バンド発表会

Beginning of my new Life #12

バンド発表会

Contributed by Asuka Naka

Trip / 2024.01.10

『とにかく旅をするのが好き!』高校生の時に初めて訪れたインドがトラベラーへのきっかけだった。多くの国を旅する好奇心旺盛な彼女だからこそ感じる面白さと発見。出会いと出来事を振り返りながら綴るAsuka Nakaさんの旅日記。

今回からは番外編として高校生の頃に訪れたアメリカでの交換留学の様子をお届け。



私の通っていた学校の一限目の授業であるバンドクラスには発表会が度々あったり、コンクールがあったりなど、エキストラカリキュラムが多く含まれていた。
学校が始まり早速一ヶ月後には最初の発表会あった。その発表会はしっかりドレスコードが決まっていたので黒いドレスを買いにホストマザーと何でも売っているTargetへ。欲しいものは何でも揃うTarget。
そして思っている以上にいい感じの洋服がたくさん売っているので、黒いフォーマルなドレスの試着を楽しんだうえで、お気に入りの一着を購入した。ホストマザーとのお買い物は楽しくて毎度余分なものをついつい買ってしまう。


発表会に向けてクラスでは音合わせを中心に練習をする。
これもアメリカらしいなぁと感じたことなのだが、クラスの指揮をとる生徒を決めるときは先生、生徒の投票、そして立候補を考慮した上で決め、その後の練習のほとんどは指揮者の子がリードするのだ。先生はなおした方が良い音の指摘はするものの、基本的には口出しをしない。それによってリーダーシップと周りの協調性が養われ、結果として音楽の知識と共に人間力が伸びるというもの。
学校とはまさにそういう場所ではないだろうか、と私はこの授業の進み方にとても納得がいった。発表会が近づくにつれて緊張も高まり集中力も上がる。本番当日は放課後、ドレスアップして再度学校に集まる流れ。
最後にみんなで最終音合わせをして舞台に臨むのだ。

舞台ごとは大好きな私でも、この時は何がどう行くのかイマイチわかっておらず不安が募っていた。しかし、先生の指揮とともに演奏がはじまると“これだ”と感じた。



私がバンドとして中学から活動していたのも、“これだ”という感覚を追い求めるためであった。音楽は1人でやっていても楽しいのだが、誰かと音が合わさった時の感動は伝えきれないほどの喜びをくれる。涙と笑みを堪えながら演奏していたつもりだが、涙が少し溢れていたような気もする。





高校の時に軽音部でバンドを組んでいた時を思い出した。
スタジオを借りてそれぞれに練習してきた成果を照らし合わせるように音合わせをする。最初は全然音が噛み合わなくても、周りの音を聞いて、少しずつリズムをなおしていくうちに音が綺麗に合わさるその瞬間、そこからとても楽しくなるのだ。この伝えきれないフィーリングはなんと呼ばれるのだろうか。果たしてこれを表す単語があるのか。

とにかく、バンドでの演奏はとても楽しいものであった。



発表が終わり片づけに向かうと、演奏を聴いていた子に「とても良かったよ!」と、嬉しい言葉をもらった。そして楽器の片付けをしていると、通りすがりの初めて見る他のバンドクラスの子と立ち話になった。その子はもう少し上のレベルのバンドクラスで、ひとつ上の学年のクラリネットを演奏する子だった。その後、連絡先を交換して「今度映画でも観に行こう!」となった。その子とはノースカロライナに戻ると今でも会う仲だ。本当に出逢いは不思議である。

もちろん、演奏を観に来てくれていたホストファミリーからはたくさん褒めてもらって、素敵な1日になった。毎月のようにあったこのバンドコンサートに一年間、毎回欠かさず来てくれたホストファミリーには今でも感謝しきれない。



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