アンテナ

This Time Tomorrow #16

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Myanmar / Hpa-An

Contributed by Natsumi Chiba

Trip / 2019.06.25

東南アジアでの旅を記録した千葉夏海さんの旅連載「This Time Tomorrow」。第16回は、ミャンマー/パアン後編です。旅先でのリアルな様子をお届けします!


パアンでは街の周りに点在するケイブ(洞窟・鍾乳洞)とパゴダが見どころ。それらを周るツアーをオーガナイズしているゲストハウスやホテルがほとんどで、私もツアーに参加した。

パゴダとは仏塔のこと。建物のてっぺんに向かって三角にとがった形をしているのがミャンマー様式。パゴダは「釈迦の住む家」とされていて中に入るときは、靴や靴下を脱いで裸足にならないといけない。ミャンマーでは小さなものから大きなものまで至るところにパゴダがある。

この形がミャンマー様式のパゴダ

寺院や遺跡、仏陀像の造り方はそれぞれの国によって表情を変えるところが面白い。カンボジアやベトナムは派手な飾り付けなどはあまりせず大人しい印象で、タイは手の込んだ細かな装飾がされてたり、キラキラしているのが個人的な感想。

ミャンマーはというとやっぱり(?)独特な雰囲気がする。ケイブという自然のものにカラフルさを加えたり、仏陀像もなんだか特徴のあるお顔立ちでつい目を奪われちゃう。小さくて細かい仏陀が岩壁に掘られていて、一人一人が信仰する気持ちをもって大事につくったのだなと思うと信仰心が成せる業だったり、それがもたらすパワーってすごい。









新年には神社に参拝し、年末にはクリスマスを祝って、結婚式は教会、夏にはお寺でご先祖様の霊に手を合わせる日本という信仰の線引が曖昧な国に生まれて、熱心に参拝するミャンマーの人たちをみて改めて自分自身も曖昧なんだと自覚する。
日本にいるときはそれが普通だから特に何も気付きは生まれないけれど、外に出るとその国の当たり前が自分の当たり前でなくなって、そのひとつひとつを見逃さないようにアンテナを無意識に張り続ける。

旅って目に見えない何かに対して意識が強くなるのかも。例えばその国、街、人が放つそれぞれの雰囲気だったりそこで吸う空気みたいに、自分が”今ここに居る”って改めて感じさせてくれるような形のないもの。

「日本との違い」をきちんと感じたとき「あぁ、私いま旅してる!」とワクワクして興奮しちゃう。そのひとつひとつの瞬間を噛みしめて大事にしていきたいなと、パゴダを出て真っ黒になった足の裏を拭きながらそんなことを思った。





To Be Continued.


BGM : New Feeling / Talking Heads


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