Between the waves #1
Take it easy!
Contributed by Miki Takatori
Trip / 2021.08.30
#1
暮らすように旅する。
私の20代のモットーだ。ひとつの場所に留まるのが苦手で色んな国を転々としてきた20代。ふらっと1人でイタリアの小さな村に2週間行ってきまーす! なんてことも。夕方4時から美味しいパスタをテラス席で頬張って、可愛い小道に導かれるがままに歩き続け、「あー! 幸せ!」って心の底から思える日々。2泊3日なんて言わないで数週間、数ヶ月滞在してそこで"暮らす"ことを体験する。通りすがる人には現地の言葉で挨拶して、行く先々で地元の人と仲良くなって、美味しいご飯屋さんを教えてもらって、何気ない日常の一コマだけどそれがずっと心の中に残るような瞬間を過ごす。私にとってそんなことが人生を豊かにするエッセンスになるんじゃないかな、なんて思ってます。
初めまして!
Between the wavesという連載をさせていただくことになりましたMikiです。
生まれ育ちは明太子が美味しい福岡県、九州の暖かい太陽を浴びて育ちました。
初めて行った海外は高校2年生のカリフォルニア。キラキラした海と映画の中にいるかのようなアメリカ生活に感動を覚え将来のために英語を猛勉強し始めました。
大学時代にニューヨークの大学へ1年留学、卒業後は中東航空会社の客室乗務員としてカタールに住み、世界50ヵ国以上を飛び回る生活をしていました。
そんな時、旅行で訪れたバリでサーフィンに出会い私の人生は激変。ローカルのボーイズに誘われ言われるがままにパドルアウト。初めて波に乗ったのはバリのクタビーチ。
サーフィンは一度ハマったら抜け出せなくなる、中毒性が高いスポーツ。案の定すっかりハマってしまった私は、海の近くに住み、毎日サーフィンができる環境を求めて、ひょんなことから客室乗務員を辞め片道航空券を握りしめてオーストラリアのゴールドコーストへ旅立ちました。
海のないドーハの砂漠の生活から、歩いて数分で海に到着する生活に。サーフカルチャーが色濃く漂う街や、おおらかなオージーの性格、スローライフを楽しむオーストラリアに惚れ、移住を考え始めたのが2019年のことでした。でも2020年の3月、コロナ禍の影響で、急遽ワーキングホリデーで10ヶ月過ごしたオーストラリアから日本に帰国。思いがけず、帰国の数週間前に付き合い始めた今のパートナーとの先の見えない遠距離恋愛が始まりました。
それから1年ほど経った2021年4月。日本とオーストラリアの中間地点であるバリ島で、彼と1年越しに再会することになりました。そうして現在はバリ島のチャングーという街で暮らしながら、朝夕合わせて4時間のサーフィンの合間に、フリーランスで通訳、翻訳、ライターの仕事をしています。
そんなこんなで、どうやっても海とは切っても切り離せないの私の生活。コロナ禍の影響で観光客がほとんどいない中でのバリ島の暮らしは、普段とはぜんぜん違った様子。いつもなら観光客で大賑わいのエリアもほとんどの店のシャッターが閉まっていて、ほとんどの人々の収入がほぼゼロに近いと言われる状況の中、ひとつだけ以前と変わらないものがあった。
それはバリの人々の笑顔。
「心配しても仕方ない。波があるだけ、サーフィンができるだけでハッピー」
海で偶然会ったバリのサーファーがつぶやいていた言葉。いろんなことが不確かで、ほんの少しの未来の予定さえ立てられない世の中だけど、バリの人々に根付いている”Take it easy!(気楽に行こう!)"のスピリットは、言葉を超えてグッと伝わるものがある。
Between the wavesでは、そんな私の日常を切り取って、海での出会いやサーファーとの会話、ジャーナルにちょっと書き残しておきたくなるような、心がキュンとときめくような瞬間やインスピレーションを受けたあれこれを紹介していこうと思います。
Miki
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Miki Takatori
1996年福岡生まれ。旅のマストアイテムであるサーフボード、ビキニ、ウクレレをスーツケースに入れ海沿いの街を旅する。現在はオーストラリア人パートナーとバリの小さなサーフタウンに住みフリーランス通訳・翻訳・ライターとして生活している。サンセット、サーフィン後のお昼寝、抹茶をこよなく愛する。