To Me, Somewhere in the World #115
冬、雪、空腹、食事
Contributed by Yoko
Trip / 2024.02.07
未知なモノすべて知らないことを知りたい、自分に忠実に生きるフリーランスのWebライター・編集者Yokoさん。旅の話をリアルタイムで、時に振り返りながらつづる旅連載。
#115
冬だから雪が降るのか、雪が降るから冬なのか。そんなことは全くもって知らないけれど、あっという間に雪景色になった道が少しだけ溶けてスケートリンクになるのもたった数日。それが今年の長野である。そこそこ寒いけれど、基本的には暖かい。昼になれば雪はほとんど溶けてしまう。
こんな雪でも夜までには半減。長野。
北海道出身だからといって冬が得意なわけでは決してないが、冬ならではの景色が存在するのも確かだと思う。
流氷を突き進むガリンコ号。網走。
たとえば流氷に出会えるのは冬でもタイミング次第。雪ならば、夜のうちに降って朝絶望……パターンなんて雪国ではよくあることだけれど、流氷は別。このときは前の夜までそんなそぶりを見せていなかったのに、朝起きたら駅の端まで流氷で埋め尽くされていて心底びっくりした。あ、でも、北浜駅に到着したのは夜だったから、もしかしたら見えていなかっただけなのかもしれない。
流氷がすぐそばに。何度目かの北浜駅。
北浜駅近く、2部屋だけの小さな宿に泊まった日の客は一人だった。宿主さんがバス停近くまで迎えに来てくれて、そのままリビングでずっと旅の話をしていた。今までの旅のこと、今の暮らしのこと。初対面の人とこんなに心地よく長く話せることがあるなんて、と驚いた冬の夜に。
山寺。山形。
行きたかった山寺に行けたのも冬だった。いくつもの階段や坂道は、気を抜けばつるり。友達と足元に注意しながら進んで、展望台からあたりを見下ろした。
バスツアーで名古屋から。五箇山。
そういえば冬に白川郷と五箇山にも行った。冬道は怖いからとバスツアーを探して、確か名古屋発だった気がする。コロナ前のツアーは大盛況。寒いし、道は滑るし、雪国の洗礼を久しぶりに受けたけれど、ここにしかない夜の景色はなかなか幻想的だった。
丘珠から松本へ。奥の山に雪が。
いつかの春、一度だけ乗った松本へのフライトでは、奥の山に雪がうっすら見えた。山の中に降りていくようなフライトは、丘珠から行けて便利なのだけれど、その後はまったく乗れていない。
尊いプリン。長野。
寒い冬に空腹を空腹として感じられるうちは健康だ。久しぶりに食べただけで幸せと思える甘さを確かめながら、憂鬱な寒さだけれど今しか体感できないこともある冬の良さを思い出した。
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Yoko
長野在住、北海道出身。世界一周予定が新型コロナウイルスの影響で中止に。東京から葉山、長野へと拠点を移しつつ、国内外を自由に旅している。レバンガ北海道(#11)とアイスが好き。フリーランスのWebライター・編集者。