As I Like It #34
ママとの2人旅〜London編〜
Contributed by Utano Katayama
Trip / 2024.11.18
#34
旅に出る準備に取りかかる。イギリスへやって来て、ついに待ちわびていた日がやって来たんだ。念願のママとの2人旅が始まる。
私はスーツケースに数日間の荷物と、高ぶるときめきを一緒に詰め込んで、アニータに家を留守にすることを伝えた。「お母さんによろしくね。思いきり楽しんでくるのよ」と玄関まで送り出してくれた。
ママはヨーロッパにひとりで来るのが初めてだったから心配していたけれど、慣れない英語を駆使して無事に到着したみたい。
バスに乗って事前に決めていた集合場所まで向かう
ママと再会した瞬間ははっきりと覚えている。ずっと会っていなかったような、でもあまり久しぶりでもないような……。顔を見た瞬間、ただ嬉しくて、ホッとした。その日はもう夜だったから、有り余る話の序盤だけ話して、翌日の朝活に備えることにした。
ロンドン1日目。
前から気になっていたLondon中心部、REGENCY CAFEへ
入り口までずっと続く注文待ちの列
いかにも常連っぽい男性の後ろに並んで注文するものを考える。ちゃんとオーダーできるかドキドキ。
このお店の看板娘(おばさん)のとても大きな声が店中にこだましていて、その独特の雰囲気が何ともイギリスらしく、ここの伝統さえ感じた。お客を次々とスマートに捌いていくから、回転率も物凄い。
これぞまさにEnglish Breakfast!(超ボリューミー)
後々お母さんにLondonはどうだったか聞くと、このお店がいかにもイギリスに来た! という感じで、旅の中でも最も印象的だったらしい。レトロな雰囲気もすごく好き。
お腹いっぱい英国の朝食を堪能した後は、London National Galleryへアートに触れに行く。
広い美術館の中を歩いていると、「あ、知ってる!」という作品に度々遭遇する
鑑賞をしている中で、ひとつあっけに取られたことがあった。
小学生くらいの子供たちが美術の課外授業なのか、ゴッホのひまわりの絵の前でデッサンをしていたのだ。この歳から本物に触れる経験をしているこの子たちはなんて贅沢なんだろう……。入場も無料だし、近所の学校は普通の授業でも気軽に来られるのかもしれないロンドンがアートの分野で一目置かれるのは、子供たちが小さな頃から美術に身近な環境があるからこそなのかも。
人気のレストランに空きがあったので早速向かってみることに。ママが来るからと、ここぞとばかりに目をつけていたところがあったんだ。
Gloriaという名のイタリアンレストラン
まるで異世界にやって来たような、うっとりするほど素敵なインテリアたち
乾杯。グラス(陶器?)に入ったカクテルが何とも言えないかわいいムードを醸し出していた
親子2人でこうしてロンドンのお洒落なレストランに居るのが不思議で、(薄暗い空間だというのも相まって)なんだか夢を見ているみたいだった。
おいしい料理と甘酸っぱいカクテルを飲み干したあとは、夜のロンドンの始まり。
タワーブリッジを横目にテムズ川沿いを散歩したり、ヨーロッパっぽいフォトブースを見つけたり。
もちろん、ノリノリでピースして写真を撮る
白黒で出てきた4枚の写真はレトロで可愛くて、とっても良い思い出。またずっとずっと時が経ってから見返したいな。
ノッティングヒルにあるThe Churchill Arms
すごく古い歴史のあるパブでビールを飲む。イギリスに来たからにはパブに行かなきゃね!
隣の会話が全部聞こえるほど、テーブルが所狭しと並んでいる。隣の席のおじさんたちのマシンガントークも全く収集がつかなさそうだ。仕事終わりのような人たちもいて、地元民も含めみんなのオアシスのような場所になっていた。
周りのトーク熱が冷めやらぬうちに、私たちの方が先に店を出て、ホテルへと向かう。ほろ酔いのまま、気持ちのいい夜風に吹かれて、最高の1日の締めくくり。
ロンドン2日目。
今日は朝からバッキンガム宮殿へ。毎日行われる衛兵交代式の時間に合わせて門の前に張りついた。
足並みから手先まで、一つ一つの動作がピッタリ動く光景は感動もの。すぐ目の前を通る馬たちや、空まで鳴り響くトランペットの音の迫力も凄い。英国の伝統的な威厳を間近で見られる貴重な機会である。
ママが楽しみにしていたものの一つ、赤色のロンドンバスに揺られることも叶った。地下鉄で行けるところをあえてバスで行ってみる。2階からはロンドンの建物、動く人々が見渡せて、ずっと外を眺めていたくなる。
キラキラしたデパートに寄り道してスコーンをテイクアウトした後、向かった先はチャイナタウン。お腹が空いているときにはぴったりの場所。
ベトナムのフォーを食べた。温かくてツルッとした麺は、肌寒いロンドンの秋にぴったりだ
お腹を満たすと、そろそろパリへ向かうユーロスターの電車の時間が迫ってきていた。
あっという間に2日間のロンドン旅は終わってしまった。時間の過ぎるスピードの早さに少し寂しさを覚えたけれど、まだママといられる時間は半分以上残っている。残りも楽しもう。
さて、次はパリ編。次はどんな旅が待っているかな♪
パリ編、つづく。
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Utano Katayama
2000年生まれ、京都在住の大学生。自分探しも兼ねてイギリスのBrightonという海沿いの街に留学中。イギリスのカルチャー、世界観にますます惹き込まれている日々を綴った"As I Like It"をContainerにて連載中。自慢できることは何でも食べられること。食、アクション映画が好き。