胃袋で感じるNY vol.2

No Sleep Ever #16

胃袋で感じるNY vol.2

Contributed by Chika Hasebe

Trip / 2023.10.13

「NYは毎日どこかで何かしら起きている、本当に忙しい街」目標に向かって、自ら道を開拓し続ける会社員・Chika Hasebeさんが、眠れない街NYへ旅に出た。誰よりも好奇心に従順な彼女だからこそ感じる、NYでの新しい発見と、心揺らすできごと。

#16


誰かが言った、「NYはなにもないけれど、なんでもあるところ」。行ってみて文字通り「なにもない」とはさすがに思わなかったけれど、多文化が入り混じっている様子を見る限り、各々がどのルーツを持っているか一言でパッと当てられることはあまりない。食もその一つだ。NY流にアレンジされたあらゆる国の文化は、わたしの胃袋にどんどん流れ込んできた。面白かったものたちをいくつか振り返ってみる。vol.2はほぼ一人で嗜んだストリートフード編。




burger joint

どこかの雑誌で紹介されていて、行ってみたい場所に入れていたところ。注目すべきはローケーション。いざ行ってみるかとGoogle mapで調べると、ホテルの入口が指定される。写真で場所をみても、ホテルの入り口の写真ばかりだな。コメントで「ホテルのロビーを抜けて左に曲がると着く」と誰かが親切に教えてくれたので、それに従って行ってみた。


無事辿り着くと、ネオンサインが。雰囲気良さげなホテルの中にこんなドストリートな店があるとは。




かなり混んでいて、観光客が多めな印象。明らかに席数が足りておらず、立ち席でぎゅうぎゅう状態になりながら頬張る人、ソファーボックス席を2組でシェアなど雑多感万歳だった。店員さんに順番を呼ばれて取りに行ったら、出てきたのはシンプルでプレーンな見た目をしたチーズバーガーとオレオシェイク。この二週間でバーガーを何回か食べたが、やっぱり紙に包まれたバーガーにかじりつくのが一番いいよね。







Papaya King

2022年5月にはまだ店があったのに、現在は閉店してしまったらしい。METやGuggenheimを訪れる前に腹ごしらえするのにうってつけのお店。本当にシンプルで安い味を噛み締めるためにある、ホットドッグスタンド。「ハラペーニョも入れていいよ」と言ってしまったのが最後、かなりパンチ強めな味でわたしの元にやってきた。ケチャップとマスタードはお好みでトッピング。そういえばコストコでマスタードの素晴らしさを知ってから、セルフタイプのソーススタンドでマスタードをどっぷりかけるのが定番に。ここのマスタードは意外と色がケミカルチックじゃなくて優しい。

スタンドで食べていたら、通りを走ってきた車からおばあちゃんが降りてきてテイクアウトする場面を目撃。店前は駐車できないが、一瞬で用意されて出てきたから路駐にならず。ニューススタンドで新聞を買うSATCのCarrie級のスムーズさ。このホットドッグ今作っていたよな……。






Zabar's

スーパーといえばTrader Joe'sやWhole Foodsが日本人には人気なイメージだが、NYだとZabar’sも老舗グルメスーパーとしてなかなか有名なよう。チーズやベーカリー、お惣菜などが多く、オリジナルのコーヒー豆も販売している。生鮮食品より、加工食品の方が充実しているのが一般的なスーパーとの違い。面白いのは2階に上がるとキッチン用品や雑貨も販売している。実家の近所にある「ここに来ればなんでもある」みたいな信頼できる地元のスーパーの雰囲気がした。

スーパーに併設されたカフェでベーグルを購入。味はサーモンクリームチーズ。テイクアウトしてCentral Parkで頬張った。バーガー同様、ベーグルも紙に包まれて出てきたものを頬張るのが一番。見た目以上に中身が詰まっていて、一個で満足だった。





Tacombi

Lower Eastを散歩していたときに見つけたメキシカン。一週間を共にした友人と別れ、NYに留学する友人の家に泊まらせてもらっていたときのこと。家から近かったこともあり、友人と歩いて夕飯を食べに行った(便利なところに住んでる!)。これもまた後から気づいたのだが、どうやらチェーン店らしい。Manhattanだけで8店舗は存在する。そりゃ歩いていたら気づくのも当たり前か。


メニューはこちら。買ったばかりのサングラスも並べてみた。店内は雰囲気も良くてカジュアルだけど気の利いたレストランを探しているならばうってつけ。


タコスをいくつか頼んでシェア。なにを頼んだのか忘れてしまったが、鶏・豚・牛・魚・ベジなんでもあるのでかなり迷った記憶がある。タコス以外にもケサディーヤ、ブリトーも種類が豊富だが、なかなかお腹いっぱいになりやすいので、タコスをつまむのが正解っぽい。


口コミによると魚のフライのタコスが絶品らしい。わたしたちは頼まなかった……。




Tom’s

今回あまり行かなかったが、Cetral Parkより少し北西寄りのエリアにあるダイナー。コロンビア大学から近いこともあり、店内はスポーツチームの写真などが壁にびっしり貼ってあった。日本でいう、まさに食堂。7時からオープンしていて、ファミレス席もある。



メニューにはダイナーらしく、「Egg breakfast」の文字が。注文するときにどういうふうな食べ方にするか伝える方式だ。他にもサンドウィッチ、バーガー、ラップサンド、ステーキとなんでもある。色々迷った末に注文したのは、フレンチトーストにソーセージ追加。プレートが出てきた瞬間「砂糖がソーセージにもかかっちゃってるじゃん!」と心の中で大ツッコミだったのだが、食べたらなんと甘じょっぱくていい感じ。新たな気づきをむしろありがとう。


メープルシロップはお好みで。こんなにたっぷり入った瓶をもらっちゃ危険なのだ。






il laboratorio del gelato

Lower Eastを散歩していたとき、暑くてたまらず入ったジェラート店。名前の通り、ラボっぽさのあるかなりシンプルで洗練された店内だった。フレーバーは250に及ぶらしい。またしても選んだフレーバーは忘れてしまったが、チョコレート系、ナッツ系を注文。意気揚々と食べていたら、3段重ねに慣れていなかったのか、ちょっと傾けた瞬間に全てのアイスクリームが床にボトリ。誰もその場面を見ていなかったので、どうしようと焦ったが、とりあえず綺麗にしないといけないと思ったので、店員さんの元へ。恥ずかしながらこぼしてしまいましたと伝えると、新しいアイスをくれた! 優しい店員さんでよかった。





99 Cent Fresh Pizza

$1ピザチャレンジ2回目。前回は偽物Joe’s Pizzaに迷い込んでしまい、サービス値段ともにうーんと唸りながら退店したので、今回は絶対に$1で獲得する気持ちで挑む。ここは99¢と言いつつ、実質$1。一番最安なのは、何もトッピングがないシンプルなチーズピザ。店内で食べることもできるが、立ち席。スライスで買うとテイクアウトする手段がないので、煙たい通りに面した店内で素早くたべなきゃいけないのがちょっと勿体無い。肝心な味はというと、めちゃくちゃ美味しい。個人的にはイタリアのピザよりアメリカのピザのふわふわした感じが好きなので、東京でもPIZZA SLICE以外にももっといっぱいあってほしいな。


色々トッピングできる。ようやくゲットした$1チーズピザ。




Dough Doughnuts

スナップを撮りに行くがてらぶらぶらしていた5th Avenue。そういえばと思い出して、日本の友人が行きたい場所に入れていたドーナツ店を訪れてみた。彼らのおすすめはトーステッドココナッツだったので、それを注文。近くにMadison Square Parkがあったので、そこで朝ご飯を食べた。ドーナツとコーヒーってやっぱりいいコンビネーションですね。




Tシャツの色と同じ色にベンチを塗り上げる集団に遭遇。おそらくボランティアぽいが、なんの活動かはわからず。




Ed's Lobster Bar

なぜかNYに行く2年前ぐらいからInstagramで見つけて気になっていたロブスターサンドのお店。China Townを抜けて歩いたところにあった。店内は思ったよりもこじんまりとしたサイズで、店外にも小屋建ての席あり。わたしが注文したのは、もちろんロブスターサンド。でも、それ以外にもグリルサンドやオイスターなどシーフードメニューを中心に豪華なものがたくさんある。雰囲気も素敵だが、結構値段もするので、友人とパーっといきたい夜におすすめの場所。




友人はボンゴレビアンコを注文していた。




Square Diner

ここもLower Manhattanにある、いかにもなダイナー。シートがかなりハリウッド映画の感じを彷彿させて、座るだけでテンションが上がった。


ボックス席だけど二人しか座れない感じ、喫茶店で稀にあるけれど、もっと増えてほしいな。


ここもTom’s同様朝からオープンしており、朝食メニューには「Eggs&Omelettes」の文字が。ランチの時間だったこともあり、今回はチキンワッフルを注文してみた。だがしかし、これが大間違い。メニューにチキンワッフルはなく、ワッフルとチキンを別で注文することになったのだが、その時点で気づいておきたかった......。出てきたのは巨大プレートのワッフルと巨大なる2ピースのチキン。サーブされた瞬間唖然。でもなんとか美味しくいただいた。ここでも並々に補充されたメープルシロップ。この甘じょっぱい感じが罪悪感を掻き立てるけれど、やめられないんですよね。



他にもHalal Guys、Pies 'n' Thighsなど前から気になっていたところに行けたNY旅。友人とのレストランも一人食もどちらも困らないのは、「なんでもある街」NYだからこそ。今回行けなかったが気になるお店はまだまだある。



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