったか??!」と落ち着きなく人の気配のする方へ行くと、そこには同級生の姿があった。

PR担当の本人よりも私が緊張するのはおかしいので、深呼吸して平常心を装い、ショーの無事を祈ってる旨を伝えた。そして、急いで化粧室へと向かった。

緊張で乱れまくった心拍数と化粧を直し、いざ劇場内の指定された座席へと向かう。そこには、すでに着席しているLetaとWadeの姿があった。「もう始まっちゃってると思った」と伝えると、彼らは「オンタイムに始まることはないから安心して」とショーの常連さながらの余裕を見せていた。

しばらくして、開演の合図があった。すでに舞台の中央に黒いマントを着用し、カメラを構える一団が控えている。開演するまで本当のフォトグラファー達がそこにいるとは想定していなかった。普段は見る側の彼らが客席からの集中する視線の先に、モデルが現れるまではひたすら見られる側となっている。この光景を面白い構図だと思ったのは、私だけだったかもしれないけど(笑)。舞台の設計的に、もはや彼らのアピアランスがショーのパフォーマンスの一部なのかと見間違うくらいだった。



逆円錐系の舞台では、客席が舞台を囲み、上から観覧するスタイル。前の人の妨げや後列にいてショーが見えないというようなことがなく、すべてのルックを申し分なしに満喫することができた。素人なだけにどこまでこういった舞台型のショーが一般的なのかはわからなかったけど、個人的にはこちらの方が好きだなという印象を抱く。



ランウェイを歩いたモデルたちが一斉に舞台に集まり、その中央にデザイナーが登場し拍手で閉幕になった。同級生の頑張りを聞いていただけに、なかなかじっくりと堪能することができた。このショーを幕切れは、今回ニューヨークにきた2大目的をまっとうすることできた念願の瞬間でもあった。



体質によって食事制限の厳しいWadeでも安心して食べられるお店が近くにあるという。みんなで街を歩きながらお店へと向かう。その道中、二人が婚姻届けを出したというお役所やマンハッタン市内の刑務所などを通り過ぎる。身長が190cm近いWadeの足が早いので着いていくのに必死になっていたら、全然写真を撮っている余裕がなかった。旅の記録をとるなら、シャッターを切り静止画を撮るという行為をすべて動画へ移行。そして、トラッキング機能のついたGoProのようなものを装着するのが望ましいのに…とこのブログを書いている今になって思った。





お店に着き、早めの夜ご飯に大好きなパッシーユを頼む、みんなでシェアしようとオーダーしていたチャーハンは、それぞれのポーションが多すぎるため完食できず、一旦ドギーバッグ。帰り道、みんなで立ち寄ったNYUの近くにあるTrader Joe'sにて適当にクラフトビールを買った。そして、胃腸が休まった頃を見計らい、ホテルでLAにいる心友とテレビ通話越しの晩酌を楽しんだ。





ホテルに長期滞在していると、様々な生活の知恵が身につく。

今回習得した技は3つ。
まず、冷蔵庫がない時とりあえず製氷器の氷を洗面所に突っ込んでおいたら、常温のビールも風呂に浸かっている間に美味しい飲み頃の温度になっているということ。
次に、お米が食べたくなった時の為に持って来たレンチンご飯は電子レンジがなくても部屋にある湯沸かし器やコーヒーメーカーでも調理できること。
そして、それを食す為に時折、朝ごはんのビュッフェのフロアから余分にカトラリーを拝借して、部屋にキープしておくこと。そうしないと手でたべることになるから。





駆け抜けた滞在も今日で一週間、そろそろ体調に悪化の兆しが見え始めたので、なおこちゃんにおすすめされたホメオパシーの風邪薬を近くのCVSで買っておいた。



「大人しく薬を飲んで寝るようなことが1日くらいあってもいいよな」と自分を甘やかす7日目の夜でした。

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