Ocean Lovers

Own Beautiful Adventure in AUS #4

Ocean Lovers

Contributed by Nachos

Trip / 2020.04.07

世界中の国々をサーフトリップしながら、女性にフィーチャーした"saltybabe photo"を撮り続けている、フォトグラファーNachosさんの旅連載「Own Beautiful Adventure」。シリーズ第4弾は、オーストラリアでの旅の模様をお届けします!

#4

海に近づくにつれ増えていく路上駐車の車。

「あれ、今日はなんだかいつもよりも車の数が多いな」
「なにかあったっけ?」

海外ではよくSave the earth, Save my futureなど地球環境に対するイベントやデモをよく目にするけれど、この日もバイロンの街では美しい地球を守ろうと呼びかけ、ビーチにみんなで集まって海の沖へと一斉にパドルアウトするというイベントが開催されていた。



数日前から街で看板を見かけたり、ファーマーズマーケットに行った時にも声をかけられたりしていたので、タイミングが合えば行こうと思っていたイベントだった。

「おー今日だった!」

詳しいことまではわからないけれど、なにやらどこかの電力会社から排出される廃棄オイルで海が汚染されているらしい。

「いわゆるOcean lovers unuiteってやつだね!」なんて友達といいながら、「綺麗な海を守ろう!」とみんなで声を上げ、呼びかけている。



私が丘の上にたどり着いた時には、ボードを持ったたくさんの人たちが集まっていた。乗り遅れないように小走りで近づき、みんなに紛れ込む。風は相変わらずちょっと強いけれど朝の光が気持ちいい。

時間がきたのか、みんなゾロゾロと列をつくりビーチへ降り始めたので、その流れに乗って、私もビーチまでの道のりを歩いていく。なんだかワクワクする。



私の好きな88ボード持っている人もチラホラ。(88ボードというのはスポンジボードのブランドで”遊び方は無限大!”というナイスなコンセプトを持っているソフトボード)

「あ、あの子もいる。あの人も。おー!憧れていたあの人もいるじゃん!!」

と心の中で1人興奮状態の私。

ビーチでは主催者の人たちが演説をはじめ、決起集会がスタート。その中の1人の女の子が呼びかけた後、みんな沖へとパドルアウトし始めた。



日本では見たことない光景をただ私は眺めている。残念ながらボードもウエットも持ち合わせていなかった私は眺めているだけ。演説も正直ちゃんとは聞き取れなかった。けれど、この光景や雰囲気を味わうことが出来て良かったと思う。やっぱり海は大好き。美しい地球がいいに決まってる。こんな雰囲気のビーチが日本にもあったらいいのに…。



残念ながら最後までは見届けることが出来ず、みんなが海から上がってくる前にビーチから戻り友達がいるカフェへと向かった。そう、この日は友達のpopupのお手伝いへ。その途中とある人が私に、

「nachosはせっかくバイロンまで来たのに毎日ずっと人のお手伝いなんかしてていいの?」
「ん?」

確かに海には入りたいけれど、私はここにいる人たちに混ざってお仕事を手伝ったり、いろんな人に出会ったりするのが楽しいし、その事を疑問にすら思っていなかった。(笑)



裸足生活は何日目だろう?(ビーチサンダルももちろん履いてるよ!)でも気付くと裸足になってる。(笑)

この日もpopupの手伝い終わりに、みんなで歩いてビーチへチルしに行こうということになり、海へと向かった。(バイロンの街は3、4時くらいの夕方前には閉まるお店が多い)

そしてまた次の日はバイロンの学校に通っている友達がサンセットを見に行こうと誘ってくれたので、張り切ってビールを買い、またまたビーチへと歩き出す。夕方は決まって風が強く吹いちゃうんだけど、それでもビーチや海浜公園にはたくさんの人たちが集まってくる。



私たちも空いている場所を見つけ、ビーチマット代わりの布を敷き、海を見ながら早速カンパイ!!

「ちょっとトイレ行ってくる!」
「はいねー」

友達の1人がトイレに行ってくると席を立った。相変わらず風が強いのは気になるけれど、ここは我慢という事で、太陽が傾いていくのを見ながらみんなとのおしゃべりは続く。

「あれ、トイレから全然戻ってこないね」
「てか30分以上経ってるしどうしたんだろう?」

急に私たちに不安が走る。

「電話してみる?」
「わ!バッグも全部ここに置いてある」
「え!!」

周りをキョロキョロして友達の姿を探す。

「もう少し待ってみよう」
「でもそれにしても遅すぎるよね」

どうしようどうしようとあたふたするみんな。
そのうちの1人が「よし! 探しに行こう!」と立ち始めたので全員そのままつられて立ち上がった。

「あ、みんな帰る?」

と、どこからか声が聞こえた。斜め横を見ると、なんとその友達が知らない外人の男の子とツーショットで座っていた!!(笑)

「えー!!!! いる! すぐ近くに!」

みんなで顔を合わせて笑い合う。

友達曰く、ちょうど戻る手前で声をかけられ、会話も中々切り上げることが出来なくてどうしようかなぁと思っていた時に私たちが立ち上がったらしい。というかすぐ斜め横にいたのに、謎のプチパニックになった私たち。やっぱり客観的に周りを見るって大切。(笑)

「どんなきっかけだ?」とツッコミが入りそうだけど、「これからは何事にも心の余裕を持とう」と志した夕暮れ時。太陽が沈み少しオレンジが残る海を背にしてみんなで笑い合いながら歩き出す。



あ〜これで毎日サーフィンできたら最高なのにな…。(本当に今回は波がないし風が合わないんだけれど。泣)

でも毎日なにもなくてもゴキゲンな日々を送っていられることに感謝。


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