Gloomy day All day #16
ロンドン旅、延長編、その2。
Contributed by Aya Ueno
Trip / 2023.10.06
#16
コロナウイルスを背負って、健全なグレイスと華子さんのお家に転がり込んで(大迷惑)から、もうすぐ一週間が経つ。今日は2人との穏やかで、心地よい毎日について書きたい。
グレイスは、夜が深くなればなるほど活動的な、生粋の夜型人間だ。だから、お散歩とかお菓子づくりとか、日中はなかなか腰が重くて「やらない!」と言っていたことも、夜になればやってくれたりする。
ある日は、グレイスのタイミングを見計らって、可愛いクッキーを焼いた。そういえば、華子さんが出張をしていた3年前、当時たしか9歳くらいの彼女と一緒によなよなクッキーを焼いたのだった。その時と同じく、味はふつうだけど、楽しさはピカイチだった。
コロナになりたての時は、スーパーに行くと危ないので(危ない存在はわたし)、オンラインサービスを使ってお買い物をした。PCで商品を全て見ることができ、購入したら商品が数日後に届く(年末年始で使う人が多いから、通常より日数はかかるみたい)。
3人でチーズを食べながらPCと睨めっこして、大量の食材を架空のカゴに入れた。アイスは欲張って大きなやつを3つも買った。酒飲みの私たち(グレイスを除く)だから、ボックスのワイン(蛇口がついているやつ)はマストアイテム。私たちは、毎日よく呑んだ。
オンラインだと、ついつい買いすぎてしまうと笑ってた。
ちなみに、この日の夜ご飯はお鍋だった。
また、ある夜は、みんなでヤカンや鍋を磨いた。フリーランスのコーディネーターをする華子さんは、年がら年中仕事が舞い降りてきて、忙しい。お仕事がお休みの年末年始は、いつもは面倒に感じることをゆっくり時間をかけて、何も考えずにやるんだって。こういう淡々と行う作業は私も大好きだ。ひっついてなかなか取れないコゲも、無心になって何度も何度も擦ると、少しずつ元の色が見えてくる。
磨き奉行に火がついたわたしたちは、一服したのち、靴磨きにもとりかかった。
またある日はお散歩へ。川沿いを歩くと、そこにはボートが所狭しと並んでいる。ロンドンには、このボートに住む人がたくさんいる。3年前の語学学校で仲良しだった先生のケイティも、前に付き合っていた彼の影響でボート生活を始め、毎日ボートから出勤していた。
川沿いが飽きたら、家に向かって、今度は街中の別ルートで帰ろう。Seven Sistersの2人のお家は移民街で、その中にはユダヤ教徒が住むエリアがあった。
駅前に着いた。朝ごはんを調達しようといって2人が向かった先は、屋台のようになっている簡易的なレストラン。コロンビア系のごはんやさんになっていて、ここで私たちはPandebonoというパンなどを購入した。Pandebonoって日本語で、楽しいパン、という意味なんだって。
この間までクリスマスだったのに、もう年越しがやってくる。これは私にとって、人生で初めてのイギリス、というか海外での年越し。コロナのために延泊していて、人に迷惑をかけている分際で、声を大にしていうことはできないが、やっぱりとっても楽しみ。
続く!
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Aya Ueno
兵庫県神戸出身、東京在住のWriter/Photographer。学生時代に渡ったイギリス留学を機に、人や、取り巻く空間を魅せる表現に興味を持ち、現在Containerをはじめ、カルチャー、フードメディアにて発信中。
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