秘密のアジト

Own Beautiful Adventure in Baja #9

秘密のアジト

Contributed by Nachos

Trip / 2024.05.09

世界中の国々をサーフトリップしながら、女性にフィーチャーした"saltybabe photo"を撮り続けている、フォトグラファーNachosさんの旅連載「Own Beautiful Adventure」。シリーズ第10弾は、バハ・カリフォルニアでの旅の模様をお届けします!

#9


「行ってみたいところがある」

実はメキシコに来る前から言われていた言葉。

「場所は非公開でドネーションだけでDIYをして作っているスケートパークがあるんだけど、そこのオーナーと連絡がつきそうだから行きたい」とスケーターの友達が言った。


前日にオーナーから送ってもらった大体の住所を頼りに荒野の道を進む。果たして辿り着けるのか?




途中からはこんな道になっていった。けれども私たちはワクワクを追いかけ進み続ける。こういう時の胸の高鳴りって病みつきになる。付き添いの私でさえ、こんな気持ちになるんだから当事者は尚更だろう。心の中で勝手にこの出来事をメイクさせてあげたいと願った。


非公開の場所


大体この辺り。という場所まで辿り着いた私たち。
ここかな? と思う場所を見つけたけれど誰もいる気配がない。呼んでみるも、中を覗いてみるも気配はない。

「でもさ、ちょっとパークみたいなの見えるよね?」
「どうする?」
「ちょっとだけ待ってみよう」

その間は辺りを散歩することに。



……と言っても、周りは廃墟か荒地かだけど。
でもこの広い世界で初めてきた場所。そして荒野だけど美しい世界が広がる景色に心が奪われた。私はひとりで歩き出し、景色を見回した。どこまでも広がる景色。砂埃っぽい空気の中にポツポツとある建物。その向こうには山。ちょっとあの建物の方まで行ってみようか。



遠くに野犬が吠えているのが見える。
とっさに私は進行方向を変えてみんなのもとに戻った。


good feeling!


だが、待ち人はこず、どんどん日が傾いていった。

「どうする?」
「後10分待っても来なかったら帰ろう」

……そして10分経っても待ち人は現れなかった。

「メキシコあるあるだよね。仕方がないね」とみんなで車に乗り込み動き出そうとした瞬間、1台の車がこっちにきていることに気がついた」
「え、待ってあの車こっちにどんどん近づいてくる」
「来た!!」

そして1台の車が止まり、中から人が降りてきた。

「ごめん、遅くなった。入って」

そこには可愛らしい女の子の姿が。




扉を開けてくれたのはここの管理人のAna、笑顔がとってもキュートなガールズスケーター




鉄網とフェンスに囲まれた中にあったのは小さなトレーラーとこじんまりとしたスケートパーク。でも中には、彼女の、みんなの夢が詰まっている場所。

黄金色に輝く夕日の中、夢のスケートパークで遊ぶ。友達の夢の一つが叶った瞬間を見ることができた。こういう時間をみんなと共有できるって本当に大切な時間。時間の関係でほんの少ししかいることはできなかったけれど、それでも最高の時間になったのはいうまでも無い。







そして、「まだまだここは作り途中なんだけど、もう少し過ごしやすくしてAirbnbで貸し出せるようにしたいの」と話してくれた彼女。きっと素敵な空間になるね。



私はランプには入れないのでみんなのスケートを見ていただけだったんだけど、フィーリングは伝わってきた。



私たちは今日の出来事の興奮冷めやらぬまま、暗くなる前にアジトを後にして帰路へ。そう、なんてったって今宵の晩餐はみんなが楽しみにしていた特上マグロとウニ!!



今日という1日が最高だったのに、こうしてまた家に戻っても最高な時間が待っているなんてなんて最高の日なんだ。ちなみに次の日のお昼ご飯も、はい、ウニを好きなだけご飯に乗せて食べてね! スタイル。天国かと思った。さすが港町。





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