Thailand /  Pai 前編

This Time Tomorrow #10

Thailand / Pai 前編

Thailand / Pai

Contributed by Natsumi Chiba

Trip / 2019.04.03

東南アジアの旅を記録した千葉夏海さんの旅連載「This Time Tomorrow」。第10回は、タイ/パイ前編です。旅先でのリアルな様子をお届けします!


パイはチェンマイよりもさらに北へバスで3時間ほど走ると着く街。バックパッカーがつくりあげた街といわれ、「チル」ができることで有名だ。「チルする」という言葉は英語の”chill out”からできた造語で、「落ち着く」や「まったりする」という意味。

チェンマイよりもさらにゆったりと時間の流れる山地に、バックパッカー達が文字通り「何もしない」をしにやってくる。街の規模自体は小さくて、モダンなカフェ、レストラン、 バーやクラフトショップなどが並び田舎には珍しいオーガニックやベジタリアンのオプションもたくさんある。夜はマーケットが開催され、ライヴミュージックも楽しめる。

例えるならパイは、「山のバイロンベイ」。オーストラリアに行ったことがある人なら一度は訪れたり、聞いたことがあると思う。バイロンベイはゴールドコーストから南へ1時間のドライブで着くビーチタウン。サーフィンやダイビングなどのオーシャンアクティビティが有名で、夜になるとギターや太鼓など各々の楽器を持った人がビーチに集まり、即興の音楽がなり響く。


バイロンベイのビーチ

もしあなたが「 何もしない」ということに罪悪感を感じてしまうなら、是非この2つの街に訪れてみてほしい。何にも考えずに、海や山を見ながらハンモックで寝て1日が過ぎてしまおうと誰もあなたを非難しないし、文句も言わない。時間はすべての人に平等で、時間の使い方は人それぞれで正解はないはず。

一度自分好みの時間の流れ方を見つけると、居心地がよくてそこにどんどんハマっていく。最初は2、3泊の滞在の予定だったけど、その場所を気に入り延泊し続けて同じ場所にしばらく居ることを旅用語で「沈没する」という。

パイで滞在していた宿でチェックインをしてくれたのがオーストラリア人のキース。低予算の旅でお金がピンチだったけれど、パイから離れたくなくて、その宿で住み込みで働きたいとお願いしたそう。2ヶ月半居るといっていた。

ハンガリー人のスティーブもパイが気に入ったけど、ビザが切れるから一度ラオスに行ってからまたパイに戻ってくる予定らしい。(いわゆるビザラン。国をまたいで新しいビザにして戻ること)

パイにはそんな沈没している人がたくさん居る。出来る限りゆっくり、のんびりと自分の好きな場所で、自分の時間に向き合い、”正々堂々と”何もしないを楽しんでいる。
私は人をそうさせるパイも、ここにいる人たちも、すぐに大好きになった。

To Be Continued.


BGM: Dream Land / Bunny Wailer


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