
GET BACK YOUR "RAW" ! #3
私は、アレックス
Contributed by ERI
Trip / 2020.08.21
#3
こんにちは!
相変わらず暑いですね。平気で気温35度超えてくるのは少し心配。
楽しい夏のはずが、熱中症対策、コロナ対策と、あれこれあるけど、無理せずに最高の夏を楽しめたらいいな。
さあ#3始めます!
日本で出会ったもう一人のLAのローカルの話をしていきますね。
今回はちょっと真面目です。

私には、絵の先生がいない。
正確に言うと、美大や絵画教室などに通ったことのない、本物の素人だ。
これはコンプレックスでもあった。
絵を始めたばかりの時の私は、アートという概念に囚われすぎて、アートをルール化しようとしていた。
「だって美術の学校があるくらいなんだから、基礎のルールがあるはずだし、それに沿っていかないとコテンパンに言われるに違いない…」
こんな悩みを慢性的に抱えていた、マイケルと出会った同じ月の12月。
突然、私の師匠になる人物が現れた。
場所は、職場。
私はアーティスト活動の傍ら、バリスタとしても働いている。
その職場はオフィス内に設置されている、社員専用カフェだ。
毎朝焼き立てパンをピックアップしてエスプレッソの味を調整して…。
社員たちの出勤前の朝のコーヒータイムを支えている。
社員たちとのコミュニケーションも多いのがこのカフェの特徴であり、いいところだ。
私が絵を描いていることに興味を持ってくれて、あるアートイベントへ招待してくれた。
イベントの名前は、”END ALS”。
ALS(筋萎縮性側索硬化症)と言う治療法の確立されていない難病を支援する団体が主催のイベントだ。(社内に団体がある)
内容は実際にALSを患っている社員をモデルにデッサンを描くと言う内容だった。
イベント当日、主催の社員さんや一般の方で賑わっていた。
「Good morning~~~~~~~~~~~~~~~~」
このリラックスした陽気な声は、毎朝カフェに来てくれるアレックスだ。
「ERIも絵を描くの? 知らなかったよ! 今日はとても楽しみにしているよ」
どうやら私のアーティスト活動は知らなかったらしい。
イベントが開始された時、私は少し悩んでいた。
難病と言われ、身体がだんだんと言うことを聞かなくなってくる症状をどのように絵で伝えるのだろう。
なにも知らない人にしてみたら、正直重いと感じてしまうテーマだし。
私は悩んだ結果、モデルさんの時代背景を織り交ぜたポスター調のテイストで行くことにした。(ページの最後に貼ってあります↓)
アレックスの作品はと言うと…凄かった。
木炭一本で、モデルさんの感情や時空の歪みから、ALSを患う前と後を比べてしまう心の叫び、そして病に打ち勝ちたいという強い意志まで描く。たったの一枚の作品から私はすべてを感じ取った。
後日、私は朝の社内カフェでアレックスと話していた。
「ERIはいつから描き始めたの?
どんな絵を描いてるかもっと見せてよ!
いいね! まるでアメリカのポスターみたいな絵だねえ!」
こんな素人の私のこともしっかり評価してくれた。
嬉しくて、今の悩みやLAに憧れている話をした。
初めてこんな赤裸々に自分のアートについて話した気がする。
その時のアレックスはポジティブなことを沢山言ってくれたし、教えてくれた。
この時は。
私は少し調子に乗った。
翌年の始め、アレックスは仕事の関係でLAに帰国した。
12月にすでにLA行きのチケットを取っていた私は、LAに行くことを彼に伝えた。
「初めてのLAなら、一緒に美術館をまわろう! そしてその後は地元でランチをしてから一緒にスタジオで絵を描こうか!」
自宅スタジオ…?!
確かアレックスの自宅って凄かったイメージが…!
私のテンションはMAXに。
なんてったって夢のアメリカのプライベートスタジオで絵を描けるんだから!
彼からのお誘いにありがたく乗らせていただくことにして、約1週間のLA旅のスケジュールが埋まってきた。
この時点ではまだ彼が「師匠」になるという感覚にはなっていない。
後日、現地LAで学び、新しいことから刺激を受けさせる彼の指導の話はまた後日。
彼の指導によって人生が変わることは、その時の私はまだ知らない。
そろそろLAに行く話が始まりそう。
(お待たせしました)
来週からまたテンションアゲアゲで行くぜ。
END ALS : @end.als
ALEX : @amlart


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ERI
藤沢生まれ、横浜育ち。物心ついた頃には、絵の具で遊んでいた。アーティスト活動のため脱サラ。モノにあふれる現代に疑問を持ち、着飾らない自然体でいるスタイルの美しさを表現している。好きなものは、サーフィンとみかん。












































































