まるちゃんの風邪

まるちゃんの風邪

Contributed by Aya Ueno

Trip / 2021.06.18

直感を信じ、ドキドキするものに向かって走り続ける神戸出身の大学生、Aya Uenoさんの連載「Greenfields I'm in love」。自分探しも兼ねたロンドンでの留学生活で、自分の目で見て、肌で感じたありのままの日々の記録をお届けします。

#41

日本から来た友達と、パリからきたまりか、ロンドンに住むいさおとわたしの計7人のロンドン紀行、早いものでもう3日目。今日がみんなで過ごせる最後の日だ。
毎晩遅くまで遊んでいるけど、しっかり観光もしたいガールズ達は早々起きて、身支度をする。バルセロナで拗らせた風邪もだんだん良くなって復活してきたまるちゃんと、まるちゃんからしっかりウイルスをもらって、だんだんゾンビみたいになっていく他の男の子たちを家に置いて家を出た。アフタヌーンティーを食べに、ケンジントンの100 Queen’s Gate Hotelへ向かう。
ホテルに着くと、インスタグラムで何回も見た白や緑が基調のラグジュアリーな空間に案内された。空間というのも、扉がついた一室ではなく、小さなラウンジのような感じだから。写真では大きく見えたけど、実際はこじんまりとした場所だ。鏡の効果で奥行きがあるように見えたのだ。他にお客さんもいなくて、貸切状態、嬉しい!


まずはシャンパンで乾杯! もう1週間以上一緒にいる。まるで2、3日だったように早くも感じるし、国を跨いであちこちを旅して色んなことをしたから、思い出がいっぱいで長くも感じて変な感じ。後1日だね、と早くもなごり惜しみながら、今日は何をしようかと話しあう。
次は紅茶選びだ。このホテルで使っている紅茶は、わたしの学校の近くにもあるWhittardのものだった。(わたしはここのホワイトココアが大好き!とってもとっても甘い)
程なくして、紅茶と一緒にお待ちかねのスタンドがサーブされた。F&Mや、メイフェアにあるSeymour's Parlourと比べると、ちょっと遊び心のあるアフタヌーンティー。サンドイッチは、ロール型みたいになっているし、クロテッドクリームはじょうろに入っているし、植木鉢みたいなデザートだってある。(鉢も含めて、ぜーんぶ食べられる!!)ひとつひとつの色味も、ボタニカルな空間の雰囲気と相性ばっちりで、どこを撮ってもかわいい。映えに徹底したような雰囲気に、飲み込まれてしまいそうだ。

ボタニカル!って感じだ。



ジョーロに入ったクロテッドクリーム。



アフタヌーンティーは見かけもかわいいけど、味もやっぱり美味しくて、何回も何回もおかわりした。私は目の前に食べ物があればいつまでも食べてしまう悪い癖がある。心が罪悪感でいっぱいにならないうちに退散することにした。

そのあとは、歩いてすぐのところにある大好きなV&Aへ。ここは美術館だけど、設備されているカフェで食べられるスコーンがおいしいと学校の友達に教わった。私たちのお腹は既に小麦で溢れかえっているし、断念。よく来るのに、いつもタイミングが悪くて食べられない。

まりかとはお馴染みのレンタルサイクル。



私には美術館の醍醐味はグッズ売り場だという持論がある。V&Aのそれは、私の中でもかなり上位に入る素敵な品揃え。わたしの思惑通り、なあみんもとっても気に入ったみたい。彼女の趣味をわかっている(つもりだ)から、こうして喜んでいると、「やっぱり!」と私も嬉しくなる。
そのあとはハロッズへ、V&Aからハロッズへ向かう一本道は、街並みが一際綺麗でとっても好きで、わたしの定番散歩コースのひとつ。二人がいるから余計に楽しい。

まりか、なあみん、後ろ姿。





服と葉っぱがマッチしてかわいい。



なあみんのリクエストで、ハロッズの手前にあるChurch'sへ寄った。ツヤツヤでかわいい靴が、ていねいに陳列されている。素敵な靴は、素敵な場所へ連れて行ってくれるという言葉を聞いたことがある。Church'sの靴をゲットして、まだ知らない綺麗な場所へ連れて行ってもらいたい。

ハロッズで好きな場所は地下のお惣菜売り場!




最後の夜は、みんなでパブへいこう!
男の子達とベイカーストリートで待ち合わせて、大きなパブに入った。
みんなが順番にオーダーするのを席で待っていたら、前に座ってるまるちゃんがいきなり両手の人差し指で自分の両目の寸前まで指さした。
体を縦に激しくゆらしながら、「はあ、落ち着くーーー」と言う。何かと思ったら、"先端以外恐怖症"の人らしい。きっとまるちゃんの頭の中は、こんなしょうもないネタの宝庫なんだ。おかしくて笑っちゃった。
そのあとは、ごはんを食べに、ピカデリーサーカスまで歩く。
みんなで並んで歩くオックスフォードストリートは、いつもに増して素敵に見える。





帰ったらいつもみたいに遅くまで最後のパーティーをして、今日はみんなで川の字になって寝た。たった3日しかいなかったのに、みんなといられるのが楽しくて嬉しくて、帰ってしまうのが寂しくて、ずっといたらいいのにと思った。

昨日のジャグジー戦争でびちょびちょになった服を洗濯したら、ちっちゃく縮んで返ってきた。みんなで落書きをする。



心強い2人。いさおはもうすぐベルリンへ行く。




朝、こうきくんの携帯の目覚ましが鳴って起きた。みんなまだ、荷造りをしていないから早めに設定していたのだ。手伝ってあげようと思って一旦起きたけど、帰るのが嫌で嫌で、もう一度寝室に戻って横になった。

「帰るよー」と起こされて、リビングに行き、こうきくんよりだいぶあとに目を覚ましたみんなが慌ただしく荷造りするのを、ぐったりソファに座りながら眺めた。寂しいを超えてちょっとしんどい。まるちゃんの風邪は女子群にもじわじわ押し寄せていた。実はまるちゃんの風邪、結局7人全員に移り、まりかなんてその後しばらく体調をこわしていた(笑)。
ウーバーがやってきた。寂しい寂しいと言いすぎないように、笑顔でまたね、また日本ですぐ会おうねと約束した。
あ〜、お別れは嫌い! 心にぽっかり穴が開いて、直すのが大変。

幸い、なあみんは明日の早朝のフライトだから、私たちにはまだ少ーーしだけ時間がある。続きはまた来週!

出会えてよかったなぁ。




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