サファリ

unusual #7

サファリ

Contributed by YUKA

Trip / 2020.02.28

東京で暮らす日々の中で、心に少しでもゆとりをもって生活できるように、刺激を求めて世界各国を旅してきたYUKAさん。“非日常生活での経験は、わたしの暮らしへのスパイス”と語る彼女が旅の中で見て、知って、感じたことをフィルムカメラで撮りためた写真とともにお送りします。


#7

Arugam Bayで宿泊していた Little Lagooon Hostelの朝は、朝食から始まる。

Hostelの真ん中にある大きなテーブルを囲んで宿泊中のゲストみんなで食べるのだ。

現地のお母さんが毎朝朝食を作りに来てくれるので毎朝少し違ったメニュー。

ココナッツを削って焼いてくれたココナッツパンケーキが特に美味しかった。



「コーヒーとってくれる?」「バナナ食べる?」

そんな他愛のない会話がなんとも家族っぽくて

今日の波はどうかから始まり、世界各国の教育に関しての話まで。

アジア人はわたし一人だったので、日本を代表しているようなそんな気分だった。

記憶に残る素敵なHostel。

***

さすがに野生の象には会いに行かないと会えないみたいで、仲良くなったゲストとKumana国立公園を回るサファリツアーに参加してみることにした。

ツアーは朝と夕方の二部制で、動物たちが行動する時間を狙っているそう。

参加者は6~7人、二階建てのジープで出発した。

国立公園内では野生のワニや見たこともないような鳥に水牛が暮らしていた。

もちろん野生の像にもしっかり会えた。動物園以外で象に会うなんて初めての経験で少し感動。

それとともに少し怖かった。車に乗っていても象に襲われたらひとたまりもない。

どうか刺激せずにそおっと進んでねドライバーさん。



国立公園内の樹は今までに見たことないようなものが多かった。

まるで盆栽の中にいるような、アートを見ているような感覚だった。

ものすごく大きな樹というよりは、一本一本がイキイキとしていて個性が強い印象。

飛行機の窓からのぞいたほとんどが緑色の島の中にいるんだなと改めて実感した。

***

帰り道、車から聞いたこともないようなものすごい音が鳴り始めた。誰がどう聞いてもどこか不良な部分があるとわかるくらいの不快音。

辺りがだんだん暗くなるにつれて、動物たちも活発に動きだす。

車のフロントライトで照らす前方を動物たちが横切って行く。

ここで車が止まったら、かなりまずいことになりそうな予感…。

車内には不穏な空気がぎゅっと蔓延していて。きっと乗客全員が無事に帰れることだけを祈っていた。

結局ものすごい音を鳴らし続けて、無事に街まで戻ってこれたのだけど、すごく不安だったのでこのくだりは話さずにはいられない。


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