The Second-Hand Shop #1

世界のリサイクルショップ -イタリア編-

Contributed by Fumito Kato

Trip / nov.14.2019

フォトグラファーFumito Katoさんによる新連載「The Second-Hand Shop」がスタート。雑誌、広告などの撮影の傍ら、世界各地のリサイクルショップを巡り、その国のカルチャー、埋もれゆくプロダクトの発掘をライフワークとして活動している彼が、今回訪れたのはイタリア。旅先で出会った魅力的なヴィンテージアイテムや食べ物の数々は、必見です。


#1
一度、作り手から使い手へと渡った後のモノの価値とは曖昧なもので、実生活で活用できるかどうかという根本的な条件以外にも希少性、象徴性など、辿り着いた先の価値観によっても様々。古着、古道具、中古レコードなど物心ついた時から、これらの宝探しばかりしていた私は、自然とアイテムのルーツとなっている国々の中古事情が気になって仕方なくなった。

転機となったのは、取材でフランスに行った時だった。現地に膨大な数のリサイクルショップがあることを知ってからのことだ。観光地化した蚤の市よりもリサイクルショップの方が格段に安く、未知のプロダクトだらけだった。取材を終えて、一目散に目当ての店へとすっ飛んで行ったが、朝から晩までぎっしり詰まったスケジュールの中では、掘り進めるだけの時間はない。しかし、私にはカメラマンとして「作品撮り」という格好の免罪符がある。リサイクルショップだけに行く旅をしよう。そして、そこからその国のカルチャーを観察しよう。こうして、旅のテーマが決まったのだった。

今回の旅の予定は、当初シチリア・ブロンテのピスタチオ収穫祭の取材と北イタリアのリサイクルショップ巡りのみだった。しかし、直前にビンテージアイテムが並ぶイベントへの出店依頼が入ったため、急遽往路を変更。‎(筆者はsecondiscoというvintage shopを運営している)
航空会社の選択肢が多く、よい古着屋がある都市までの交通の便を考慮し、フライトの到着地をパリに決定した。

前日の夜にパリ・シャルル・ド・ゴール空港到着。1日で3都市の古着屋を巡るため、翌日早朝から活動開始。

10/4(Fri)
シャルル・ド・ゴール駅8:08発のTGV(フランス国鉄が運行する高速鉄道の車両)待っていると、いきなり30分の遅れ。ブリュッセル南駅から15:16発のTGVを予約してあるので、30分のロスはなかなかのダメージだ。10:30にブリュッセル中央駅に到着。40〜50分で目当ての店をチェックし、これまた30分遅れで到着したIC(インターシティ/追加料金のいらない特急)に飛び乗る。しかし、このICが通過待ちなどでさらなる遅延。どうやら、定刻の列車が最優先で、少しでも遅延が生じた列車は、それらを縫うように走るシステムらしい。覚えておこう。結局、12:40頃にアントワープ到着した。ピンポイントで2件だけリサイクルショップを回る。13:55発のICに乗り、ブリュッセル南駅に14:40に到着。なんとかTGVに間に合った…。


よく利用するこの店の炒飯ランチは、安くてうまいが今回は時間がなくてパス。ベルギー/オランダあたりで、ワッフル、フレンチフライ、ビール以外の典型的な郷土料理にありつくことは容易ではない。‎

パリ北駅に16:38到着。駅付近のリサイクルショップ1件とエティエンヌ・マルセル駅付近に移動して古着屋を巡るが、あまりにも人が多いため、軽めのパトロールのみ。バックパックが買い付けたスニーカーでいっぱいになり、肩が痛い。今日の買い付けはここで終了。


5年ぶりに訪れたパリ北駅。もちろん、数時間じゃ掘りきれず。。


adidas,pumaなどの70〜80年代のビンテージスニーカーは未だ採取可能。特に、湿度で硬化しやすいガムソールのモデルは、乾燥した気候のためか状態の良いものが多くて嬉しい。自らの属性を表すアイテムとして、すっかり定着した感のあるエコバッグも‎実は探すと見つけにくい。フランス/ベルギーものをまとめて捕獲。

夕食を食べにお目当てのビストロへ向かった。お店はメトロの駅から遠いため‎、タクシーで移動。疲労の蓄積は、良質なパトロールの妨げとなる。人混みと長距離の歩行はなるべく避けるのがベター。


Bistrot Victoires(ビストロ・ヴィクトワール)
6 Rue de la Vrillière, 75001 Paris
営業時間:10:00〜23:00
不定休


このビストロを選んだ理由は、ステーキではなく、フレンチフライが添えられた庶民的な料理が食べたかったからだ。EU各国の中でも、フランスは特にフレンチフライがうまい。ビンチェ種というじゃがいもが主流らしく、前回訪れた際は、宿の近所にあったカフェのクロックムッシュとフレンチフライのセットにハマり、毎日のように食べていた。バター、小麦、じゃがいもに関しては、ここに勝る国はない気がする。


フレンチという響きだけで敷居が高い印象を受けるが、この牛肉のステーキ・タイム添えは、パンも付いて12.50EUR。燻したタイムを添えて出される赤身のステーキを山盛りのフレンチフライと共にガツガツいただく、典型的な庶民料理。‎芳しい煙を漂わせながらサーブされる様も情緒たっぷり。

夕食を終えて、レ・アル駅からシャルル・ド・ゴール駅まで戻り、明日の早朝フライト(7:00)に備え、空港脇のホテルに宿泊した。早起きは大の苦手だが、時差ボケできっと早く目が覚めるだろう。明日は、14:00にカターニアに住むSellerさんと会う約束をしている。場所は、なぜか警察署の前を指定された。「果たしてちゃんと来てくれるだろうか」と一抹の不安を抱きながら、眠りについた。

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