To Me, Somewhere in the World #31
雨の上海
Contributed by Yoko
Trip / 2022.06.15
未知なモノすべて知らないことを知りたい、欲望に忠実に生きるフリーランスのWebライター・編集者Yokoさん。日本国内の旅の話をリアルタイムで、時に振り返りながらつづる旅連載。
#31
現実は雨の日が続いている。
上海、外灘。
雨といえば上海を思い出す。初めての中国大陸は、北京ではなく上海だった。万里の長城に行きたいとずっと思っていたので「お初」は北京の予定だったのだが、何を思ったか上海へ。
初日、上海郊外の杭州へ向かう団体ツアーに参加したあとに初めて見た上海の街は、キラキラギラギラの開発エリアと古き良き庭園エリア、人々が行き交う街エリアがぐっと混在していて面白かった。日本とは違う、混在感。ここにしかない喧騒と文化が。
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杭州。
上海はもちろん、杭州は素敵なところだった。湖に浮かぶ屋形船のようなボートが水上に映える。初めて訪れた時は冬で、コートを着込んでいた時期だったけれど、風が吹く中でも湖をぼうっと見ているのはなかなかよかった。何段にも重なった塔も。
上海、夜。
そして杭州から戻ってきてから過ごした上海の夜は、なかなかに明るく、ネオンがぎっしり。人がたくさんいて、行きたかったお店にも人がぎっしり詰まっていた。
M&M'S Store 上海。
店内展示が独特。チョコではなくグッズを買う。
世界に数店舗しかないキャラクターの店はその国の文化を表現するディスプレイもあり、海外から来た身としては興味深かった。そして当時持ち歩いていたレスポートサックのボストンバックに土産を詰めた、と思う。1泊2日の週末上海。
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小籠包。一人だとこうなる。
まち。
上海は朝から雨。小籠包を食べ、狭い道も広い道もいろんな街の通りを歩き、外灘エリアでさらに異文化を感じ、ひたすら歩く。
外灘から見た対岸。
外灘観光トンネル。
霞んで見える対岸エリアのビルの仰々しさに都会を感じつつ、地下のエスカレーターを通じて対岸へ。外灘観光トンネルという名の、印象的なキラキラギラギラのエスカレーター。どうやら今もまだあるらしい。
対岸には、観光で登れるタワーや高層ビルがいくつもある。そのうちの一つに登って街を見下ろす。東京なんて比じゃないと思わせるくらいの高層ビルがたくさんあって、東京だけを見ていたら世界が狭いな、など思う。本当に来てみないとわからないこと、知らないことがたくさんあると実感する。日本の中華街の空気と似ているところは確かにあったけれど、中国のそれはもっと凝縮されていて、混在していて、行き交う人の空気や顔色や歩く速さだって違うのだから。
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高層ビルばかり。
ほんの48時間の間に、外国への飛行機に乗り、違う国で過ごし、自国への飛行機に乗って帰る。暦通りに働く会社員の、仕事終わり・仕事前の週末。48時間ずっと寝てすごすことだって、休息にあてることだって、映画をみて過ごすことだって、家族と過ごすことだって、どれでも選べるしどれも素敵な時間の使い方。けれど健康体のままその時間をずっと何もせずに過ごすなら、やっぱり何処かへ行って新しいものを見たい。
それがいい、と思いを強めた帰り道は、そのまま出社する前の朝でもある。メリハリis最高。
なお、その次の上海への旅は24時間で上記の工程が完了した。自分史上、海外旅の最短記録である。それはまた別の機会に。
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Yoko
長野在住、北海道出身。世界一周予定が新型コロナウイルスの影響で中止に。東京から葉山、長野へと拠点を移しつつ、国内外を自由に旅している。レバンガ北海道(#11)とアイスが好き。フリーランスのWebライター・編集者。