ミラノからナポリ、そしてまたミラノへ

Mamma mia! #2

ミラノからナポリ、そしてまたミラノへ

Contributed by Aco Hirai

Trip / 2020.04.03

イタリアに活動の拠点を移し、フリーのエディター・ライターとして活躍するAco Hiraiさんの連載「Mamma mia!」。数ヶ月に渡るイタリアでの生活を彼女のパーソナルな視点で綴っていきます。今回は、コロナウィルスが発生してから街がロックダウンされるまでのお話です。

#2

学校に復帰して数日。
昔から、そして今も大好きなアーティスト、MONDO GROSSOがイタリア語だったことを知る。きっと当時も調べたはずだけど、イタリア語を習い始めた今だからこそ、当時の感覚記憶と違って強く記憶に残る。
なんだか懐かしくなって、「LIFE」を聴きながら電車で帰った。

そして、2月も後半に突入した21日の金曜日。
ついにイタリアにもコロナウィルスがやってきてしまった。
来るかな、来るかな、と思ってはいたけど、本当にやって来た。

その日、ファッションウィーク関連の仕事があったので帰りが遅くなった。
電車の乗り換え中、乗客みんなが手や衣類で口を抑えていたから、駅で異臭でも発生したのかと思い、(←その駅は確かに少し臭かった)私もなんとなく一緒に手で口を覆ってみたりしてたけど、異臭どころの騒ぎじゃなかった。
そして、「知らない」と言うことの怖さも知った。

そんなこともあって、「よし、ナポリへ行こう!」と言うことになり、翌日からしばらくナポリ生活。
日本人のクラスメイト、イクミも誘って北から南へ4人で車移動。
ドライバーは、イタリア人のAngelo。
彼とはマルタ島からの付き合いでかなり信頼できる。
午後3時に出発して、到着したのは深夜1時。
10時間、長かったーーーーー。運転してないけど、ずっと車内は疲れる。

Angeloの同僚、Adrianaのお家でご馳走になった特大ピザ!私好みの薄生地。



バルコニーからの景色。穏やかすぎてコロナウィルスのことも忘れさせてくれる。



AGROPOLIというナポリから車で1時間ぐらい南へ下った場所にあるビーチで見たサンセット。



去年、ナポリに来た時に食べて感動したコロケット。ナポリに来たら毎回食べたくなる味!



シチリア島発祥のアランチーノ。これもまた絶品! 今回はチーズ入り。



このままナポリでの快適な生活に浸っていたかったけど、
ペルメッソ(滞在許可証)の申請や、骨折した指の検診にも行かないといけないので、また4人で北上。

コロナウィルス発生当時は、「イタリアは対応が早かったので収まるのも早いでしょ!」と思っていたけど、状況はますます悪化していく一方。

学校などの民間施設は、4月3日まで閉鎖され、
私の通っている語学学校もオンラインレッスンに切り替わった。
が、オンラインレッスンってなんだか苦手だし、学校の醍醐味って語学の習得はもちろんだけど、「それ以上に大切なものがそこにある」と私は思う。
ってことで、休学届けを申請して通常モードに戻るまで自力で勉強することに。

3月4日、今日はペルメッソの申請の日。

普段は多くの人が行き交うMilano Centrale駅もこんな感じ。



日本で申請したVISAとは別に、イタリアで長期滞在するためには、イタリア滞在許可証=permesso di soggiornoが必要なんです。
コロナウィルスのこともあってあんまり外出はしたくないけど
ペルメッソの申請は仕方ない、と思い書類に書かれた時間にQuestura(警察署)へ行き、申請を済ませる。待ち時間も含めて約20分で申請が終了。なんてスムーズ!!!
過去のトラウマもあって、こういう作業でいい思いをしたことがなかったので、今回は気分が良い!!
「あとは、連絡を待ってペルメッソを取りに行くだけ!」と思いながら近くのカフェで遅めの朝食を摂っていたらQuesturaから電話。
なんだか嫌な予感………。
嫌な予感ほど的中するもので、「申請料が足りてないから郵便局で支払いを済ませてから3時以降にまた申請しに来るように!」という電話だった。
どうやら滞在期間によって申請料が違ったみたいで、私が支払った€62は3ヶ月の金額らしく、追加で€40払うようにとのこと。
同じ場所で支払いができないのが厄介だ、と思いながらも郵便局へ向かう。

近くで見つけた日当たりのいいカフェ、「Bar Direzionale - dal 1952」。



さて、私の覚えたてのイタリア語の何が問題かというと、自分のしたいことは何となく伝えられるようになってきたけど、ちょっとでも予想外の返答が返ってきたときだ。
さらに、冷たい態度なんて取られたときにはもうテンパるしかない!!
今回もそんな感じで、郵便局でトラブりながらもなんとか支払いを済ませ、再度Questuraへ行き、今度こそ申請完了!!

ペルメッソが届く日が待ち遠しい。

そして3月8日。とうとう、ここはLockdownされ、その2日後の3月10日には、それがイタリアの全地域に広がった。


アーカイブはこちら

Tag

Writer