真夏の風を探して #0
わたしが旅する理由
Contributed by satsuki azuma
Trip / 2024.05.14
はじめての食べ物、はじめての当たり前、はじめての現地の人との会話。旅先での“はじめて”は、いつだって私にワクワクを届けてくれる。モデル・俳優としても活躍する東咲月さんが等身大の姿で「旅」の出来事を綴ります。
春が来ました。
みなさま、いかがお過ごしでしょうか。
はじめましての方がほとんどだと思うのでまずは自己紹介を。
「旅」が好きな東咲月です。
高校生の頃にモデルとして活動をはじめ、最近は少しずつ俳優業に携わりはじめています。
学生の時にテニスを7年ほどやっていたこともあって身体を動かすことはもちろん、音楽や映画鑑賞、美容や洋服も好きです。そして、手を動かしたりして何かを作ることも!
今回はContainerさんに読み切りの記事を載せていただけるということで、太陽の日差しが心地よい「タイ」に行ってきた際のお話しをしようと思います。
その前に。新年度に新天地で活動をはじめた方、会社や学校でもう何回目の新年度なんだろうと思っている方、さまざまな想いで日々を迎えている方、今旅の途中の方。
旅は好きですか?? 旅のどんなところが好きですか??
私は、はじめて出会う食べ物だったり、その土地の人たちの当たり前の中で日々を過ごしてみたり、その国で出逢った同い年の子と会話してみたり。旅のそんなところが好きで、大学生の時“同じ地球にいるのに違う世界があること”に感動を覚えてから定期的に旅をしています。
行きの飛行機に乗っている時なんて、「人生でまだ足を踏み下ろしていない土地を歩くことができるんだ」とこれから旅する土地に思いを馳せゾワゾワ、ワクワクしちゃいます(その感覚がいちばん好き)。
はじめて一人で行った旅は、「ニューヨーク」。
大学に入学した年の夏、アートブックやZINEを作りはじめてギャラリーで友人と展示を開催したとき、声をかけてくれた方々との出会いをきっかけに一緒に雑誌を作ったり、百貨店で展示を開催したり、アートブックフェアに参加していました。
それからというものの「自分で製作した作品をきっかけにはじめましての方とお話しをする」その時間が大好きになり、気づいたら5年ほど活動を続けていました。
そして私が影響されたアートブックを販売している本屋さんがニューヨークにあると知り、自分の作品の売り込みに一週間ニューヨークに滞在したのが私のはじめての一人旅でした。
今までの旅で印象的だった出来事は数知れず、必ず何か出会いがあるからこそ旅がおもしろいのだと思っています。
21歳の時に留学したブライトンでの出会い。
同い年の韓国人の男の子は徴兵に行って帰ってきてブライトンに来たんだと話していました。徴兵について、彼は「2度と行きたくない」と話した後「帰ったら自分の好きなサッカーチーム、チェルシーが近いフラム地区に留学すると決めていた」とも話してくれました。
そして「その留学でファッションを学んでデザイナーになる。目標があったから僕はここまで来れた」と言っていたことが印象的で、彼は自分の住んでいる国が平和な今、できることをやる、今日を生きる、目の前にあるものを大切にしていた。そんな素晴らしさを教えてくれたと同時に、その言葉が今でも私を奮い立たせてくれています。
もう一つの出会いは授業の初回に「英語で話すのが嫌い」と自己紹介をしたトルコから来た男の子との出会い。
授業終わり、「英語で話すのがなんで嫌いなの?」と聞いたら「挨拶をするときに、『こんにちは』って言った後『元気?』って聞いたりするでしょ。それが面倒くさい」とのこと。色々話していると「4人兄弟の末っ子で、兄や姉は家を出ていてみんなヨーロッパで散らばって住んでいる、まだ高校生だけど地元にいても楽しくないからここに来た」と話してくれました。彼は仲間をつくるのがすごく上手で、誰とでも仲良くなっていて、そのバイタリティに私は感動。あっという間に日本に帰らないといけない時期になってしまって、すごく忙しい時期から逃げるようにブライトンに来たということもあって「日本に帰ったらまた色々やらないとなー」って考えたりして落ち込んでいた時期だったんです(笑)。
そんな私に放課後に一緒に出かけて、ミスタービーンが出演する作品のDVDとイヤフォンを買ってプレゼントしてくれました。「これを見て僕を思い出したらきっといつでも笑えるよ」って見送ってくれた日を私は昨日のことのように思い出します。
そしてホームステイ先のママも。
中国語の辞書や日本語の辞書など、すぐに手が届く場所に分厚い辞書が並べてあって勤勉な印象だったママは、家族で過ごす時間に当たり前のように私を入れてくれて、いつでも私が過ごしやすい環境を作ってくれた一人でした。
帰国後ママに日本に着いたことを連絡すると、「この旅があなたのこれからの人生につながる何かのきっかけになりますように」と連絡をくれて、私もこんな素敵な言葉を伝えられるような女性になりたいな、と思いました。
そんな素晴らしい人々との出会いや思い出が、私が旅を続けたいと思い続けられる理由。
今の私はその頃よりも大人になっていて当時に比べて変化していることも色々あるけど、相変わらず“旅での出会いに魅了されている一人”です。
今回はどんな出会いがあるんだろう……とまたゾワゾワ、ワクワク。
それでは、本編の「タイ」編をお届けします!
東京の冬は最近暖かかったり寒かったり複雑だけど、まっすぐな暑さを感じられる場所に辿り着いた!
その場所は2回目に訪れるタイ・バンコク。
1回目は、アーティストのSTUTSさん、そしてPhumくんをゲストに迎えた「Dream away」のMV撮影で訪れた。
あの時、車を運転してくれたドライバーの人は元気かな?
あの時、タイの家庭料理を作ってくれた男性はなにをしているのかな?
あの時、お部屋をお掃除してくれたあと、仲良くなってLINEを交換した女性は元気にしているのかな?
「そんなに気になるなら再びバンコクに行ってきなよ!」
という声が聞こえた気がした。
その時の自分より少し歳を重ねて、今の自分から見えるバンコクは、どんなふうに映るんだろう。
早朝の成田空港で鴨南蛮そばを食べながら考える。
時間になって飛行機に乗る。
それにしても飛行機って色々気になるポイントがある。
まず、乗ってすぐに非常口の案内と、もしもの時の対応策をキャビンアテンダントさんが教えてくれる。こんな感じで、安全のためのしおりも用意してくれているよね。
わたしはこのしおりの“絵のタッチ”を見るのが毎回の楽しみで、常備されているパンフレットも一緒にチェック。今回の表紙のロゴはぷくぷくしていて、かわいい。
パンフレットには、機内で販売されている軽食とドリンクの案内、そして今回利用した「Air Asia」オリジナルのお土産の掲載があった。パンフレットに掲載されていたお土産の中で、ムエタイパンツはやっぱり人気みたい。
タイ時間14:00、日本時間16:00
予定より1時間遅れて到着する。
つづく