怒涛のインド旅、病人、インドでの最後の夜

Travelling is my Life #7

怒涛のインド旅、病人、インドでの最後の夜

Contributed by Asuka Naka

Trip / 2023.06.28

『とにかく旅をするのが好き!』高校生の時に初めて訪れたインドがトラベラーへのきっかけだった。多くの国を旅する好奇心旺盛な彼女だからこそ感じる面白さと発見。出会いと出来事を振り返りながら綴るAsuka Nakaさんの旅日記。

#7


砂漠から帰ってきた日はインドで最後の丸一日を過ごせる日だった。明日の朝、みんなとのお別れでそれぞれ次の旅へと向かう。
とはいえ私は絶賛体調不良中。





砂漠からジャイサルメール市内のホステルへの帰り道、安定してインド人はとてもフレンドリーで声をかけてきてくれる。しかし病人の私にはその温かさが暑苦しさになっており、とても返事などできる状態ではなかった。なんとかホステルに帰ってきてベッドに横たわる。元気なメンバーは好きなように市内のカフェなどに遊びに行った。病人メンバー数人は動くこともできずベッドの上。とりあえず何か食べなければ、しかし食べ物を調達しに行く元気すらもなかった私は、様子を見にきたホステルのスタッフになんでもいいから果物を買ってきてくれと頼んだ。この状況で、どの料理を頼んでもスパイスの効いているインド料理を頼むわけにもいかず、全世界共通であるフルーツという選択をした。ホステルスタッフはせっかくなんだから街で遊んできなよ! と最初はベッドに倒れている私たちに声をかけてきたが、どうやらやっと食あたりだとわかってくれたらしい。そしてすぐに果物を何種類か買って戻ってきてくれた。私はトイレとの往復がやっとであったが、今日は旅メンバーと過ごせる最後の日。夕飯までには、と必死になって体調回復を試みた。

夕方になると外に出ていたメンバーが帰ってきて、ホステルの絶景なテラスで、夜の晩餐をした。といっても私はそこにいるのがやっとで何も食べる事はできず、トイレットペーパーを肌身離さず持ち歩いていた。



インドで買った薬が少し効いてきたのか、みんなとの時間の楽しさからか、気づけばだいぶ私の身体は生き返っていた。少し夜更かしをしたいメンバーで、夕食後も引き続きテラスでお喋り。全国共通、若者で盛り上がる話題といえばやはり恋バナ。他にもそれぞれの生き方だとか、年上メンバーの大人な話とか、たくさん聞けてとても面白かった。その時旅のガイドであるユキンコの世界一周の経験や生き方を聞いてから、私もこんなふうに生きたいと心に決めた。

外国に住むということの大変さを超えてインドに住むなんて、こんなカッコイイことはないと今でも思う。私には到底その度胸と根性はないであろう。南インドでボランティアだとか、大学の休みを終えるため日本に帰るだとか、もう少しぶらりインドを旅するなど、明日からそれぞれメンバーによって違う旅をする。私のプランは高校の卒業式までの数日、インドからタイに行って一人旅を少しだけしようと考えていた。タイは私のお気に入りの国であり、数ヶ月前に行っていたものの、行ける機会があればまた絶対に行きたかったのだ。明日から新しい旅が始まる。







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