Mamma mia! #160
心の自然治癒力
Contributed by Aco Hirai
Trip / 2023.05.23
少し前、私の心は乱れがちだった。
イタリアにいようと、日本にいようと、どこにいようと、そんな時ってある。
毎日何かが起こるし、何かしら情報が入ってくる。
ずっと同じテンションのままではいられない。
決定的なことがあったと言うより、小さなことやタイミングが重なって、なんだか心がざわざわしていた。
ちょっとしたことに心が振り回されて、気持ちをフラットに持っていけない、荒れ気味な自分。
日本にいるときは、この「乱れた心」を誰かと会って時間を共有することで、解消したつもりになったり、気持ちにフタをして見て見ないフリをしていた時もあった。
いや、見て見ないフリをしていたわけじゃないけど、そうしないと、前に進めなかったし、そうしてでも前に進まないといけない理由があった。
今思い返すと、「前に進まないといけない理由」がどれほどのものだったのか、とも思う。
そのときは気づかなかったけど、今になると、その頃の自分がちっぽけに思えて仕方がない。
そして、そんなときはヨガや瞑想をしたり、スポーツをしたり、好きなことに打ち込んだり、一般的に言われている解消法や整え法を行うんだろう。
私の場合は、「書くこと」が、気持ちをクリアにし、心を落ち着かせてくれるように。
でも、この全てのアクションは、多少なりとも色んなものが解消できたり、発散できたり、次の糧になるのは確かだけど、正直、それも偽り。そして、自己満。根本的な問題が解決した訳ではないのだ。
もし、原因が人間関係だったり、他人が関与していることであれば、とことん向き合うか、受け入れるか、壊すしかないし、自分自身のことであれば、何かアクションを起こすか、時間というかなりざっくりとした、でも偉大なものの経過を待つしかない。
そして、この「時間の経過」は全ての人にとって一番有効なことを知っている。
乱れた心の原因を追求し、解決した訳ではないのに、過ぎ去る時間という不可抗力の中で、心が揺さぶられることが起こったり、自分自身を肯定してくれる言葉や歌詞に出会ったり、その反応で乱れた心が整って、本来の自分が戻ってくる。
心の自然治癒力みたいに。
だから、もう大丈夫!
お気に入りのブランケットに寄り添っている時間が好き。
丘へ登った帰り道。車を走らせながら見るサンセットは躍動感があって好き。
近くの広場。天気が良くて気持ちがよかった月曜日。
雨降りミラノ。
では、また来週〜!
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Aco Hirai
2004年オーストラリア移住、2005年帰国、2019年マルタ島留学、2020年イタリア移住。 海外で活躍する日本人を取材したImhereマガジンを不定期で発信しています。(インタビュイー募集中)