Hit the Road #2

北海道ロードトリップーコロナへの逆襲ー

日本最北の島で感じたこと

Contributed by Natsumi Chiba

Trip / oct.09.2020

東南アジアをはじめ世界中を旅してきたNatsumi Chibaさん。コロナ渦の中で、海外へ自由にいくことができない今、彼女が向かったのは北海道。Road tripをしながら雄大な北海道の大地を駆け巡るニューノーマルな旅の模様をお届けします。

#2

久しぶりの羽田空港は思ったより人が多くて少しずつではあるが活気を取り戻し、元に戻りつつあるのかと感じた。国際便に乗るのと国内便に乗るのはやっぱり大分気分が変わる。
近いし時差もないし、強烈なワクワク感というよりは、なんというかもっとゆるやかに心がときめいていた。

札幌でレンタカーをピックして、買い出しに出かける。それぞれの大きなバックパックに加えて食材などの荷物も加わり、車は信じられないくらいに荷物が散乱。一応女二人のロードトリップだ。「もし緊急事態が起きたら?」なんて話をするけれど、こんな状態じゃ何かあってもすぐに車出せないよね、なんて笑いながらさっきまで手に持っていたはずの物を探すのに、ごちゃごちゃの荷物を掘り返していた。旅している時にいつも思うけど、お洒落を保ったり映えてる写真を撮ったりするのって難しいし大変。

札幌から稚内まで一気に北上して、日本最北の離島・礼文島へ向かう。車はフェリーで持ち込まずに稚内に置いていくことにした。



人口2500人ほどの離島で、分かってはいたけれど車がないのはかなり不便。バスは一日に5〜6本しかないし、私達が泊まった緑ヶ丘キャンプ場から一番近いコンビニまで3.6km、島唯一の温泉まで5.5km。歩けないことはないけれど、かなり遠い。(ちなみにそのキャンプ場にはシャワーがない)

ずっと車移動な上にホステルに泊まるわけでもツアーとかに参加するわけでもないので、あまり他の人と関わる機会がなかったけれど、車を乗り捨てた途端に周りの人に助けてもらってばかりだった。

フェリーターミナルに着いてもバスの本数が少ないから、私達が泊まるキャンプ場方面に行く次のバスが来るのは約2時間後だった。待っていられないし、タクシーもめちゃくちゃ高かったので、キャンプ場まで約6kmの道を歩きながらヒッチハイクすることに。マスクをつけた運転手に「今はちょっと無理」的な合図を送られること数回。よそ者丸出し観光客の私たちを快く乗せてくれたおじさんは、同じ神奈川県出身で地元へはもう30年帰っていないそう。礼文に来て2年だと言っていた。

次の日、お昼ご飯のサンドイッチをもぐもぐと食べながら、澄海岬を登ろうとしていたら「おめえ、死ぬぞ!」と車の中から声をかけてくれたおじちゃんは、道が崩れたりしていて危ないからと簡単に登れる階段の入り口まで乗せてってくれた。訛りが強くて時たま聞き取れなかったけど、お礼をして車を降りる時に「コロナだからあんまり人乗せだくねんだけどな! 気をつけろよ!」と言いながらニカっと笑ってくれた。


澄海岬から見た景色。

「花の浮島」とも呼ばれる高山植物で有名な礼文島。私達が見たのはもう枯れてしまった花やススキばかりだったけど、ベストシーズンの6~7月に行けば花畑を横目に海を見下ろすハイキングが出来る。環境庁に勤め、盗掘から高山植物を守るパトロールをしていたおじちゃんはたまたま車から出てきたところを話しかけてみたら、パトロールの道中のついでに観光名所で車を停めてくれたりお店に寄ってくれたり、キャンプ場まで乗せてってくれたりしてとっても親切だった。


桃岩展望台までの道


メノウ浜で見た夕日

かなり勝手な思い込みだけど、小さな島の人たちって少し閉鎖的なマインドで地元愛が強いが故に他所から来た人に対して少し厳しいようなイメージがあったから、コロナの状況のなか行っても大丈夫かな? と思っていたけれど、そんなことはまったくなくて、久々に旅先で出会ったあったかい人達の優しさに少しウルッときた。


桃岩展望台

マスクが買えないことで店員さんを怒鳴りつけるような人が出始めて、自粛警察やマスク警察なんて言葉が生まれた。そんな人間の醜くて嫌な部分がストレートに現れたニュースを見る度に違和感と精神的な疲労感を感じたし、GoToキャンペーンや移動中の感染に関するニュースでの旅する人への厳しいコメントが「みんな」の意見だと思っていたけれど、私はインターネットを見過ぎてしまっていたのかもしれないなと礼文島に来て気付いた。

もし今どこかに行きたいと思っているけど遠慮してしまっているのなら、思い切って行ってみるのがいいと個人的には思う。もちろん出来る限りの対策をするのは必須だけれど、観光地の人達は待っているはずだから。行ってみたら限定のビールだって飲めちゃうかも。

続く

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