Mimu Note #1
旅の始まりは、ロサンゼルスから。
photo&Text: Mutsumi Mimura
Trip / 2018.04.10
ロサンゼルス行きの航空券が安かったから、という理由でロードトリップのスタート地点はロサンゼルスに決まった。
ロードトリップのために、1ヶ月前に免許をとったばかり。
日本でもろくに運転したことがないっていうのにアメリカでロードトリップなんて、
無謀すぎる! と周りの人たちは言った。
私もそう思う……。
自分で行くと決めたくせに、出発直前は怖くて行きたくない!と
騒いでいたけど、せっかくなのでしぶしぶ出発した。
ロサンゼルスへ向かう飛行機の中、隣の席に座っていた外国人のおじちゃんに抱き枕にされて、出発からこんな目に合うなんて先行き不安……と暗い顔のまま、ロサンゼルスに到着。
偶然にも同じタイミングでロサンゼルスに来ていた友人たちに運転を見守ってもらいながら、
夢のアメリカドライブをデビューさせた。
ロサンゼルスって車線多すぎ!
みんなスピード速すぎ!
超初心者ドライバーの私には、難易度が高すぎた。
これからの3ヶ月、無事故でいられるはずがない……と
絶望して、アボカドトーストを食べながら泣いた。
それでも運転を続けて、少し慣れてきた頃、
勇気を出してサンディエゴまで走ってみた。
なんとか無事に到着して、ホッとして車を降りたら
車をインロックしてしまった。
ちょっと治安の悪そうな街で、鍵を開けてもらうために
ロードサービスが来てくれるのを待つことに。
ロサンゼルスからサンディエゴまでは約200km。
私にとってはじめての長距離運転で、帰り道は頭がクラクラした。
運転って疲れるんだなあ。
だけど、車を走らせていく間、海の色や街の雰囲気は気づくと変わっていて、
こんな風に自分で運転しなかったら、こんなに美しい景色も、汚い光景も、
ずっと知ることがなかったんだなあと、なんだか胸がいっぱいになった。
結局ロサンゼルスには2週間も滞在してしまった。
ドーナッツを食べたり、ドライブインシアターに行ったり、
ただふつうに楽しく過ごしていたけど、そんなことにもだんだん飽きてきて
まだまだ運転は恐怖だけど、この先にどうしても見たかった景色が待っていると思うと、
やっと、先に進んでみたくなった。
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Mutsumi Mimura
1991年 茨城県生まれ。大学卒業後、看護師に。 社会人3年目のときに写真の道に進むことを決意。