MY BEACH TOWN #4

毎日を自分好みにDIY!

Byron bay-4

Contributed by Akemi Kan
Photo by Chrystal Dawn

Trip / 2018.07.20

世界中の愛すべきビーチタウンを紹介する本企画。
自然と共存する「バイロンベイ」の人は、実はDIYの達人。
気持ちいい部屋づくりのコツを勝手に盗み見してきました!

いらないけど捨てられない…。そんな感情を持つ日本人にとって“断捨離”は少し憧れのキーワード。もしもそれができたら、すっきりさっぱり爽快! 明日からはきっと軽やか〜。
でもそんなことはない。いらないものはとっくに捨てているはずだし、好きなものならずっと大事にしてる。本当に捨てるべきはその“迷い心”なのだ。と、オーストラリアで買ってきたワインを飲みながら考える今宵。
バイロンベイの人々は笑っちゃうくらい自分の“好き”に正直だった。



ファーマーズマーケットに出かける途中で出会ったサーファー。彼にとって必要なのは、波の状況に合わせて移動できる自由さと、最低限必要な物に囲まれたミニマムな暮らし。ということで、ご自宅はこの車。なんとISUZUのトラックを自分で改造。バイロンベイの豊かな自然が大好きなだけに、外観はナチュラルなウッド素材にし、中には快適に眠れるベッドを配置。大きなサーフボードは外に掛けておくというアイデアで、十分な移住スペースも確保している。究極の暮らしだけど、いらないものをすべて排除した彼の毎日は、とても幸せそう。



そしてこちらはジュエリーデザイナーとして活躍するCeleste Twiklerのアトリエ。海が近く、自然光もたっぷり入る家を探していた彼女は、より理想の暮らしに近づけるためにDIY。仕事場として長い時間を過ごす場所だからこそ、“気持ちいい”が必須。好きじゃなかった壁の色は自身で真っ白に塗り直し、「もっと光がほしい!」と窓も追加。仕事もはかどるシンプルで解放的な空間を完成させた。



ちなみにテラスはこんな感じ。仕事の合間にリラックスできるソファの先には、緑豊かな庭もある。サーフィンが好きだから、サーフボードもストック。波が上がれば、休憩がてら海へと向かう。裏庭には憧れだった外付けシャワーを自作するなど、かなりのこだわりようだ。もちろんこのウッドデッキも自作。壁も好みの色に塗り替え、さらにヤスリでアンティーク感を出している。



画家として活躍するMia Taninakaにとって、心を落ち着かせ、自分自身と向き合う“瞑想”は、日々の暮らしに欠かせないこと。そのため、自宅には広々としたメディテーションルームを。瞑想ルームといえば、からっぽな空間を想像しがちだけど、Miaの場合は違う。自身のアートや以前暮らしていたバリで購入した家具など、“好きなもの”を加えて、自分らしいメディテーションを実践している。



子供部屋には、Miaのアートと子供達が描いたイラストを。すっきりとした快適空間に自分たちの手を加えるのがバイロン流。

自分にとって何が心地よくて、何が不必要か。そんなことをごく自然に分別し、マイペースに暮らすバイロンベイの人々は、自宅にもそれぞれのアイデンティティがしっかり映し出されているのが印象的。仕事やお金よりも、日々移り変わる豊かな自然に触れたり、好きなことに没頭する自由時間に重きをおく人々が移り住む街だけに、いらない“迷い”とは無縁。迷う暇があれば、改造して自分色に変えてしまうのだ。

この街では、週に4回も仕事をすればかなりの働き者と任命されるそうで、その心の余裕こそがDIYの新しいアイデアも生み出すのかもしれない。ああ、なんとうらやましい暮らし…。


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