London, Can you wait? #0
breathe out where you like
Contributed by Chika Hasebe
Trip / 2024.01.19
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ロンドンに来てみた。来たというより来てみた。以前留学は経験したが、よくよく考えたら海外に住んだのは半年間だけ。2年間住んでみたら、自分は何を感じてその先何を求めるか見てみたかったのだ。
ハセベチカ、25歳。現在ロンドンで元気に生活中。今はYMS(Youth Mobility Scheme、いわゆるワーホリビザ)で滞在している。
移住することになったきっかけは、友人と幡ヶ谷で飲んでいたときのこと(と記憶している)。
友人:「わたしドイツとかいいなって思ってんのよね、ワーホリでいこうかな」
わたし:「ワーホリか! いいね」
軽く流れていくような会話をある日ふと思い出した。ワーホリについて調べてみたら、たまたまその1ヶ月後にビザの応募受付があることを知った。当たったら考えてみるかぐらいの気持ちで申し込んでみた。
なぜわたしが友人との会話から本当に実行に移したかというと、大学卒業後とりあえずで就職したことをずっと後悔していたからだ。もともとはイギリスの大学院進学を希望していたが、コロナや資金のハードル、なにより意思が足りなかったためにできなかった。大学院で学び直したい気持ちと海外に出たい気持ち、どちらもあって自分にはなにがいい手段なのか、永遠に答えが出ないまま、どんどん生活が板についてきている自分がいた。
だから、深く考えなくてもすぐできるビザの応募で何か変わるなら、面白いからやってみようかとちょっとしたイタズラに乗っかる気分だった。
実は申し込みの時点でかなりラッキー。応募は年2回しかできない上に、申し込み期間はたったの数日。その機会を逃すと、また半年待たねばならない。しかも、巷で噂の通り、申込者全員がビザを取得できるわけではなく、抽選で選ばれないと希望しても行けない仕組みになっているのだ。
というわけで完全にダメ元で応募。でもわたしはなんとなくいけると思った。この根拠のない自信というか、いける感覚、最近たまにあるけどなんなんだろう。特にロンドンに来てから、これはいけると感じたらいけるし、これはいけないと感じたらやっぱりいけない。よくAffirmationが推奨されているが、わたしは持てない自信はどう頑張っても嘘っぽくて、こういう力んでいないときにパッと降りてくる感覚をしっかり掴める方が大事な気がする。
今ロンドンにいるので、わたしは結局このビザを手にすることができたのだが、なにをしているかというと現在は日系企業のロンドン支局に勤めている。日本にいたときも含め、毎回働く環境に恵まれていて、ありがたい限りだ。まさか自分がこんな仕事をするとは想像もしていなくて、人生の中でも指折りの奇跡が起こったと思っている。
留学でも海外赴任でもない突然やってきた海外生活の機会。この2年間で自分は何を感じて、何を求めるのか見てみよう。
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Chika Hasebe
1998年生まれ。2023年5月よりロンドンに拠点を移し、報道記者の仕事に従事する一方、フリーライターとしてカルチャーについて発信もしている。