Scent of country#0001

ぼくの行きたい町。at Vietnam

Photo&Text: SHINNOSUKE YOSHIMORI

Trip / 2019.01.23

外国の匂いが好きだ。
その土地の空気と人と文化とが入り混じった、その国だけの匂い。
空港に到着し、ターンテーブルから荷物を引き取り、出口の自動ドアを抜けたその瞬間の匂い。
ベトナムはどんな匂いなんだろう。


12月14日(金)AM5:55
昨晩は、なんばのビジネスホテルに泊まった。
大阪に来るのは久しぶりだったが、相変わらずの人の量に面食らってしまう。
6時過ぎの始発電車に乗ればいいのに、土地勘もないのでやたらに早く駅に着いてしまった。
隣にはダボダボのスーツを着たサラリーマン、今回の旅はここから始まるのだ。



ベトナムコーヒーにミュージカル「ミス・サイゴン」、フォーやバインミーももちろん有名だ。
それからフランスの植民地だったことは授業で習ったので知ってはいるけれど、ベトナムを旅するにはあまりにも心もとない知識量だ。でもまあ着いたら色々わかるよな、旅はいつもこんな感じ。

空もだいぶ明るんできた午前7時、無事空港に到着、チェックインもスムーズに終わる、幸先いいぞ。
ホッと一息、ラウンジで腰を落ち着ける。朝の光がとても綺麗だ。
光というよりも外の澄んだ空気そのものが窓越しに降り注いでいるようにも思える。
早起きは三文の得とはよく言ったものだ。最高だ。



搭乗開始のアナウンスに導かれ飛行機に乗り込む。
まあるい窓から澄んだ光が差し込む。うん、いい旅になりそうだ!
ホーチミンまでは約5時間、朝が早かったこともあり席に着くとすぐに睡魔が襲ってきた。



ポンッとシートベルトサインが点灯する音、うっすらと目を開ける。
外を見るとサイゴン川、街の隙間をくねくねと蛇のように流れている。
古くから、貿易の拠点としてホーチミンの街を支えていると同時に、市民の生活に欠かせない大切な水源でもある。
飛行機はぐんぐんと高度を下げていき、お決まりのドーンという衝撃(ちょっと苦手だ)と共に着陸した。



荷物をピックアップし、空港の外へ。
自動ドアを抜けた瞬間、モワっとした熱気が体を包み込んだ。
排気ガスと土の匂いが鼻の奥をくすぐる。
現地の気温は32℃、真冬の島国から来たツーリストにはだいぶ堪える暑さだ。
「taxi! taxi!」と客引きのタクシードライバーたちが近づいてくる。
軽く手を振ってノーサンクスと伝えると、パッと諦めて次のターゲットを探し始めた。
清々しいくらいの潔さ、あれ? なんだかこっちがフラれた気分。






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