Between the waves #33
ある種の中毒性
Contributed by Miki Takatori
Trip / 2022.06.06
#33
4月に入り、一気にドライシーズンの訪れを感じるようになった。
朝起きて、海までいくドライブ。風が少し冷たくなって日陰に入るとまだひんやりする。
一年中暑いと思われがちなバリだが、一応南半球にあるここはこれから秋〜冬になっていく。(と言っても毎日30℃以上あって、夏日和なんだけど)
そんな最近、気付いたことがある。
それは、サーファーは予定を組むのが嫌いでドタキャンも日常茶飯事。
波予報がチェックできるのは1週間くらい先まで。それも確実に当たるとは言えない。
だからあえて予定を入れず、波が小さい時、友達と会いたい時は「今日空いてる?」「今何してるの?」と聞くのが普通。
1週間後、その先の予定はサーフトリップ以外絶対に入れない。だって全ては波次第だから。
多分、サーファー同士だから成り立つのかな。普通の人からするとかなり迷惑だと思う。
そして、すごく勝手だけど予定が入ってても波が良いとすぐにキャンセルする(笑)。
もうこれは完全に中毒で、波がいいのにサーフィン出来ない日なんてことがあったら、それはサーファーにとって一番辛いことだから。
朝に予定を入れるのが大の苦手のサーファー。だから私は会社員には絶対なれないし、フルタイムで働くことも出来ない。
特にバリに住んでいるとその必要性がなくなるから周りのサーファーも波がいいと朝7時から10時くらいまで余裕で入っている。それから昼にはビールを飲みながら仲間たちとワイワイ笑っている。
みんな仕事もしないで波だけ追いかけて、どれだけ幸せな場所なんだといつも笑ってしまう。
そんな人たちのことを聞くとじゃあどうやって生活しているの? と不思議に思う人もいるかもしれないが、
私がバリで出会うサーファーはみんなスマートな生き方をしている。
もちろんオンラインで働いたり、自分のビジネスを持っている人もいれば
不動産投資や株式投資、あとは最近流行りのブロックチェーンなどで不労所得を得ている人が多数。
みんな遊んでいるように見えて、サーフィンに支障が出ない程度に上手く働いている。
サーフィンが生活の中心になるとこれは自然な流れなんだと思う。
だってお金から得られる幸せよりサーフィンから得られる幸せの方が何倍も大きくて価値あるものだから。
だからもし、いつかサーファー友達に予定をドタキャンされた時は少し多めに見てあげてください(笑)。
Miki
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Miki Takatori
1996年福岡生まれ。旅のマストアイテムであるサーフボード、ビキニ、ウクレレをスーツケースに入れ海沿いの街を旅する。現在はオーストラリア人パートナーとバリの小さなサーフタウンに住みフリーランス通訳・翻訳・ライターとして生活している。サンセット、サーフィン後のお昼寝、抹茶をこよなく愛する。