To Me, Somewhere in the World #101
根を下ろす強み、下ろさない強み
Contributed by Yoko
Trip / 2023.11.01
未知なモノすべて知らないことを知りたい、自分に忠実に生きるフリーランスのWebライター・編集者Yokoさん。旅の話をリアルタイムで、時に振り返りながらつづる旅連載。
#101
確固たる理由があるわけでもなく、長野に住民票を映して3年目の秋。もう何度聞かれたかわからないが、そのたびに適当に適当なことを言っている。
さてコロナ禍だったということもあり、長野を問わず、息をする場所全てでオフラインでのイベントが少なかった昨今。3年目にして初めてそういう同業者の交流イベントに参加してみた。
交流会にアルコール、という学び。
SNSではつながっていたり、つながっていなくとも知り合いの知り合いだったり、もはや何のつながりもなくとも生活圏が近かったり。もう出会っていたと言えなくもない気もするけれど、顔を見合わせて離すのは初めての人たちばかりの会。「はじめまして」と言い合いながら、どこか俯瞰で点が線になっていくのを見るのは面白かった。
短い秋を楽しまなければ。
進学を機に地方から上京し、もがきながらも関東で10年過ごした。その頃はそこにいることへの悩みは全くなかったというか、疑問はなかった。どんどん中心へ向かっていくような、向かって行きたいような気持ちでいたから。でも、いつもどんな時もモラトリアムよろしく「これでいいのかなワタシ」な疑問は消えなかった。それでも住んでいる場所、土地を省みるような疑問はなくて、それだけでも幸せだったなと今では思うことがある。
イチゴらしさの薄いビール。
長野に住所を移したけれど、年の半分か、多い時は3分の2は長野にいない生活。そんな生活の中で、土地に根を下ろすような活動はあえてしてこなかった。いつ出ていくか決めていないこともある。でもいつかしなければとも思っていた。避けているだけのように感じていたから。でも冒頭の交流会で「あえて(意志をもって)そうしている、そうすることが自分の強みだと思うから」という話をしてもらって、何だか目からウロコが落ちた。
店主は現在海外探検中、ピセ。
いつ何時でも延期しているだけのような、距離を置いているような、そんな状況を弱いと思っていたけれど、それも良さに昇華できるのかと。強みと言ってもいいのか。それならと、相も変わらず、肯定しながら公転しながら日々を過ごしていこうと思った。
長野で10年パスポートを更新。
すぐに冬が来る。3年目、雪深くありませんように。
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Yoko
長野在住、北海道出身。世界一周予定が新型コロナウイルスの影響で中止に。東京から葉山、長野へと拠点を移しつつ、国内外を自由に旅している。レバンガ北海道(#11)とアイスが好き。フリーランスのWebライター・編集者。