The one and only Denmark #1

デンマークに魅せられて

Contributed by Sayo Yoshida

Trip / 2020.07.16

小さなハートに収まらないほどの好奇心を躍らせながら、何事にも全力な大学生、Sayo Yoshidaさんの連載「the one and only Denmark」。世界トップ大学で勉強に励む傍、Hyggeな暮らしを通して出会うデンマークの仲間に、人生で必要なエッセンスを教わる日々の暮らしをお届けします。

#1

小さい頃からたくさん海外旅行に連れていってもらって見てきた海外の文化、生活に魅了され、ついに叶えた大学2年生での1年間の海外留学。

行き先はヒュッゲな暮らしで注目を集めている、世界一幸せな国、デンマーク。

なんで大学二年生の女の子が北欧に留学?
2019年の夏からデンマークで暮らし、人の心の温かさ、暮らしの豊かさに触れて磨いてきた価値観をこのコラムを通してみなさんにお届けできたらいいなと思います。

〜待ちに待った出発〜

デンマークに飛び立つギリギリまで、期末テストや研修などの予定が多く入っていて、やっとのことでパッキングを終わらせた。

出発する手前で急に寂しさがこみ上げてきて、大好きなお友達と過ごす時間、家族との時間がどれだけ愛おしいものか、もっともっとお話ししたいし、一緒にいたい。そんな思いと葛藤しながらも、刻々と迫る出発の日に追われながら何枚もあるTodoリストをクリアする出発前の1週間。

今までにホームステイや短期留学は経験してきたけど、1年もの長期間となると、まだまだ未熟だった私の心はさみしい気持ちで埋め尽くされてしまっていた。
留学の目標を明らかにしたその日から、IELTSやTOEFLの勉強に専念して叶えた長期留学。直前までは本当にウキウキで仕方なかったけれど、出発直前になると緊張と不安が大きくなってしまった。
出発前の思い出に残っているのは土用の丑の日。美味しい鰻を家族で美味しく食べて、英気を養い、これだけ努力と準備を重ねたから大丈夫と、心を奮い立たせた。
太陽が眩しい日に、家族とお友達に見送ってもらった。

みんなとのハグで涙が溢れてしまったけど、出国審査をした後の気持ちはもう前に向かっていた。
昔から飛行機に乗る前のワクワク感、クルーを見たときの心のトキメキは何年経っても変わらず、約10時間かかるフライトの先に見えるデンマーク生活に想いを馳せていた。



飛行機の翼と上空から見える景色は何度見ても飽きない。行きのフライトはずっと晴れていて、飛行機のモニターに映るフライト状況とマップを見ながら、今はどの国の上空あたりかな、と窓を開けるのが楽しかった。

無事に着いたデンマークでは、入国審査にドキドキしながらも、無事に重い2つのスーツケースを受け取って、ゲートを出る。デンマークではもちろんデンマーク語が話されているが、多くの人が英語を話せるバイリンガルの国だ。空港内の表示もデンマーク語と英語で表記されていて、その標識を頼りに出口を目指した。キョロキョロしながらも優しい警備員さんに道順を教えてもらい、途中までスーツケースを押してもらいながら、ホテルに到着。
ホッとしてしまい、一気に力が抜けた。17時なのに、太陽はまだ真上にある、北欧の夏。



家族へ連絡して、身の回りを整えて、早めにベッドに入った。

次の日は時差で5時には目覚めていた。朝から北欧の朝ごはんを堪能した。受付の体格の良いお兄さんに、良いスタートを切るためには、コーヒーが必要だよと、優しい笑顔とともにコーヒーを注いでもらい、酪農大国デンマークのおいしいチーズをクロワッサンと堪能して、元気をつけた。
なんて言ったって、今日は2つのスーツケースを引きながら地下鉄に乗り、1年間暮らす寮へ移動しなければいけない、サバイバルのような一日。朝ごはんの会場を後にして、受付のお姉さんに地下鉄の乗り換えを教わった。



アルファベット表記だから、読めなくはないけど、発音が難しいデンマーク語。駅名のアナウンスを聞き取れるようにと、お姉さんが何度も発音して教えてくれた。困った時に真摯に向き合って教えてくれる心優しい人で溢れているデンマーク。到着して1日だけど、人の温かさにたくさん触れて、すでにデンマークを選んでよかったなと嬉しさでいっぱいだった。

手に汗を握りながら、いざ、地下鉄のチケットを購入して、乗車。
アナウンス表示とにらめっこしながらも、見える町並みにワクワクしていた。
デンマークの地下鉄は無人で動いている。困ったことに、車掌さんのドアが閉まりますというアナウンスはなく、いきなりピピピピと鳴って、ドアが閉まる。いつ閉まるかわからないハラハラさに追われながらも、みんなスムーズに乗り降りしている。

そして、目的地に着いたとき、寮が見えるはずだったのに、周りには大学とヨーロッパを感じさせるおしゃれな煉瓦造りのアパートメントが広がる景色。





データ通信も契約していないから、マップ機能が使えない、どうしよう!と一瞬パニックに陥ってしまったが、近くをベビーカーを押しながら歩いていた女性に聞いてみた。一緒の方向だからと、途中まで案内してもらって、見えてきた世界一とも言われる寮。赤ちゃんの可愛さにも癒された…。



建築でも、寮の中のコミュニティの充実さでも知られているTietgen(ティットゲン)。
各フロアにキッチンが5つあって、1つのキッチンを12人でシェアする寮で、とにかく面白い、多様性あふれる人ばかりで一杯と聞いて、入居を楽しみにしていた。

どんな人と1年過ごせるかな〜とスーツケースを押しながら、心を躍らせていた。

次のdairyでは、早速始まるデンマーク語の授業で出会った仲間、インターナショナルで活躍することの意味を知った授業、最高な寮についてたくさん綴ります。


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