
To Me, Somewhere in the World #134
今日も歩けば100万点
Contributed by Yoko
Trip / 2024.06.19
未知なモノすべて知らないことを知りたい、自分に忠実に生きるフリーランスのWebライター・編集者Yokoさん。旅の話をリアルタイムで、時に振り返りながらつづる旅連載。
#134
家にいたいようないたくないような、外に出なければ干からびてしまいそうなときは、電車に乗ろう。気になっていたけれど行くか迷っていた松本のイベントに、友人が勧めてくれたことを言い訳に、とりあえず行ってみることにする。

山が見える。どこでも。
時々行く松本。お店からお店を渡り歩き、城は時々見る程度の場所。今回はマルシェイベントを3つほどハシゴしてみた。それにしても、天気が良い。

下ばかり向く日。影。
少し南下するだけで夏と錯覚するほどの蒸し暑さ。松本にいる日は、いつも大体天気が良い。お目当てのマルシェは、想像よりもずっと多くのお店が集まっていて面白かった。でも、欲しいものはない。欲しいものというか、どうしても所有したいものは。お金を使って何かを手に入れたい欲は人並みにあるのだけれど、「本当の本当の本当に、欲しいか」までを問うと、それらはほとんど買い物かごには入らない。でもそれだとテンションを上げに行ったのに下げに行ったみたいになって悲しいから、必要性の高くない食べ物を買ったり、美味しそうなものを口に入れてみたりして、バランスを取っている。好きなのに嫌いになりそうなものはこの世の中に多いと思うけれど、私にとってのそれは手売り系のイベントなのである。

MATCHA.
「本当の本当の本当に?」の問いは、果たして必要なのかと思うときもある。でもモノに限っていえば、多くの欲しいと思ったものを手に入れては手放してきた経験があるから、もう変わらない感覚だと思う。何十年来の親友と、いつかそんな話をした。欲しいモノはもう、大体……。思うに、大人になったら、欲しいものはモノではなくなる(人もいる)。仕事にしたって生活にしたって同じ想いをもって同じ方向性に向かうのは無理だとわかった瞬間、上手に折り合いをつけながら進むしかないんだと理解した瞬間に。ゴールのない迷路でわざと迷子になるしかない大人は、解決策が欲しいのだと思う。

影。
さて、今日も「明日宮崎に行こうかな」の衝動を抑える必要があるのかと思いつつ、ここでの生活を続ける一日を過ごそう。今日も昨日の延長線、いや、今日が明日に繋がる道。そんなのどっちだっていい。

新旧一体。街並み。
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Yoko
長野在住、北海道出身。世界一周予定が新型コロナウイルスの影響で中止に。東京から葉山、長野へと拠点を移しつつ、国内外を自由に旅している。レバンガ北海道(#11)とアイスが好き。フリーランスのWebライター・編集者。












































































