怒涛のインド旅、またねインド

Travelling is my Life #8

怒涛のインド旅、またねインド

Contributed by Asuka Naka

Trip / 2023.07.05

『とにかく旅をするのが好き!』高校生の時に初めて訪れたインドがトラベラーへのきっかけだった。多くの国を旅する好奇心旺盛な彼女だからこそ感じる面白さと発見。出会いと出来事を振り返りながら綴るAsuka Nakaさんの旅日記。

#8


インド最終日の朝、旅メンバーとお別れをして、トゥクトゥクに乗ってジャイサルメールの空港へ向かった。そこはとても小さい空港で、食べるものを買うお店すらもなかった。

お腹を空かせたまま小さな飛行機に乗って、経由地のデリーへ向かう。デリーでは国際線ターミナルに移動しなければならず、迷いながらもなんとかトゥクトゥクでターミナルを移動し、出発ゲートへ向かった。朝から何も食べていなかったので売店で何か買おうとすると、カードは受け付けておらず、現金で払うしかなかった。しかし、インドルピーはほぼ使い切っており100円にも満たない分の現金しか持っていなかった。なんとか買えたのは賞味期限切れのスナック。湿気っていたが、体力を持たせるためにも食べなければと、それで辛抱した。



大好きなタイへ行けることにとてもわくわくするとともに、1週間四六時中一緒だった旅仲間と別れて1人旅となると少し寂しく思えた。いざタイに着くと空港には見慣れたタピオカなども売っており、テンションが上がった。タイでは2泊のみする予定で、日本人トラベラーに人気の日本人宿に初めて泊まった。やはり、東南アジアや南アジアにいる日本人は変わっていてとても面白い。私と感性が合う気がする。そこでやはり、「あぁ自分には東南アジアが合うな」と確信した。タイでの滞在中は1人でタイマッサージに行って痛すぎて泣き叫んだり、観光して回ったり、タイ料理を食べたりなど、とても充実していたが何だか満たされなかった。





インドでガイドをしてくれたユキンコが言っていたことを思い出した。旅はどこへ行くかではなく誰に出逢うか。現在十数カ国旅をした上でその言葉の意味がやっとわかってきた。景色や建物などに観光目的でその場所へ行っても、数年後思い出すのはその場で出逢った人たちとの思い出やハプニングなどで、場所自体はその人たちと出逢うための条件だったと言える。旅を通して、また同じ場所にいたら一緒にご飯へ行ったり、出掛けたいと思える旅友が出来た。





タイ最終日は夜の便でバンコクから東京に向かい、次の日に行われる高校の卒業式に行く予定だった。宿で出逢った旅友と夜ご飯を食べて宿に戻ると、どうやら飛行機がコロナの影響でキャンセル続きだという。どうしても明日までには帰らなくてはと大慌てで、まだキャンセルになっていない飛行機を取り、帰国した。朝方に東京に着き、家に帰って支度をしてそのまま卒業式へ。最後までハプニング続きの楽しい旅でした。

たくさんの刺激を受けたインド旅を経て、もう一つ私が学んだ新しい価値観をシェアしたい。ジャイサルメールで泊まった宿のスタッフが旅仲間の“夢は何か?”という質問に対して、“夢などない”と答えた。夢は今に満足していない人が見るものであり、自分は今の人生に満足している、強いていうならば日本に行きたいなと彼は言った。小さい頃から生きていく上で常に将来は何になりたいか、夢は何かと問われてきた私は彼の発言にショックを受けたとともに、今を生きる大切さを教わった。いつかこうなりたいと理想を描くのも大切だが、今したいことをすることも同等に大切であると今私が思えるのは彼の発言のおかげだろう。







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