ENDLESS SUMMER #4

何州から来たの?

Contributed by Daisuke Endo

Trip / 2018.12.21



少し前まで、しばらく『ニューヨークのリズムで暮らす』などと言っていたくせに、だいぶ早くニューヨークを発つことにした。会いたかった友達にも会えたし、チェックしたかった一握りのショップは半日くらいでまわりきれたし、最終的には自然史博物館を何時間もブラブラしながら、『ああ、もうそろそろ出よう』と思った次第。





最後の朝もすがすがしくて綺麗だった。本格的な夏になったらニューヨークはなんとなく独特な匂いがするような気がするから、ちょうどいい季節だったかも。



この朝も結局毎朝通い詰めた“OSLO”に寄る。大きいバックパックを背負ってるのを見て、「どこか行くの?」とカウンターの美人が言う(いつ来てもここの店員さんは美人だ)。「帰るの?」じゃなくて「どこか行くの?」という問いかけに嬉しくなる。



なんだかんだ出発直前になって後ろ髪引かれるような気分でいるのに、実際に引っぱってくるニューヨーカーはもちろんいない。自分にとっては一生忘れないかもしれない帰国前のセンチメンタルな朝も、彼らにとってはいたって普通の日常の朝。

そんな思いを引きずりながら、
次の目的地へ。





『ワイキキに来ちゃったなあ…』と、ニューヨークのままの服装で汗をかきながら棒立ち。
虹、さっそく出てる。

空港からワイキキに来るまでのタクシーの運転手のお姉さんはかなりおしゃべりで、最近の治安のこととかを細かに教えてくれた。「カカアコはまだちょっと危ないのよ」とか。
到着する直前、そのお姉さんが「そういえば何州に住んでるの?」と聞いてくれた。それが、また嬉しい。

ハワイは十数回来ているけどひとりで来るのは初めてだった。ひとりならわざわざワイキキに来なくてもいいのに、やっぱりワイキキ。でも、ひとりだからこそ見える景色があるのかもしれない。



アラモアナからの夕陽は分厚い雲とセットだったけど、それはそれで神々しく、金色で、ベタでもここに見に来る価値はやっぱりあるなと思った。


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