
Mamma mia! #19
バラエティー豊かな方言の国、イタリア
Contributed by Aco Hirai
Trip / 2020.08.04
#19
実は、先日誕生日を迎えた頃から薄々感づいてはいたんだ。
日本を発つ前にそれを見ながら、面倒だな、なんてため息をついていたから。
ペルメッソ申請の手続きや、書類集め、保険の加入に加え、さらに負担が増えると思って確信に迫るのをやめていたことがある。
日本の運転免許証だ。
タイミングが悪く、5年ぶりの運転免許証の更新がこのタイミングでやってきた。
数年前、仕事が多忙すぎてうっかり8ヵ月も更新手続きを忘れ、鮫洲で仮免からやり直した壮絶な記憶が蘇る。
二度とこの無駄な時間と費用と体力を使いたくないと、もはやトラウマのようになっていた。
それにも関わらず、このタイミングでまたやってきてしまった。
勝手な思い込みで、海外にいたことが証明できれば期限が切れても学科と技能試験が免除されると思っていたけど、日本の警察に問い合わせたところ、(都道府県でも異なるが)そう簡単にはいかず、結構面倒なことになりそうだ。ただ、文末にとりあえず帰国次第、すぐにお電話ください、と書かれていた。
何か抜け道のようなものがあるのかな?
そんな甘くないか(笑)。
そんな落胆した気持ちでいると、ピザを食べに行かないか? と誘われたので、数人で街の一番高い場所にある城砦、AGROPOLI VECCHIA内にあるピッツェリアへ行ってきた。
こんな感じのところ。

中世の雰囲気が残る人気の観光地、AGROPOLI VECCHIA。まだ行ってないけどお城の見学もできる。

頂上には、ピッツェリアが2軒とビストロレストランが1軒ある。

洞窟っぽい感じの踊り場で食べたりもできる。

人がいないとさらに洞窟感が増す。
ピザがテーブルに運ばれるまでの待ち時間に、RICCARDOと話していたんだけど、彼の言葉がまったく聞き取れない。
「おい! どうした、私!」と心の中で喝を入れる。
もちろんイタリア人の言葉を聞き取れないことなんて多々あるけど、今日はなにかが違う。
簡単な会話ならだいたい聞きとれるはずなのに、聞き取れない。
何度も、「それってどういう意味?」って聞き返すばかりで、会話が進まない。
そう! 彼は私に地元の方言で話していたのだ。
単語も違えば、発音も違う。
もう、持ち前の笑顔とありったけのジェスチャーで乗り切るしかない(笑)。
前回も少し触れたけど、ナポリのあるカンパーニャ州は特に方言が豊かな場所。
さらにここには、ナポリの方言とは違った、この土地特有の方言がある。
日本で言うなら沖縄や東北の方言のようなもので、イタリア人同士でも理解できないので、テレビでは下に字幕が入る。
例えば、トマト。
標準のイタリア語では、
POMODORO(ポモドーロ)
と言うけど、ナポリの方言では、
PUMMAROLA(プンマローラ)
という具合で違ってくる。
こう言う機会も滅多にないので本当にいい経験。

ここのピザはとにかく美味しい。食べやすいサイズにカットしてからサーブしてくれるので、フォークとナイフを使ってピザを食べるという習慣がない私には嬉しい。

帰り道に見つけたポスト。まるでオブジェみたいで可愛い。
そして週末は、コロナウィルスの発生と同時にローマへ移動したDanaが観光ついでにSalernoまで会いに来てくれた。
久々の再会だ。
彼女は、来月のペルメッソが切れるタイミングで帰国することにしたらしい。

Danaが「気持ちいいレストランがあるから行こう!」ということで、ここでランチ。

オーシャンビューの素敵なレストラン、EMBARCADERO SALERNO。

迷いながらやっと辿り着いたGiardino della Minervaという庭園からの眺め。
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Aco Hirai
2004年オーストラリア移住、2005年帰国、2019年マルタ島留学、2020年イタリア移住。 海外で活躍する日本人を取材したImhereマガジンを不定期で発信しています。(インタビュイー募集中)









































































































































