True Feeling in Ireland #32

雲一つないのに影のあるチェコ旅

Contributed by Hasebe

Trip / jul.27.2020

大学生のハセベさんが留学で過ごしたアイルランドの日々を記録した連載「True Feeling in Ireland」。あらゆることになぜを問いかけ、好奇心旺盛に活動する彼女が海外生活の中で、感じ、考えたことを日記形式で綴っていきます。

#32

冬休みは終わっても、旅は続く。今度はプラハにやってきた。

冬休みに友達の母国巡りを敢行しなければ、東欧諸国を点々とする予定だった。だから休みが終わっても、チェコだけは行きたかった。なぜかは自分でもわからない、ただずっと行ってみたかった。

授業が終わってフライトに飛び乗り、まずは橋から城を眺める。一人で来て、誰とも感動を分かち合えないし、とにかく凍えるほど寒かったけれど、これがずっと見たかった景色だって納得した。そしてここで、私は城を遠巻きに見るのが好きなことに初めて気づいた。


川と城の夜景

「郷に入っては郷に従え」ポリシーで、早速地元系レストランを探す。旧市街は観光ナイズされていて全然気が進まないけど、メニューは写真付きだから、チェコ独特のご飯とはなにかをここで予習。そしたら、おじさんはなんとなく日本人だとわかったらしく、日本語で話しかけられた。大概の国は中国人観光客が多くて、わたしも日本人と認識されないことが多い。しかし、ここでは中国人をも圧倒する、韓国人の多さ!(後日韓国人の友達に聞いても謎のままだった)


茶色いものしかないワンプレートディッシュ

そんなこんなでありついた、お食事。番台で貫禄をにじませるおばちゃんに、「あと30分で閉店だけど」と言われ、働く身でもあるわたしとしては「閉店間際のお客って迷惑だよな」と同情しつつも、今日は例外! と勢いよく入店。これがローカルの味か! と感動しながら、塩気の強い肉まんの皮みたいなものを噛みしめた。

翌日は、café SAVOYの高級モーニングから始める。ラテを頼んだら、お口直しのお水もついてくるファンシーさ。今までホストブラザーたちの攻めたタトゥーしか見てこなかったこともあり、ここのトイレで、サクランボモチーフの広告を見た時、タトゥーへの好感度が急上昇した。





ケーブルカー待ちの行列がとてつもなく長く、チェコの硬貨を持ってなかったこともあり、自力で展望台まで歩いた。見通しが効くので、物騒な感じは終始しなかったけれど、それでも人とすれ違うたびに安堵感を抱いたビビリなわたし。苦労して展望台までたどり着いたのに、結局ここでも現地通貨だけしか通用せず、ユーロという言葉を出したら最後、カウンターのおばちゃんに冷徹にもチェコ語で追い払われた。静かに逆ギレしたわたしは、近くにATMがあったにも関わらず、展望台には登らずにそのまま下山した。振り返って考えてみると、日本のスタバでドルを出してきたら、常識で「使えないのわかるだろー!」とキレたくなる気持ちが理解できる。自分の傲慢な態度に反省。



本日のメイン、お城エリアに突入。“エリア”と呼ぶのは結局どこからどこまでが城かわからないから。イタリア滞在の反省を踏まえ、とにかく1つの場所に長居しないことを心がける。正直なところ、お城エリアの中に入っても昨日ほどワクワクせず、結局あの遠くから見る景色が好きだったんだなと気づいた。だから結構早めに退散して、カフカミュージアムへ。



カフカの本は「変身」しか知らなかった。あれはほんとに気持ち悪い本だった。でもちょっと興味があって訪れた。彼は弁護士だったらしい。本当は作家になりたかったけど、嫌々やっていたと聞いて、自分と重なる点を感じた。それ以来ビッグファン。これからもネガティブな彼の本を読んでいきたい。







そのあとは、どの国でもお決まりの装飾美術館と現代美術館に行って、夜までぶらぶら。ふとカフカゆかりの地巡りをしようと思い立ち、執筆をしていた場所に行くと、インターコンチのホテルになっていた。ノスタルジーのかけらもない。



初日の夜も立ち寄った、時計台。上に登ってみたい欲に駆られ、チケットを買う。本当に小さな展望スペースだったが、風情ある旧市街をまるっと眺められる素敵な空間だった。

最後はCafé LOVREでシメのコーヒー。旅行中ずっとメッセージのやり取りしていて、なんとなく一人じゃない気分だったけど、それはただのメッセージであって、現実は一人って気づいた時、なんとなく寂しさを感じた、そんな旅だった。









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