Own Beautiful Adventure #1

物語のはじまり

Sayulita Mexico

Contributed by Nachos

Trip / aug.07.2019

世界中の国々をサーフトリップしながら、女性にフィーチャーした"saltybabe photo"を撮り続けている、フォトグラファーNachosさんの旅連載「Own Beautiful Adventure」。彼女にとっての特別な場所、メキシコ・サユリータで過ごした濃密な日々の記録をお届けします。

カラフルに彩られた街並みの中、ひとりただずむサーファーの姿。彼の目線の先には海が見える。

何気なく目に映ったその1枚の写真から冒険は始まった。その街は、メキシコの太平洋側北部にある小さなサーフタウンSayulita。
そういえば去年サーフトリップで訪れたカリフォルニア。時間があったらメキシコまで行こうと考えていたのだけど、結局国境を越えることは無かったな。この写真と出会ったタイミングと私の気持ちがリンクした瞬間、もうチケットを手配していた。
そう、私はいつも思いつきとタイミングで旅を決めるんだった。



日本からメキシコシティへ、そこからさらにドメスティックフライトで町から一番近くの空港へ降り立ち少しの情報だけを頼りに空港の横にあるというバス停へ向かった。バス停といっても看板も時間表もチケット売り場も存在しないただ空港から大きな道路へ出る歩道橋の下。「ここで大丈夫なのか…?」なんて思いつつ他にバス待ちらしき人たちもいたので横に並んでみる。20分くらい過ぎた後、”SAYULITA ”と書いてあるバスが来た。

どこ行きのバスかの見分け方はバスに書いてある文字を確認するか、バスのドライバーに聞くかのふたつ。窓のガラスもドアも壊れて開きっぱなしのボロボロのローカルバスに乗り込みまだ見ぬ場所へと胸を膨らませる私。



「メキシコはコロナの支配下なんだよ!」なんて笑って話しかけてくれたおじさんの言葉通り、空港の入り口にもコロナバー、道路や町並みの中にもコロナの文字が目に飛び込んできた。



砂埃を巻き上げ、がたごと道を走り抜け人の熱気でサウナ状態になるローカルバスの洗礼を受ける中、到着したら冷たいコロナを一気飲みしようとひたすらそれだけを考えていた。何度かバスがストップし次々と乗り込んでくる人々や降りる人々を見送りながら1時間半くらい。ドライバーが”sayulita!!”と叫んだ。



街も何もない空き地に降ろされ、バスはまた次の場所へと走り去ってしまった。

とりあえずまた人が流れていく方向に一緒に進んでみる。sayulitaでの宿はairbnbで予約したので住所とiphoneでスクショした地図だけを頼りに、炎天下の中歩いているとようやく街らしくなってきた。



焼き付けるような太陽の下、あまり舗装されていない道を大きな荷物を持ち、坂の下たちすくむ私たち…。まさか私たちのステイする家がこんなガタガタの坂道の上にあるだなんて想像もしてなかった。私は汗だくで茫然としていた

その時「何か困ってるの?」と白人カップルに声をかけられた。

「宿がわからなくて困ってるの。たぶんこの坂の上だと思うんだけど」

「僕たちのカートに乗りなよ!」

本当に神様に見えた。そして無事に宿に到着した私は、思わず持っていたマスカットを半ば強引に彼らに渡しお礼を言った。「グラシアス!」あの時はそんな余裕なかったけど2人と一緒に写真を撮ればよかったな…。

宿に着き、汗だくの私たちは早く海へと飛び込もうと荷物を下ろし、すぐさま水着に着替える。部屋を飛び出し歩くこと5分、海が見えた。



海水のなまぬるさに、この土地の日差しの強さを感じた。ビーチにはヤシの木とカラフルに彩られたパラソルやお店が並んでいる。



私は海の中から見る景色が本当に大好きだ。だんだんと太陽が傾いてきたので海から上がり、そのままビーチにあるお店でコロナを買い一気に飲み干す。



「最高!!」それしか言葉が出なかった。早々とコロナのおかわりを頼み、ナチョスを頬張りながらゆっくりビーチを楽しんだ。ぼうっとしながら夕日が落ちていくのを眺めていたら、本当にここまで来たんだ。と胸が高鳴った。

山と海に囲まれたこの小さなサーフタウンは、ここに住んでいる陽気な人たちの「愛」と、アーティスティックな「色」に囲まれる町だった。

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