good byeじゃなくてsee you later

Que Será, Será #21

good byeじゃなくてsee you later

Contributed by Sara

Trip / 2024.07.23

『旅が私を変えてくれた』
バックパッカー、1人旅、そして留学。現地に足を運んだからこそ見えてきた、それぞれの国でのそれぞれの暮らしかた。「なるようになる!」をモットーに旅をし続ける大学生saraさんの、「旅の記憶」をシェア。


#21


私の留学先スウェーデンは、6月になるとすっかり気温も上がり、日照時間も伸びた。夏が来た! と言えるほどの気候は、10ヶ月の留学生活のおわりが、いよいよすぐそこにあることを実感させる。

5月末に授業が終わると、帰国ラッシュが始まった。友達との会話もパッキングや部屋の片付けのことでもちきり。留学後の生活について話すことも増えた。


みんなでデコレーションした共有スペース


この10ヶ月、国際寮での共同生活はとっても大きな宝物になった。同じフロアをシェアしていた仲間とのお別れは、もちろんそれはそれは寂しくて、今はまだみんな無しの生活なんてイメージできない。きっとこの気持ちは私だけじゃないはず。

でも、寂しさを抱えながらも日々感じたのは、みんな未来を見ている! ということ。時差を計算してみたり、近い未来でいつ再会できるか話したり、近況報告するグループチャットを作ったり……。最後まで、どんなことも楽しもうとすることがみんならしくて、嬉しかった。このパワーがここでの日々を豊かにしてくれたのだと実感した。


キッチンに並ぶ姿も貴重になっていく


留学生活の記念に、私たちはお互いにメッセージを残した。私が通ったウプサラ大学の伝統で、生徒は大学オリジナル曲がびっしり書かれたソングブックを持つ。そこにメッセージを書き合うのが伝統なのだ。


赤い本が私のソングブック


みんな自分のマークを残そうと、大きな絵を描いたり、自分の国の言葉を書いたり、わざとページを破ったり、真っ赤なリップマークを付けたり……。ここでもユーモアと愛に溢れるみんなの魅力を再確認できて、なんだか嬉しかったな。


メッセージを書くみんな



ここでもメッセージタイム


形に残らない瞬間を共有して胸に仕舞っておくことも美しいけれど、こうして目に見える宝物が増えていくことは本当に幸せなこと。そして私たちは、1990年代から残る寮のアルバムに自分たちのページを足した。30年前の人がかつて残したメッセージを私たちが見つけたように、未来の誰かがいつか見つけてくれたらいいな。




最後の夜、チェキを撮った


お別れの瞬間は、今まででいちばん大きなハグをぎゅっっとして、笑顔で過ごした。good byeじゃなくて、いつもキッチンですれ違う度に口にしていたsee you later!と言い合った。そう、私たちはまたすぐに会える。だから大丈夫。

10ヶ月間のウプサラ留学生活、またね!

つづく!



アーカイブはこちらから

Tag

Writer