True Feeling in Ireland #27

無関係に進み続ける時間

Contributed by Hasebe

Trip / apr.17.2020

大学生のハセベさんが留学で過ごしたアイルランドの日々を記録した連載「True Feeling in Ireland」。あらゆることになぜを問いかけ、好奇心旺盛に活動する彼女が海外生活の中で、感じ、考えたことを日記形式で綴っていきます。

#27

家に帰るまでのバスの中が暇だから日記を書こうと思う。

インスタでなに気なくフィードを見ていたら、高校時代の先輩のポストを見つけた。部活の憧れの先輩でもあり、わたしも参加した高校の海外研修にも参加していた。大学も似たようなところに進学していて、とにかく条件的には同じなのだ。しかし、彼はその後英語も自力で勉強して、奨学金もとり、学生団体も立ち上げ、1年間自分のメジャーとは違うものを学びに留学していた。

そんな彼の現在の仕事に関するポストを見た時、自分に対する劣等感がどっと湧いてきた。今まで先輩をある種目標にして頑張っていた。どこか英語なんか喋られなくても生きていける、とかバイトが忙しいから勉強は最低限でいいや、とか自分に言い訳していたことを思い出した。今のわたしは語学だけを勉強しにアイルランドに来ている現実を見つめると、情けなくてとにかく自分のあらゆる過去の選択に後悔しきりだった。

学校もクリスマスブレイク前はこれが最後。期末テストが返却されて驚いた。リーディングよりリスニングの方が点数が高かったのだ。多分リーディングでは早とちりしていたんだと思う。こうして点を失っていくんだ、受験と同じ。

放課後、市街地で中華をひとり頬張り、労働者ナンバーであるPPSを取りにオフィスへ。予想外にバスが遅くて、バイトに遅れ、十分に理由も説明できてなかったにも関わらず、誰にも責められなくて、もはやみんなにどう思われているのか不安になった。これだったらいっそ怒られる方がマシ。そんなバイトにはAndrewという新入りが。若いけどフルタイムで働くらしく、聞くと大学卒業して、アジアあたりをぐるっと旅行するお金をためるために働くのだとか。「いいねえ、Theギャップイヤーですね」みなぎる自信と、よく知らないけどなんとなく仕事ができそうな雰囲気が非常に頼もしかった。

家に帰るとホストブラザーのDavid、Andrew兄弟が2人で飲んでいた。一人っ子にはわからない、この兄弟タイム。非常に羨ましい限りだったが、邪魔しないように静かに2階に上がった。

次の日、パッキング中そろそろ家を出る時間なのに、まず洗濯しないといけないことに気づき、あたふた。バイトの時間は無関係に迫ってくるので、諦めてそのまま家を出た。スタバでBobbyに話しかけられたけどあんまりうまく返せなくて、ちょっと気分が落ちていたところに、友達のKateとJake、Maxが突然やってきて、レジでボケーっとしてたわたしには青天の霹靂。さっきまで近くのマックにいたらしい。嬉しい来客に働くモチベーションが向上。


冬休みの予定の写真

そして、ついに家を出た。ニューファミリーのお家まではDavidに送ってもらった。あの家を出ていくのは冬休みの間だけでよかったけど、なんとなく寂しかった。ニューファミリーは長年日本人を受け入れているらしく、日本人が持ってきたお土産で溢れていた。ファミリー全体としてもあったかくて、特に長男のBenが家に結構いて、その間ずっと話し相手をしてくれて「なんて優しいんだ!」って感動しっぱなし。でもやっぱり知らない家族の中に突然入っていくのは、自分でもとてつもなく気まずく感じてしまって、部屋に閉じこもりがちになってしまった。これがすべての過ちの始まりだった。









そういえば通称IMMAの現代美術館についに行った。Huston stationの先にあって、だいぶ距離があるから行くのを躊躇していた。展示自体は興味深かった。ただ工業地帯を抜けて、どんよりした天気の中で、灰色の塊のような建物目掛けて1人で坂道を登るのは、気分があまり晴れないものであった。


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