手放すこと

Between the waves #8

手放すこと

Contributed by Miki Takatori

Trip / 2021.11.08

ひとつの場所に留まることが苦手で、さまざまな国を転々と旅してきた高取美樹さん。それぞれの場所で、暮らすように旅を続ける彼女が切り取る、何気なく、そして特別な瞬間。

#8

この日は待ちに待ったMayaとカフェでキャッチアップの日。
Mayaと初めて会ったのは2年前にバリに来た時。いつものサーフスポットでサンセットサーフィンをしていた時、彼女の自由なサーフスタイルに魅了され声をかけたのがきっかけ。





Mayaはプロのヘアメイクアップアーティストとして仕事をしながらバリで暮らしている。
実はフィリピンと日本のミックスで、日本食や日本の文化が大好きと聞いて海の中で盛り上がったのを覚えている。

彼女が本格的にヘアメイクアップアーティストとして活躍し始めたのは、21歳の時にバリに移住してから。それまでは経験もなくゼロからのスタートで、人との繋がりや人々がMayaの仕事を気に入ってくれて、今では毎日仕事のブッキングが入っているほど有名なヘアメイクアップアーティスト。

そんなMayaと盛り上がったのは人間関係の話。
実は最近5年ほど付き合っていたボーイフレンドとお別れしたという彼女。

「なんでー!仲良さそうだったのに」と驚く私に
「お互いこれから進みたい方向が多分違ってきてたの」と言うMaya。

「長年ずっと一緒にいた人と離れることって寂しいけど、自分のためにもスペースが必要だったの。モノでも、人間関係でも何かを手放すことってすごく大切だと思う。そうしないと次のためのスペースが作れないでしょ」

うん、まさにその通り。すごく説得力のある言葉だった。

「今は新しい家も建てていて、毎日仕事で充実している。
1人で過ごす時間も悪くないし、私は逆に気に入っているかも」


ガールズトークはどんどん盛り上がってちょうど波が良い感じになってきた頃。

「波見に行ってみる?」
「そうしよー!」



持ってきたミッドレングスのサーフボードを持って海へ歩いて行ったMaya。
この日は何本か波に乗って「家で犬と猫が待ってるから!」と言って海を後にした。

何かを手放すことで新たに得るものはすごく大きい。
サーフィンも同じで一つの波を手放しても、次に来る波への準備が出来る。
空いたスペースを作ることで、これから訪れるものを100%の状態で受け入れることができる。

自分の人生に現れる人、舞い降りてくるアイデア、自分がしたかったことができる機会
多分全てにおいて当てはまるのではないだろうか。

“Let come what comes, let go what goes. See what remains.”




Mayaと話していると彼女の表情は以前と変わらず笑顔で溢れていて、どこかもっと輝いて見えた。それはきっと彼女が手放した後に、自分を自由にさせることができたから。


Miki



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