The Second-Hand Shop

世界のリサイクルショップ
-イタリア編- #4

Contributed by Fumito Kato

Trip / dec.26.2019

雑誌、広告などの撮影の傍ら、世界各地のリサイクルショップを巡り、その国のカルチャー、埋もれゆくプロダクトの発掘をライフワークとして活動しているフォトグラファーFumito Katoさん。今回訪れたのはイタリア。旅先で出会った魅力的なヴィンテージアイテムや食べ物の数々は、必見です。

#4

10/7(mon)

10:00
ヌンツィオに起こされ、起床。
ここはエトナ山の麓の街・ブロンテ。
ピスタチオ収穫祭の間、友人であるヌンツィオ宅に滞在した。
彼は10:30に歯医者へ行くというので、急いで身支度をするが
彼は「急がなくていい」と言う。よほど、行きたくないらしい。
ヌンツィオと彼の家族に3日間のお礼を言い、ブロンテを後にした。
(このブロンテでの体験は、後日改めて)


観光客で賑わうブロンテのマルシェ。その芳醇な収穫物には世界中のバイヤーが魅せられる。

溶岩で築かれた壁沿いを縫うように車で降っていく。
地元の人たちが愛着をもってLAVA(ラバ)と呼ぶ溶岩は
道路や建物の壁など、建築材料として古くから利用されている。
昨年、ヌンツィオと食事をした店の向かいにあった建物も黒々とした溶岩で出来ており、
1500年代の建立を示すプレートが埋め込まれていた。
私たちが想像し得ないような遥か昔から、
この街の人々はエトナ山と一心同体なのだ。


溶岩を積み上げた石垣が続くブロンテの路地。

道中にあったリサイクルショップに寄ったが収穫なし。
カターニアの中心部を抜け、空港に到着した。
なお、空港近くはガソリンスタンドが少ないため、
返却前の給油は早めがベターである。

12:30
買付け品が増えてきたので、大きめのバックパックは預け入れにした。
今回利用するAIRITALYもLCCなので追加料金を取られるが、
事前に予約さえすれば比較的お値打ちだ。
割れ物は小さなバックパックに積め、機内へと持ち込んだ。
ここから増える荷物に関しては、安いスーツケースを現地で調達する算段である。

一服しながらコーヒーを飲みたかったので、
空港1Fのバールでアメリカーノをテイクアウトする。
注がれたカップは、金魚すくいの網のように薄く、
今にも溶けてしまいそうだ。
この国でテイクアウトをするのは大体が外国人。
イタリアに来たからには、エスプレッソを注文し、
カウンターで立って飲めよ、ということである。


テーブル利用と立ち飲みとでは値段も変わる。立ち飲みならば一杯1ユーロもしないことが多い。

17:15
ミラノ・マルペンサ空港に到着。
LOCAUTO(レンタカー会社)でレンタカーをピックアップする。
借りた車は再びフィアット・パンダ。この会社も受付/返却ともにスムーズなので、
よく利用するレンタカー会社のひとつである。
この時間からミラノ中心部に向かうと渋滞に巻き込まれるので、
レニャーノ(空港とミラノの中間にある街)付近のリサイクルショップを攻める。
が、収穫はなし。ミラノ近辺はいつも相性が悪い。

今夜はブレッシャとヴェローナの間にあるガルダ湖畔の宿を予約した。
シルミオーネという湖に延びる細長い街にも興味をそそられたが
観光地で値段も張るため、断念。レニャーノから1時間半ほどで到着。
チェックインし、部屋に入ると既に何人かが寝入っている。
そう、今日の宿はドミトリー。明日の下調べをしつつ、22時には寝落ちした。

10/8(tue)

6:00
時差ボケで日本ではあり得ないくらい早く目が覚める。
ゆっくりとシャワーを浴び、朝食をとる。
菓子パンにエスプレッソ、またはカプチーノ。
極めて典型的なイタリアの朝食だ。
干菓子のように甘い菓子パンに、濃茶のようなエスプレッソは
下戸の甘党である私は大いに歓迎なのだが、
現地の人々は、このエスプレッソやカプチーノにも
大量の砂糖を注ぎこみ、甘さからの退路を完全に断つ。
昔取材した人気ロールケーキのパティシエの方が、
クリームの甘みが強くても、生地の甘みも同程度にすれば
味のバランスがとれる、と言っていたのを思い出した。
イタリアの人々は、そのプロセスを口中で実践しているのだろうか?

7:30
荷物をまとめ、早めに出発した。
シルミオーネの地形を拝んでおこうと、すぐ近くの湖畔に車を停めた。
早朝のガルダ湖は美しかったが、シルミオーネの地形の醍醐味は
現地に降り立ってこそのものらしい。
13世紀のスカラ家の城塞から望む景色は、さぞかし絶景であろう。


ガルダ湖の南岸から突き出た半島にあるシルミオーネ。

9:30
アウトストラーダ(高速道路)の出口で通勤渋滞に巻き込まれ、
大幅に遅れてヴェローナ市内に到着。
いつもの漁り場へと車をさらに走らせる。
この店、是非紹介したいと思っていたのだが、
あまりに混雑していたのと、珍しく収穫なしだったので、
今回は回避。店内の雰囲気だけ写真でお伝えします。
気をとりなおして、いつもは寄り付かない旧市街の店に行くも、
これまた収穫なし。そして、値段が高い。
土地代は売り値へダイレクトに反映される。


いつもの漁り場。品物のジャンル、物量ともにヴェローナ随一。

12:30
ヴェローナからパドヴァへ向けて車を走らせる。
途中のサービスエリアで昼休憩をとった。
イタリアではAUTOGRILLというチェーンが幅を利かせており、
腕白なトラックドライバーも大満足なメニューが充実。
注文したTris di primiは、パスタ/リゾットから3種選んで1皿にのっけるという、
言わば、イタリアのラーメン・ライス。
田舎の店ほど、おばちゃんの盛りが豪快になる。
ちなみに、サービスエリアのバールは、
しっかりとした素材のテイクアウト・カップでコーヒーを供してくれるので重宝する。


カルボナーラ/ボロネーゼ/チーズリゾット。文句ある?

15:00
パドヴァ市内に入り、通し営業のリサイクルショップを何軒か巡った後、
今回、取材をお願いした Mercatino dell'usato GPUに到着した。
この店は、生活困窮者や失業者を支援するためのチャリティーショップ。
基本的に寄付されたものを扱うが、ビンテージを好むスタッフがいるらしい。
古道具、古着、書籍やコミックなど、なかなかの品揃えだ。
2年前、真冬のイタリアをなめていた私は、
ここで買ったライナー付きのBarbourがなければ、
フェラーラでのサッカー観戦時に凍死していたかもしれない。




古書とコミックは常時2万冊以上を在庫する。オーバーチャージが怖いため、みてみぬふり。

この店は、珍しく中古のノベルティ・エコバッグを扱っている。
イタリアで布製のエコバッグ、特にローカルなノベルティものを
見つけるのは至難の技である。スーパーなどでは未だ
ビニール袋が主流という理由もあるが、ローマのロショーリのように
「ウチらの店のロゴは売れる」と意識している店も少ないようだ。
こちらから、エコバッグを作ることを提案したくなるほど、
この国の古い商店のロゴは、優れたデザインが多い。


パドヴァのサンシェード・メーカーnew mamir社の作業袋は、ここならではの一品。


いつも袋ばかりを漁る怪しいアジア人にも分け隔てなく優しいニコレッタさん。


Mercatino dell'usato GPU
Via Ticino 7, 35135 Padova
営業時間:
10:00〜12:00/15:00〜19:00(火曜〜金曜)
9:30〜12:30/15:00〜19:00(土曜)
日曜/月曜定休


今日の宿はここから200km先のラヴェンナの海沿いだ。
時間が限られているので、これから巡る店は吟味する必要がある。
あと1軒は取材もしたい。長い1日は、まだ始まったばかりだ。

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