Greenfields I'm in love #4

トーストとブラックティー

Contributed by Aya Ueno

Trip / may.01.2020

直感を信じ、ドキドキするものに向かって走り続ける神戸出身の大学生、Aya Uenoさんの連載「Greenfields I'm in love」。自分探しも兼ねたロンドンでの留学生活で、自分の目で見て、肌で感じたありのままの日々の記録をお届けします。

#4

イタリアからロンドンへの入国審査を済ませ、カフェで待っていると程なくして、学校から派遣された優しそうな顔のタクシードライバーのおじさんがページングボードと共に現れた。


イタリアからの航空券。

彼がすごく気さくな人で、すぐ仲良くなった。
どの国や地域にもあるけど、イギリス英語には他の英語圏では使われない特有の言葉がたくさんあって面白い。(例えば、市内を走るバスはbusというけど、長距離バスはcoachというように) そんな言葉の違いもたくさん教えてくれた。少し不安になっていた私に「絶対大丈夫! これから先を楽しんでる君を想像出来る」とたくさん励ましてくれた。

途切れる事なくおしゃべりしていたら、あっという間に市内に入り、窓から見える景色はロンドンの住宅街へと変わっていった。高校生の時、友達も巻き込んでハマっていたイギリスのドラマ、スキンズで見ていたような家々が並ぶ。「ついにロンドンに来たんだ」と実感した。

やがて車が止まった。イギリスらしい赤褐色のレンガ造りの家の前で。
番地のタイルをみると25、わたしの誕生日だった。今日からここに住むんだ!

私の心はときめいていた。根拠のない自信も戻ってきて、ワクワクで胸がいっぱいになった。イギリスでの最初の先生だったあのタクシーの運転手さんのおかげだ。別れるのが惜しかった。

運転手さんがトランクを担いで先に家の中に入り、なにやらホストの人たちと話している。私もあいさつしようと向かう。
 
私のホストファミリーは、おばあちゃんとおじいちゃんの老夫婦。2人が笑顔で出迎え、ハグしてくれた。名前はサラとヤン。かなり年配で、もう何十年も生徒を受け入れているらしい。私は滞在期間が長かったので、1番大きな部屋を用意してくれていた。二階に上がってすぐの、白が基調の綺麗で素敵な部屋だ。窓からは庭が一望できる。大きな机、可愛い椅子、大きなトランクもすっぽり収納できる大きいクローゼットに、本が沢山並んだ棚、それにベットが二つもあってすごく心地よい。嬉しくなって、ひと息つく間もなく荷ほどきを終わらせた。

ほどなくしてノックの音が。ドアを開けると、ホームメイトが立っていた。名前はナタリー、メキシコ人だ。彼女は英語がとても上手だった。1ヶ月だけ滞在するという。

荷ほどきも終わってひと段落すると、そうだ今日は私の友達のいさおもロンドンについたんだった、と思い出した。ちょうど電話が鳴って、しばらくテレビ電話をする。いさおとはアルバイト先で出会ったけど、地元も大学も同じで、ずっと仲良しだ。お互い楽しいことたくさんしようと話をした。この町にいさおがいて嬉しい。彼と話していると不思議となんでも出来そうな気持ちになれる。

シャワーを浴びながら、今日からしばらくお風呂につかれないんだと思った。日本を出発する前の日、そんな私に母がsavonのバスボブを用意してくれていたな。帰るまえに会いにきてくれたらいいのに。その時までにロンドンを案内できるようになっていたい。

明日は4/1で、朝からさっそく学校だけど、その前に私は携帯のSIMや地下鉄の定期を買わなきゃいけない。バタバタしたくないから、5時にアラームを設定して、その日は早めに眠りについた。
 
朝ごはんは、パンか、机の上にある何種類ものシリアル。あと冷蔵庫が二つあり、ステイしている生徒用の方の中にあるものはなんでも食べていい(といってもそんなにたいしたものはない)。高校生の時の留学先で、おなかが空くたびに寮のキッチンで薄いパンにヌテラを塗って食べていたのを思い出した。(ヌテラって本当に中毒性がある。そのせいで後々大変なことになるのだ) イギリスはもっぱらパン文化。こっちの食パンは薄くてあっさりしていて、何枚も食べたくなる。ちなみに、食パンってイギリスが発祥らしい。


はじめての朝ごはん。

ロンドンの4月はまだまだとても寒いのに、朝から極寒の庭でくつろいでいる人がいた。中国人のピーターだ。2人目のホームメイトで、実は彼は昨日私の後に到着していたのだけど、昨日は話すタイミングがなかった。優しい30代前半の男性だった。彼は二週間しかいないらしい。私はゆっくり朝ごはんを食べ、紅茶を飲んだ。途中でナタリーが降りてきて、生のパンにたっぷりバターを塗って食べ出した。わたしは生のパンは食べない。ナタリーは「トーストするのがめんどくさいの」と言って笑った。それより、イギリスのバターに感動しているらしい。なんの変哲もないバターなのに、ひどく気に入ってるらしく、確かにものすごいベタベタ塗りたくっている。「ニキビがたくさんできた」といってけらけら笑う。

今日は初日だからサラが駅まで送ってくれるという。ナタリーとピーターに挟まれ、車に乗った。車から見える二階建ての赤いバス。バスって難しいから苦手だけどこのバスは別だ。バスの二階からロンドンの景色を眺めながら街を巡ったら楽しいだろうな。
そういえば隣にいるナタリーは、よくみたら体の節々に小さなタトゥーが入っている。今日の夜ご飯の時、タトゥーの話を聞いてみよう。そんなことを考えながら、駅へ。

学校、たのしみだな。

つづく。


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