This Time Tomorrow #26

マイフレンド

Raos / Vientiane

Contributed by Natsumi Chiba

Trip / sep.17.2019

東南アジアでの旅を記録した千葉夏海さんの旅連載「This Time Tomorrow」。第26回は、ラオス/ ビエンチャン編です。旅先でのリアルな様子をお届けします!

私の目の前に座るオレンジの袈裟を着たモンク。坊主の丸い頭と剃りあげた眉毛が彼の表情を柔らかくさせ、優しくて物静かな雰囲気が彼を包んでいる。
日本の観光の話をひとしきりすると彼がこう言った。

「日本に行ったら友達を作りたい。日本人の女の子と喋りたいから誰か紹介してくれますか?」
(えっ?なんかちょっと下心丸出しだな・・・笑)
「あ~、まぁ英語話せる友達もいるし、多分。」と返事をかなりにごしたけど、
「その彼女の写真ある?彼女のフェイスブック教えて?メッセージしたい」と結構しつこかった(笑)
(そしてモンクってフェイスブックやってるんだ。)
とにかく女の子がどういう生き物なのか知りたくて、話したくて仕方なくて、果てのない好奇心が伝わってきた。モンクが悶々としていた。

12歳のときにモンクになった彼は今24歳。多感で真っ盛りな10代とそして今までを煩悩から切り離した生活を送ってきた彼。悟りを開くべくある意味で閉鎖的な生き方をしてきたであろう。ずっと自分と戦い続けているのだ。

ここラオスでは、男は一生に一度は出家して、一人前になるための修行をするべきだという考えがあるらしい。一年で三カ月間モンクが集団生活する時期があって、その期間だけ出家する人もいる。基本的に出家をするかしないかは本人次第で、やめるのも自由。つまりは彼もモンクをやめることが出来るのだ。

「日本のお坊さんも家族いないんですよね?」
「いや?結婚してる人いますよ。」
「えっっ・・・??!!結婚?!家族がいるの?!」
物静かな彼が目が飛び出しそうな勢いで見開き、すこし大きな声をだした。

彼らには守らなくてはいけないいくつもの戒律があるが、有名な五戒という禁じ事がある。
殺生、盗み、性行為、嘘をつくこと、飲酒をすることだ。
なのに何で日本のお坊さんは結婚できるかというと明治時代に太政官布告という法令が発令されて、そのなかにお肉を食べたり、結婚したりしていいという記述があったから、例外的に日本は結婚することが許されているらしい。

とにかく驚く彼になんか悪いことをしてしまった気分になった。

私がこれから今日の夜行バスでシーパンドンへ行くと話しをすると、「一緒に行きたい」と言われ、さすがに私もそれは出来ないと思って丁重にお断りをした。

もうそろそろ帰って準備しないといけないからと、会話を切り上げ、最後に「私はあなたと写真撮っても平気なの?」と聞いてみると、オッケイをもらった。近づいちゃいけないから2人の間に非常に微妙な距離感のあるセルフィーになった。
(「フェイスブックとかにのせないで」と言われたので彼の写真は差し控えます)

サヨナラをしてから3時間のうちになぜか3回も電話がきて、メッセージも何通もきた。少し怖かったけど、きっと距離感が分からないだけなんだろうなと思って、
「そんなに電話しなくて大丈夫だよ。」とメッセージを送ると、
「ソーリー、マイフレンド」と返って来た。



私の初めてのモンクの友達。
彼の将来の夢は政府機関で子どもたちのために働くこと。
彼の名前は確かポマ。

To Be Continued.

BGM : Sweet Jane / The Velvet Underground


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