
This Time Tomorrow #6
Second Day in Phnom Pehn
Cambodia / Second Day in Phnom Pehn
Contributed by Natsumi Chiba
Trip / 2019.02.25
キリングフィールドに到着した。
チケットを購入し、オーディオガイドのヘッドフォンをつけ、各々フィールド内を歩き始めた。入り口を入ってすぐ慰霊碑が建っていて、その周りを一周して戻ってくるようになっている。周りを見渡すと他の観光客もみな堅苦しい表情をしている。
途中、ところどころに穴があいている。虐殺された人達が埋められた穴だ。彼らが当時着ていた洋服、骨や歯も残っていた。赤ちゃんたちを、思いっきり打ちつけて殺すのに使われたキリングツリーと呼ばれる木が立っていた。重苦しい雰囲気が漂い、フィールド内にあるものは、とても写真は撮れなかった。オーディオガイドでは、生き延びた人達のインタビューを聞くことができる。
自分のこどもを目の前で殺された女性。当時若かった自分を逃がすために、自ら犠牲になって処刑された老人に助けられた男性。母親に「アメリカに逃げて、英語を勉強して新しい人生を生きなさい。」と、ひとりアメリカに亡命し、家族で自分だけ生き延びた男性。どれもこれもが辛くて、受け入れがたい事実だった。
その日は、青い空が広がる気持ちの良い天気だった。肌を触る風が心地よく、静かに木々を揺らしていた。

キリングフィールドの外に広がる土地
ふと、遠くの家族と友達を思った。
大切な人達とバラバラにならず、屋根のあるお家に住めて、あたたかいご飯が食べられる。夜には明日を思って、ぐっすりと眠れる。今の時代の日本に生まれて、本当に幸せだと思ったら、思わず涙がでた。
生きてるだけで儲けもんだ。毎日忙しく過ごしていると、目の前のタスクをこなすことに精一杯になってしまって、日々の小さい感謝を忘れがちになってしまう。たとえ忙しい日々を送ろうとも、当たり前を当たり前と思わず、小さな幸せに気づくことができる謙虚な心を持ち続けようと思った。ここに来ることをためらっていたが、結果的にエマの友達同様にプノンペンで一番心に残る経験になった。
エマとシェムリアップ行きのバスを予約し、出発の準備をする。
キリングフィールドで感じた気持ちを忘れないようすぐに文字にしようと、日記を手に取った。
To Be Continued.
BGM: Salt of the Earth / Dandy Livingstone
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Natsumi Chiba
神奈川県茅ヶ崎在住。20歳のときにいったオーストラリア留学がきっかけで旅にハマる。最近はジャンクのフィルムカメラで写真を撮り始める。好きな音楽はレゲエなど。












































































