LA2日目も内容濃過ぎでクレイジーなのはなぁぜなぁぜ? 後編

It's Not About Me. It's About My Friends. #5

LA2日目も内容濃過ぎでクレイジーなのはなぁぜなぁぜ? 後編

Contributed by Sho Mitsui

Trip / 2023.08.01

アメリカ国内に謎のネットワークを持つ元英語教師・現カルチャーコーディネーターの三井翔さんがお届けする、彼にしか綴れない「旅行記」。今回、2年ぶりのLAへ旅立った目的は友人の結婚式! 名だたる面々と共に過ごす奇想天外な日々の様子、ハッピーなムード溢れる結婚式の様子をお届け。




レストランへ向かう途中、日本ではすっかり仕事でお世話になってる1 OAK LAの跡地前を通り過ぎる。へーこんなところにあったんだ! ドアは傷だらけだし、治安の悪さがムンムンだ。コロナ渦で大半の1 OAKはアメリカでは閉業してしまった様だ。なるほど、だから「日本に1 OAKあるの? ガチ?!」ってみんな驚くわけね。話によると同クラブの晩年は銃撃があったりと「全米で誰もが一番入りたいクラブ」から「全米で最も危険かつ立ち寄りたくない場所」へと一気に落ちぶれてしまった模様。残念だ。
さて、更にテクテク歩いていくと...



到着したのはPrince Street Pizza!!!! 僕がNYCで1番好きなピザ屋なのだが、とうとうLAにも進出して今や2店舗も構えているそうだ。





店内もご覧の通りでNYCの本店より広くて小綺麗ではあるものの、レンガの壁に飾られたセレブとの2ショット写真はprince street店のコンセプトそのもの。



以前の連載("It's About Time"読んでね!)でも書かせていただいたが、ここに来たら頼むべきはペパロニスクエア一択なのだ。迷う余地すらない。店舗に入った瞬間から「キミに決めた!」状態で臨んで欲しい。レジの兄ちゃんがご機嫌な人で「Supremeで何買ったんだい?」といった話から会話が弾んで、結果的に何と



1枚オーダーしたら2枚くれたwww しかもインスタのストーリー用に撮影しようとしたら完全にポーズと見せ場を作ってくれて、神対応。食べた感想は勿論、美味しいのだけれどやはりNYCとは「何か」が違うんだよな...その「何か」が「水」であるという人が現地ではほとんどだが、本当なのかな? 今回のスクエアにはチーズが少し足りなかった気も。それにしても税込で1枚$7.75くらいしたんじゃないかな? 高すぎでしょ! びっくりして2枚分の値段なのかレシートを3度見くらいしてしまった。

残念ながら、NYCと同じ感動を味わえなかっただけでなく、インスタのストーリーズにPSP(prince street pizzaの略)で食べた事をあげた結果、Prime PizzaのJamesから涙の顔絵文字が...w 何よ。メンヘラかよw とか思いつつやっぱりLAのピザ界隈もバチバチしてんだなーと察した。まだ、prime pizzaでは食せていないので、空き時間で絶対行かなきゃ! さて、先日Virgil NormalのCharlieの紹介で日本で完全にブロった(「ブラザーズになった」という意味。「(誰かのsnsアカウント等を)ブロックした」という意味では無い。皆さんに積極的に使っていただきたい)A.NiceことMarioがFucking Awesome (以下FA)storeでグループ展を主催するというので準備の最中にちょい、お邪魔。



FAのストアには大きな彫刻作品が一台加わっていた。どうやら6月には韓国にもストアを展開する模様で、韓国はSupremeに引き続きFAとスケーターショップが次々と出店するみたい。バイヴスは非常に「アゲ」のようだ。



普段ならスタッフが休憩中にチルしている2階のスポットがギャラリーとなるそうで、普段は足を踏み入れられない場所にエンターすることが出来、僕は大満足だ。Marioは「先週渋谷で会ってたのが信じられないよ! 来てくれてありがとう!」とハグをしてくれる。Marioがちょうど壁に飾ろうとしていた作品が非常に素敵だったので、パシャリ!



Marioの後ろにはFAとadidasとのコラボを記念してJason Dill(FAの創始者)が粘土で作ったと思われるカワイイ作品が。伝説的なスケーターであり、長年Supremeのスポークスマンを務め、現在はFAストアを3店舗までに展開し、自身はペインターとしてひっそりとオハイオ州で暮らす、僕のヒーローJason Dill。明日のオープニングレセプションには当然来店するということでテンションは既にマックス! 「ごめんね。忙しい中ありがとう。明日のアートショー楽しみにしている!」とMarioに伝え、ストアを後に。そして勿論向かうのは



天下のAmoeba Music! きょうび、円安と送料の高騰で輸入レコードはビビる程高いし、日本にはなかなか僕の好きなアーティストのレコードが入って来ないしイライラ! ということで、「LAに来たらしなくてはならない事リスト」の中に「Amoeba Musicへ行く」というのを赤字で記載しておいたのだ。狙うは5/19に観に行く予定の100 Gecsのニューアルバム。何気にラスト2枚だったのでゲット出来て一安心。一旦Jordanの家に帰り、休憩したのちに…



Hollywood Improvだ! ここでは夜な夜なスタンダップコメディー(日本で言うところの1人漫談?)が行われているシアター。前回の僕の連載"It's About Time"を読んで下さった方ならお分かりだと思うが、Neal Brennanと知り合って以来、僕は無二のスタンダップコメディー好きと化した。日本では中々一流のパフォーマンスを見る事が出来ないので今回LAで誰かしらのライブは見たいと思っていたのだ。ところが、NealはツアーでLAにいない。どーしよ? そこで調べていたら先日、韓国系アメリカ人の大人気コメディアンBobby Leeの"Tiger Belly"にゲスト出演したJiaoying Summersがなんと、Hollywood ImprovでLiveをするとの情報が! Tiger Bellyを見てJiaoyingに魅了された僕は即チケットを購入。現地に着くとなんと!!!!



どこからともなくフラッと現れたJiaoyingが僕の所へ歩いて来て、「ちょっと待って! あなたもしかして日本人?!」と声をかけてくれるではないか!!! びっくりした僕は「そうだけど...」と答えると彼女はスマホを取り出してインカメで動画を撮り始める。「カメラに向かってJapanese husbandと日本語で言って」とJiaoying、「ニホンジンノダンナ」何故かカタコトになる僕w するとJiaoyingが「Hi guys! This is my ニホンジンノダンナ and I'm gonna xxxxxxxxxxx(確かめちゃくちゃぶっ飛んだ事言ってた気がする)」と僕をカメラに収めながら恐らく、リールかtiktokか何かを撮影。

何が起きているか分からずあたふたした僕は取り敢えず、「Tiger BellyでJiaoyingの事を知ってめちゃくちゃファンになったんだ!今日ははるばる日本から来たんだよ!」と興奮気味に伝えると「ありがと〜写真撮りましょ!」と向こうから写真撮影の申しで。めちゃくちゃ良い人。

彼女はアジア人に対しての嫌悪や差別、偏見をコメディーを通して無くそうとしている活動家の1人。是非とも今回取材をしたかった。実は日本にいる時に既にDMも送っていたのだ。出番前で忙しいJiaoyingにそこまで厚かましくお願いする事はできず、シアターに入場。サポートアクトが4人位登場していよいよJiaoyingの出番だ。生で見るとスタンダップコメディーがいかに芸術的な表現法であるかが分かる。
実は僕も「スタンダップをやってみようかな〜。しゃべるだけじゃん? おもろそうw」位に思っていた時期があったが舐めすぎていた。これはもはやアートだ。Jiaoyingは中国人で中国の文化に馴染みの無い僕ではあるが、アメリカに住んだ日本人としては彼女のネタには共感出来る部分が多々ある。「あなた達(白人に向けて)は中国人と韓国人の間にビーフ(わだかまり)があると思ってるみたいだけど、心配ご無用よ。日本人が部屋に一度足を踏み入れれば私たちは親友になるんだからw」僕にとってはヒヤッとするネタではあるが、笑える。「何が言いたいかっていうと、アジアンヘイトはアジア人内で解決出来るって事。西洋人の介入はご遠慮ねがえますぅー?」爆笑だ。彼女このネタをアメリカのエンタメの中枢であるLAのど真ん中でカマしている。めちゃくちゃカッコいい。



後日律儀にも本人からDMをいただいて、もちろんインタビューは実現しなかったのだが、良い人だなぁーって単純に感動。推せる。クレイジーなLA2日目は息をつく間もなく終わりを告げた。



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