助け船

Own Beautiful Adventure in Indonesia #6

助け船

Contributed by Nachos

Trip / 2023.12.07

世界中の国々をサーフトリップしながら、女性にフィーチャーした"saltybabe photo"を撮り続けている、フォトグラファーNachosさんの旅連載「Own Beautiful Adventure」。シリーズ第9弾は、インドネシアでの旅の模様をお届けします!

#6


島で唯一あるカフェ
ほとんどのサーファーたちがこのカフェを利用していた気がする(笑)。


フラットホワイトにフルーツサラダ。


1 朝起きてそのままサーフィンしてカフェに行く。
2 朝起きてカフェに行って、サーフィンをする。

私の毎朝のルーティンはこのどちらか。

コーヒーは毎日少し味が変わる(濃さが変わる?)そして時々オーダーしたものを、しれ〜っと忘れられるという特典付き。



朝ごはんを食べながら撮った写真をチェックしたり、今日の予定をみんなで決めたり。

この日は夕方前の潮が引いている時間を狙ってもう一度サーフィンへ。



通常は船で沖まで乗せていってくれるのだけど、潮がたくさん引いているときはみんなリーフの上を歩いて沖までいくシステム。

私も望遠レンズと三脚を持って潮が引いて出てきたリーフを伝い歩きながら海面ギリギリの近くまで行ってスタンバイ。






気持ちがいい夕方。ピースなんてしちゃって。


日が傾きサーファーたちが海から上がり始め、そろそろ潮が満ちてきて船が迎えにきてくれる頃になったのでカメラをしまって帰る準備を。

……船が来ない。
待っても来ない。
そして携帯も繋がらない。

「船が来ないのはおかしいから岸に戻って様子を見てくる」

そのうちの1人が私たちの元を離れた。

他のみんなはウエットスーツにサーフボードだけど私は洋服を着てカメラ機材を持ち、完全に海を泳いでは渡れない仕様。(当たり前だけど)
さっきまでピースなんてして浮かれて自撮りしていた自分が憎い。



どんどん暗くなる空の下途方にくれていると
いきなり電話がなった。

「大丈夫?」
「大丈夫じゃない! 笑!」

「何故か船の人が誰1人見当たらなくて……もう少し待っていて!」


・・・そんなことある?
いつもビーチには暇そうにいる人たちがたくさんいるのに、こんな時に限って誰もいないだなんて(笑)。
数分経っただろうか?
暗闇の中からうっすら小さい船が近づいてくるのが見えた。

「助かった!」

一瞬、「海の真ん中にあるタワーに機材を置いて服のまま泳いで帰る? でも機材が盗まれる可能性はめちゃくちゃ高いと思うしどうしよう」と色んなことが頭をよぎった。
(海にあるふたつのタワーのうちのひとつにかけてあったハシゴが誰かに取られてなくなった話を聞いていたから尚更不安に)


助け船。いや神様の船か。


無事に船に乗り岸まで送り届けてもらいほっと胸を撫で下ろした。
待っていたみんなは安心しながらも大爆笑。私もつられて笑ってしまった。
ほんと、旅にはいろいろなことがありますね!

でもあの時電話がつながって本当に良かった。



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