愛しいイタリア、「初めて」は10年前

To Me, Somewhere in the World #27

愛しいイタリア、「初めて」は10年前

Contributed by Yoko

Trip / 2022.05.18

「世界一周がしたくて、思い切って会社をやめた」
未知なモノすべて知らないことを知りたい、欲望に忠実に生きるフリーランスのWebライター・編集者Yokoさん。日本国内の旅の話をリアルタイムで、時に振り返りながらつづる旅連載。


#27

久しぶりに連絡をくれた友がいる。

彼女と行った(自分は卒業しない)卒業旅行で、訪れたのはヨーロッパだった。彼女はフランス、私はイタリアにどうしても行きたくて決めた、イギリス・フランス・イタリアを周遊する駆け足ツアー。フライトと宿と移動の足(ユーロスターなど)だけを確保できるフリーツアーで、今思えばとても学生旅らしい。

当時は今ほどスマートフォンを使いこなしておらず、ガイドブックや印刷したmapを片手に歩き回る旅をした。

ローマ・スペイン階段、下から。



ローマ・スペイン階段、上から。



10年前の写真を見返すと、人の多さにびっくりする。2020年、ロックダウン直後のひとっこひとりいないフィレンツェのドゥオモも衝撃的だったが、人・人・人にあふれる観光地の日常写真は今や奇跡としか言いようがない。

ヨーロッパは人の流れが日本に比べても戻ってきているというが、今の現実はどうなのだろうか。振り返りながら、遠い異国の今を思う。

*

ローマ・トレビの泉。



さて、当時の3か国周遊旅で、イタリアは最後の国だった。ヨーロッパ自体が初めてだったので、訪れる国は全て初めての国。イギリスもフランスも素晴らしく印象的だったが、ずっと行きたかった国・イタリアは格別だった。

行程は、ローマin→ピサ→フィレンツェ→(バチカン)→ローマout。

ピサの斜塔。



ピサではその傾斜に驚くと共に(写真で見るよりも、現地で見る方が傾いて見えた)、斜塔を支えるポーズで写真を撮る人が多すぎて、同じポーズで固まったままの人が集まっていることの方が面白かった。

駅からの行き方が全くわからなかったのだけれど、観光地ということもあり人の流れに従っていたら、いつの間にかたどり着けていたことも思い出深い。

フィレンツェ・ドゥオモ、頂上から。



そしてずっと行きたかったフィレンツェ。大好きな物語の大切な場所、ドゥオモで一番高いところに上がるまでにずっと並んだ時間は本当に長かったけれど、その時間すら格別だった。いざ頂上に出た時の見晴らしのよさ、映画で観たままの頂上の空間と街の景色も本当に素敵だった……。好きすぎて、その後何度も訪れることになった場所である。

*

ローマ、Giolitti.



食券を買って、あとから味を選ぶシステムだった。



そしてイタリアに行くと大体通ることになる、ローマ。Giolittiのジェラートが大好きで、ローマでは必ず時間を見つけて歩いて行った。今や日本でも食べられてしまうのだが、とはいえ現地店舗の雰囲気はそこにしかないものなので、また行きたいと思う。

ローマはなかなかに入り組んでいる街なので、まずそこにたどり着くまでの道が難しいのだけれど、それすら面白い。石畳の街。

バチカン美術館。



バチカンは美術館内部も素晴らしいのだけれど、入り口のらせん階段が好き。人の大渋滞、今はどうなっているのかわからないけれど、展示されている「品」だけではなく「場所」や「空間」が素敵だったので、待ち時間すらワクワク感があった気がする。

ローマ、コロッセオ。



コロッセオは、外観はもちろん内部の歴史を感じる重厚感と、周りを走るランナーの現代感にギャップがありすぎて衝撃的だった。周りのフォロ・ロマーノ(遺跡)の「当時そのまま」な印象も日本の遺跡とは全く違っていて、面白かった。自分が住んでいる国の歴史や文化との大きな違いに、ひたすらびっくり。

*

ローマ、すごい廊下。



どこかで食べたランチ。



卒業旅行と称して何度か旅に出たけれど、初めてのヨーロッパは驚きと発見が多すぎて、とても印象に残っている。

こう振り返っていたら、イタリアにまた行きたくなってきた。フィレンツェはもちろん、次はシチリア島に行ってみたい。


アーカイブはこちら

Tag

Writer