No Sleep Ever #7
Can’t stop entertaining me(vol.1)
Contributed by Chika Hasebe
Trip / 2022.10.21
目標に向かって、自ら道を開拓し続ける会社員・Chika Hasebeさんが、眠れない街NYへ旅に出た。誰よりも好奇心に従順な彼女だからこそ感じる、NYでの新しい発見と、心揺らすできごと。
#7
エンターテイメントが溢れる、眠らない街。昼も夜も遊び尽くせる。
1. テーマパーク
海外の遊園地って日本と違った怖さがあると思う。それはなにか。間違いなく、安全性に身の危険を感じることだ。シートベルトはゆるゆる、固定される位置はそこだけ!? と疑うほど低い位置、しっかり固定されておらず身体が尋常じゃないほど振り回されるなどなど。富士急ハイランドやナガシマスパーランドなど、「キャー!!!」という絶叫度は果てしなく日本の方が高いだろうが、それは海を越えると「落ちるーー!!!」に変わる。
今回トライしたのはBrooklynの南にあるLuna Park。地下鉄の終点になっているConey Islandという地区にあり、遊園地の隣にはビーチもある。横浜のコスモワールドよりちょっと大きいくらいの規模感だが、なかなかポップで映画のセットの中にいる雰囲気が満載だ。
「NYのSanta Monicaや〜」と興奮する一行。
アトラクションの乗り放題チケット「Extraordinary Wristband」は、値段もかなりExtraordinaryで、なんと$60(当時約8000円)。街の普通の遊園地にも関わらず、近頃値上げが止まらない日本のディズニーランドと同じ水準という強気ぶり。物価が高いNY、どこまでも日本の値段と比較するのは馬鹿馬鹿しくなってくる。
ペットフレンドリーな遊園地、至る所でわんこ発見。
鷲に見立てたアトラクションでは上半身のみ支えられた状態で宙ぶらりんにされ、ホースレースがテーマの乗り物では、お腹をキツめに抑えられただけの状態で急発進。「おいおいそれでいいのか」という状態ですぐ走り出してしまうのがお決まりだ。
その中でもダントツで恐怖を感じたのが、木造のジェットコースター。造りは普通のコースターと変わらないと余裕ぶっていたら、開始早々一発目で落下防止バーの無力さに気づく。小柄な日本人3人組、コースターの乗り込み口の隙間から落ちそうなほど左右にブンブン振られてヒヤヒヤ。でも終わった後には癖になっていて、そのままお代わりの2回目に直行していた。
例の木造ジェットコースター。
2. ブロードウェイ
友人2人はミュージカルが好きなので、絶対観たいと言っていたブロードウェイ。私たちは基本、その場の気分による行動が多めだが、これだけはちゃんと予約した。平日でも公演2週間前の時点で残りの席数は少なめ。ブロードウェイの安定感と観光のback to normalを感じた。
彼ら、好きな割には見る演目にこだわりがないようで、なんとなくセットが豪華そうという理由で選んだのは『Moulin Rouge!』。わたしは、パリのモンマルトルで観たキャバレーの外観との再会に期待をしていた。
当日、入り口付近にはちょっとよそ行きの装いの人々がぞろぞろ。わたしたちも気持ち整えた格好で挑む。入ると広がる赤の世界に圧倒された。
公演開始直後から始まった誰もが知っているポップスのカバー。キャバレーの当時のゴージャスな雰囲気のキャストが最近の流行りの曲にアレンジを利かせている姿は、まさにカルチャーの融合。言語が分からなくても楽しめるので、3人共大満足だった。
雰囲気だけ味わえれば満足だろうと今回末席を選んだが、前方のテーブル席の人々を眺めて「いつかあそこに座れたらいいよね」と話す3人。特別なお金持ちになる必要はないが、やりたいことに迷わずお金が出せるほどの余裕は持ちたいと改めて感じた瞬間だった。
つづく
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Chika Hasebe
1998年生まれ。2023年5月よりロンドンに拠点を移し、報道記者の仕事に従事する一方、フリーライターとしてカルチャーについて発信もしている。