Let's Kiwi time! #10
ケリケリの好きなとこ
Contributed by HARU and ASKA
Trip / 2023.12.21
#10
ケリケリからパイヒアへ引っ越すことになった。
いざ引っ越すとなると少しさみしいな。
ネットで調べてみるとケリケリの人口は約8000人弱らしい。
ここで生活をしていると、日本では当たり前だった娯楽への欲がなくなってくる。
ここでの楽しみといえば、毎週末行われていたマーケットだ。
小さな郵便局の横の駐車場が会場になる。
まず目に飛び込んできたのがコーヒースタンド。バンの荷台にマシンが積まれていて、2人でレジとマシンを入れ替わりながら手際よくコーヒーが提供されていく。
何度か通い、オーナーらしき男性に話しかけたこともある。
私たちも自分の店を持つことが夢なんです! このバンとってもクールですね!! みたいなことを伝えた気がする。
すると彼は
「その夢を持ち続けて。そうしたら必ず叶うからね」
と言ってくれた。
お願いをすると、電源や排水がどのような仕組みになっているのか、どうやってマシンをしまうのかまで見せてくれた。
私たちでもすぐに始められそうなくらいの、とてもシンプルなつくり。
テーブルは分解して、バンの後ろに収められるようになっていた。
アイデアと工夫、2人の雰囲気、そしてなによりもコーヒーを楽しみにするお客さんの姿にわくわくした。
今は私たちの将来のお店の形がどうなるかわからないけど、こういう形も最高だね! とアイデアが湧いてきた。帰国してから、バンで旅をしながらコーヒー屋をする? それとも……
ASKAとコーヒーを飲んで、にやにやしながら妄想を膨らませる。
くぅ〜。
朝日を浴びながらの目覚めのコーヒーは最高だ。ベーカリーも出店していたからクロワッサンも調達完了。昨日の夜から楽しみにしてたんだ!
ちなみに、ここのベーカリーのおばさんとはついこの前スーパーでばったり会った。その時に、「また今週末のマーケットでね」と声をかけてくれた。
つい数週間前に初めてこの街に来たのに、もう地元のような温かさに包まれている。ケリケリは人の温かさに触れられる街だ。
目の前にいたファミリーの子供たちは、裸足で走り回りながら生のブロッコリーをおやつ代わりにかじっていた。そんな光景に思わず笑みがこぼれる。
これはまた別の日。同じコーヒースタンドへ行くと、小さな男の子がお手伝いをしていて私たちのコーヒーを注いでくれた。
周りの大人たちの声かけや心配なんてものともせず、クールな表情でラテアートをこなす。お客さんたちもニコニコしながら黙って見守る。
小さな頃から親の仕事を見て育ってきたんだろうなぁ。
そして腹ごしらえを終えた後は、野菜の調達だ。
ケリケリは果樹園や農園で有名。
中でも私たちのお気に入りはアボカド。
熟れていてすぐ食べられるものは$2で、1週間後に食べられるものは$1だ。
ここも二週連続で顔を出したら、おじさんが覚えてくれていてくれた。小さいから覚えてるよ、だって!(笑)
これからアボカドを見るたびに、このおじさんを思い出すはず。
とってもチャーミングなおじさん。
直接、農家の人たちや製造者の人たちと話ができるのもマーケットの好きなところ。
野菜の他にも、蜂蜜、オリーブオイル、チーズなんかも売られていた。
この日はたまたまナショナルファーマーズマーケットウィークで、会場の真ん中に小さなテーブルが用意されていた。
「あなたのローカルマーケットの好きなところは?」
電話番号とその答えを書いて投票すると、お得な商品が入ったバッグが当たるらしい。
なんのこっちゃわからないが書いてみた。
"All ages people and animals enjoy this market"
伝わるかな? 言いたいこと(笑)。
老若男女、犬や鳥たちも楽しんでるように見えたから。
ASKAは何を書いたのかこの時は教えてくれなかったけど
しばらくして聞いてみた。
ASKAが書いたのは「ここに来るたびにhappierになるよ、ホームみたいに迎え入れてくれてありがとう」だって。
つづく。
HARU
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HARU and ASKA
うちなんちゅと関西人、時間の流れの違う世界で生まれ育った2人。英語を学び、旅に出た、コーヒーを通していろんな人生と出会った、そしてまた旅に出た。異なるふたりの、ひとつひとつの共通点が一つの線になっていく軌跡を書き連ねる。