悲劇の朝の始まり

Between the waves #39

悲劇の朝の始まり

Contributed by Miki Takatori

Trip / 2022.07.25

ひとつの場所に留まることが苦手で、さまざまな国を転々と旅してきた高取美樹さん。それぞれの場所で、暮らすように旅を続ける彼女が切り取る、何気なく、そして特別な瞬間。

#39

今週は色んな意味で気分がどん底に落ちた週。気持ちの整理がついてからまたいつか書こうと思いながら、しばらくはメンタル崩壊の日々を覚悟してる。

それでも天気が最高に良くて、波がいいことだけが唯一の救い。

夜も寝付けず朝も6時半に目が覚めて、ベッドに寝ていると余計なことばかり考えてしまう。

重い身体を起こして、すぐにコンタクトをつけて、ボードをバイクに乗せて海へ。

やっぱり海に入ると、思考がストップする。

調子良く出だしから何本か良い波に乗り、気分が上がっていたところでまさかの悲劇が。

テイクオフしたサーファーが一直線にこっちに向かってきて、フィンに轢かれボードが欠けてしまった。

この日は混んでいて、両横にサーファーがいてどちらかに逃げることも出来ず。

もし怪我をしてたら何十針も縫うような怪我だったと思うから、不幸中の幸いなんだけどそれでも落ち込む。

すれ違う人みんなに「What happened?!」って聞かれて「I’ve got a shark attack hahaha」と無理矢理笑うしかなかった。

このサーフボードはまだ乗り始めて3週間くらいしか経ってないのに、ツイていない。



欠け方が、まさに綺麗にサメに噛まれたみたいで修理してくれる人たちも笑いながら驚いていた。

「欠けた破片見つけた?それがあると早く修理できるよ!」と言われたので

「オッケー!探してくる」と言いながら海に戻りないだろうな〜なんて思いながら歩いているとビーチに漂流したピンクの破片を発見!



どん底に落ちた後はこんなこともラッキーに感じた。

「見つけたよー!」と笑いながら持って行くと

「おおー!よかったじゃん!これで綺麗に修理してあげる!」とバリで一番信頼されているding repairのローカルボーイズたちも喜んでくれた。

ビーチで落ち込んでいるといつも同じ場所(Pererenanビーチ)でサーフィンしているサーファーが慰めてくれて

コーヒー奢ってあげるから元気出して! とみんなの優しさが心に染みた。

数ヶ月前と比べると、最近は海の中もだいぶ混んできて知らないサーファーが増える中、

こうやって気にかけてくれるコミュニティーの人たちがいるだけでだいぶ気持ちが軽くなった。



最近、ほぼ毎日食べているスムージーボウル。フルーツたっぷりにアボカドとバナナのベースが美味しすぎてこんなに多い量でも350円くらい。


行きつけのカフェのバリスタにもこの日は慰めのコーヒーを頂いた。



Miki


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