Piccola Stella #2
Arrival! First time with Agriturismo
Contributed by Shiori Ota
Trip / 2024.02.16
#2
1泊だけ滞在したParelmo(パレルモ)から、スーツケースを引っ張りながら少し離れたバス停になんとか辿り着き、バスで約3時間でSiracusa(シラクーザ)に到着した。ホストの娘さんマヌエラが車で迎えに来てくれていて、シチリアの目的地、Agriturismoをしているファミリーのお家に向かった。
*アグリツーリズモという言葉は、イタリア語のアグリコルトゥーラ(農業)とツーリズモ(観光)を組み合わせた造語です。アグリツーリズモは事実上、食事 (ランチとディナー)、休日の宿泊、またはその2つの組み合わせなど、ゲストを受け入れるように設計された農場です。
到着してすぐ、敷地内の案内をしてくれるマヌエラ
歩いて行ける距離の場所にはコンビニもスーパーも何もない。
あるのは、見渡す限りのオリーブの木と部分的にあるフルーツの木と葡萄畑。
アートイベントを毎年開催しているようで、彫刻作品や絵画が家の外や中のダイニングルームにたくさんあった。古い本や写真もあったりして、ビンテージな物好きの私は暇さえあれば、引っ張り出して読んでみたり。
サボテンにあるフルーツを収穫するのは経験と技が必要だそうで、マヌエラはロイおじいちゃんに最近教えてもらっていた。
敷地内にワインを熟すための小屋があって販売はできない小規模な生産だけど、訪れるゲストや家族が楽しむのに十分な量を作っているそう。10~11月頃に葡萄の糖度を測って良いタイミングで収穫する。私が滞在中は“甘くなるのを待つ”というなんだか贅沢なタイミングだった。
敷地内に何匹かいる親子の猫たちは、早朝になると餌が欲しくてなきだし、その鳴き声で目覚める
猫とはしゃぐおてんばで優しいマチルダ
東京だとなかなか食べられない採れたてのフルーツを食べる。
いちじくが本当に美味しくてよく食べていたら、そんなに好きなのねってロイおじいちゃんに一緒に採りに行こうと言われてたくさん収穫。そして全部食べてって勧められる始末(笑)。
街に出て本当に必要なものや自分たちで作っていない食材はスーパーで買い出しもたまに行っていたけれど、基本的に庭にあるハーブを使って料理をしたり、手作りのパスタ、オリーブ、チーズなどを自分たちが収穫した食べ物を使って生きる暮らしを目の当たりにして、日本の都会暮らしだと忙しくてそんなことはとんでもないことだし、絶対全部同じように生活するのは無理だけど少し真似して育てたハーブで料理に使ってみるなんてしてみたら丁寧な暮らしの一歩になるのかなと思う(いちじくの木が庭にあればさらに最強)。
仕事に一生懸命になっているとあまり考えることがなかったけど、加工食品やコンビニ食をできるだけ食べない生活っていうのは色んな意味で贅沢で素敵だなと思わされる。
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Shiori Ota
1997年生まれ。2020年以降ファッションポートレートやパーソナルプロジェクトの中で、美の多様性やボディポジティブ、女性のまなざしの重要性について問いかけながら作品やzine制作を続けている。クライアントワークでは、女性ファッション誌、ウェブメディア、アパレルブランドの撮影を主に行う。