Between the waves #21
愛がいっぱいの1日
Contributed by Miki Takatori
Trip / 2022.03.04
#21
2022年が始まって早10日。
この速さで時間が過ぎていくともう来週には4月にでもなってそうな勢い。
最近のバリは、晴れる日が少し多くなった。まだまだ雨期真っ只中だけど、スッキリ晴れた青空を見ると何も予定がなくても部屋を飛び出したくなる。
この日はある取材のためのロケーションハンティングのためにバイクでいつもサーフィンするエリア近くを一人でドライブしていた。
近くに住んでいるのに初めて通る道で平日の午前中だったこともあり、静かで人もバイクもちらほら見かけるだけ。
小道に入りながら、段々とでこぼこしてくる砂利道を進む。
途中ですれ違う、川で遊んでいる子供たちや田んぼで畑仕事をしているおじいちゃんたちはみんなにっこりしている。
蝉の声と、雲一つない青空と照りつける太陽が日本の真夏を思い出させた。
行き当たりばったり、小道を辿りながらただただ海の方を目指してドライブしていると行き着いた先にはこの景色が待っていた。
「うん、この景色が欲しかった!」
心の中でそう言うと、近くのワルンにいたバリニーズのおじちゃんが話しかけてきた。
「この辺に住んでるのー?」
「チャングーだよ、ちょっとドライブしてたの」
「今日は最高の天気だね!Bagus Bagus(バグース: インドネシア語で最高)」と言って笑いながら歩いて行った。
どこに行ってもフレンドリーなバリニーズは人生の楽しみ方を知っている。
波がいいとBaagus!
天気がいいとBagus!
とりあえずこの2つさえあれば、どんな日でも彼らは最高と言っている。
そんなバリニーズを見ていると、私の悩みや考え事はちっぽけに思えてくる。
もっと自由に、気楽に、解放的に生きていっていいんじゃないか。
こんなことをリマインドされる。
この日の夜は、トマトパスタとバリカレーが美味しい行きつけの近所のワルンへ。
「HAPPY NEW YEAR! 今年もよろしくね!」と言いながら新年の挨拶カードと手作りクッキーをプレゼントしてくれた。
いつも美味しいご飯を食べさせてくれてありがとうはこっちの方なのに、ここでもまたバリニーズの愛を受け取った。
お腹いっぱいになりながら、バリに住んでいる幸せを噛み締めた1日だった。
Miki
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Miki Takatori
1996年福岡生まれ。旅のマストアイテムであるサーフボード、ビキニ、ウクレレをスーツケースに入れ海沿いの街を旅する。現在はオーストラリア人パートナーとバリの小さなサーフタウンに住みフリーランス通訳・翻訳・ライターとして生活している。サンセット、サーフィン後のお昼寝、抹茶をこよなく愛する。